名画座手帳2024





# by ouraiza | 2023-12-31 23:59 | Comments(0)
キラー    せと
11月27日月曜日。
 定休日の無約束営業をせず午後遅めから店で発送、片付けなどの諸事と値段つけ。外周の諸事が多かったのでじっくり番台に座って内周を落ち着けたかった。外国からのお客様が増えているので英語をもっとうまく喋りたいと思い、YouTubeで繰り返し聴いて覚える式英会話フレーズ集を流しっぱなしにしてみる。
 買ったソファーがどうしても家に入らないという友人夫婦を少し手伝いに行く。背もたれ部分を座面から外すことができて関門突破。

 委託商品をお預かりして緊張。慎重に触って進みたい。

 夜、「芋たこなんきん」を観る。

11月28日火曜日。
 休み。夕方まで廃してから久しぶりのYBA(山田ビリヤードアカデミー)。今回から普通の台より少しポケットの狭い厳しめの台に挑戦してみることにする。冒頭から3連勝して浮かれてその後5連敗。結局7対10で負け。いつもより惜しさがあった。びくびく臆していた狭めな台でも大丈夫、とわかったことが大収穫。通算51勝97敗。山田くんとの反省会でまたビールを飲み過ぎ、気付くと家の炬燵で昏倒していて猫たちが夜食をよこせと鳴いている。どこかにネックウォーマーを落としてしまった。

11月29日水曜日。
 非番。早朝午前9時、二日酔いと寝不足でくらくらしながら自転車で古書会館へ。次期役員を決める会議。毎回とてもハードな難局。くじ引きで役にはつかないことになったが、後ろめたい。軽検索「後ろめたい」/語源は諸説あり、「うしろめいたし(後ろ目痛し)」もしくは「うしろべいたし(後ろ辺痛し)」。私は逃げたい反面できる限り協力したいという嫌な奴。
 帰路、昨晩反省会をしたお店に寄ってみたがネックウォーマーは無し。午後遅めから断続的に気絶、休眠。

11月30日木曜日。
 開店して諸事。
 『名画座かんぺ』最新号の表紙作り。図案は昨晩印象が生まれていた。先に印象が生まれているととても楽。木版と消しゴムスタンプのハーモニーをしてみる。
 一昨日どこかに忘れてきたネックウォーマーを探しにビリヤード場ロサに行くと、ばっちり保管管理してくださっていてとてもありがたかった。忘れ物がとても多いとのことで、混乱をきたさぬよう用意されている顧客の忘れ物を管理するための帳面にサインをする。
 
 裁縫を得意とする現在105歳の祖母が以前作った綿入れを送ってもらったのが届き喜んで着てみたが、鏡を見るとまったくもって陽気なお地蔵さんなので着るのをやめようかと悩む。

 お預かりしていた委託商品の商品化を始めるがいろいろな諸事も同時にあって進まず。1冊のみ。
  出来上がったばかりの『名画座かんぺ』最新号を20枚ほど折る。

 夜、1年半くらい前から使っている新しいMACで初めて音楽制作システムのガレージバンドを開いて操作をしてみると、旧版とかなり違っていて戸惑うが、だんだん最低限必要な操作ができるようになってくると、そのできることの多彩さに改めて驚く。マルチトラックレコーダー(MTR)という機械にカセットテープを差し込んでガチャガチャやっていた数十年前が信じられない。

12月1日金曜日。
 開店して諸事。
 お預かりしている委託商品の商品化に集中。完成した商品を飾るための新しい場所を拓くのが楽しい。必要がなければ数年、ややもすると10年以上ピタッと静止した場所が別の用途を持った場所に変わるためには、その必要が必要になるわけであり、必要には挑戦してみなければいけないなと思う。
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 ほとんど冗談で配架していた「1950年ごろの文庫に巻かれていたナチュラルエイジンググラシン紙13枚一括 200円」が売れた。また機会があったら商品化してみよう。
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 店内で流行中のプロ野球カードチップスで、ご近所Sさんが熱望していた「宮崎敏郎」をついにAさんが引き当てた。

 「キラーストリート」の「キラー」とはなんなのかふと英語に詳しい店員ノムに尋ねてみると、「キラーチューンとかキラーコンテンツとか、超いいじゃん!ていうのをザッツキラー!て言う。最高にイカしてる、みたいな」とのことで、勉強になった。悩殺、のようなことだろう。

12月2日土曜日。
 昨晩店のドアの鍵がなぜか曲がっていてまったく鍵穴に挿さらなくなってしまっていたので、ペンチで極力まっすぐに直して試してみると、曲がって使えなくなる以前よりも鍵穴内での回転がスムーズで驚いた。ちょっと鍵の回転に引っ掛かりがあるけどまあ使えるからいいや、ということはよくあるが、そういう時、もしかしたら鍵が僅かに曲がっているのかもしれない。

 開店して諸事。
 ひたすら新しい『名画座かんぺ』を折る。235枚だった。
 無闇に英訳を尋ねていらっしゃるご常連のKさんからの今日の課題は「戦地に送るためにむすめを育てたんじゃない」。「育てる」がわからなかった。ぼくは悩んだ末に「teach」を使って、兵士になるなんて教えていない、風な英訳でお応えしたが、後で軽検索してみると、「raise」や「bring up」などと言うらしい。

12月3日日曜日。
 出張買い取りへ行くのに番の代打を依頼し忘れていて臨時休業。
 10年以上前に1度お邪魔してその文人気質の濃度に驚いた逝去なさったお医者様のお宅で、ご家族が断続的に片付けをなさっている。小説、俳句、版画、絵画、直筆類、茶道、骨董、石、などなど、1ジャンルに固執せず深く伸び伸びと趣味に埋没なさったお姿を想起する。余裕があって知性に奔放で真剣な、今はそういうかたが少ないのでは、と思う文人墨客。「散歩に行くとそのへんの石を拾ってきた」とご家族がエピソードを教えてくださり、まさにそういう感じ、と思う。いろいろと感動。
 万が一の車内の荷崩れで壊したくない額類のみ店に降ろす。

 夜、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を観る。とても面白かった。観終わって想いを巡らしていると、つまりこんな風に印象、解釈の幅が広いという面白さにしみじみしてくる。瞬間的に血なまぐさいドキュメンタリーでありながら、昔々あるところにユダヤ系移民の少年たちがおりました。ヌードルスはファットモー食堂へ少女に会いに、マックスはファットモー食堂にヌードルスを探しに行きました‥‥で始まるおとぎ噺。散文と韻文を行き来するような不思議な大きさ。


# by ouraiza | 2023-11-29 23:20 | Comments(0)
移    せと
 ちくま文庫『出久根達郎古本屋小説集』をやはりとても面白く読んでいると、たっぷりな娯楽性の隙間に初めて目にする語句と出会う喜びも随所にあることに気付く。かなり以前にオリジナルで読んでいるはずなのだが、すっかり忘れている。軽検索。「料る」/りょうる:料理する。物事をうまく処理する。「どよもす」/響もす:声や音をひびかせる。鳴りひびかせる。「『サザエさん』の先祖が磯野藻屑源須太皆(いそのもくずみなもとのすたみな)」。「絖」/ぬめ:地が薄く、なめらかでつやがある、絹の一種。 
 こちらはプロ野球の契約更改であえて単数年契約を選んだ選手が翌年チーム移動を目論んでいるのではないかというニュースから、「秋波」/しゅうは:こびを表す目つき。色目。知らなかった。

11月20日月曜日。
 午後遅めから定休日の無約束営業をする予定で出勤したが、前店舗時代から20数年来の友人である手帳編集部Aさんがとある試験に合格なさりそのお知らせに来てくださったので、発送など諸事だけして小さな宴を開く。祝事でありつつも波の高さを測れない出航でもあり。こんな月曜日が嬉しい。
 夜、少しだけ保留物の値段つけ。帰路、編集部Iさんから荒川洋治さんの詩の一節を教わり、ほとんど読んで来なかった詩集をとても読みたくなる。

 NHKオンデマンドに以前は配信されていなかった「芋たこなんきん」があったので観始める。

11月21日火曜日。
 休み。廃す。
 「その墓は谷中仏心寺の境内にある。」と井伏鱒二「ジョン万次郎漂流記」の末尾にあり、軽検索すると、大正9(1920)年に雑司ヶ谷霊園に移されたとのこと。しかし「ジョン万次郎漂流記」は昭和12(1937)年の書き下ろしで、なんでだろ、と思う。よく使われる呼び名「ジョン万次郎」は井伏作品で使われたのが初めてで、以後広まったらしい。

 夕方から閉店まで店で少し諸事、保留物の商品化など。
 著者が「ポー」だったか「パー」だったかわからないけどその人の本を探している、というお客様からの問い合わせに店番TTは「もしやカール・ポパーですか?」と難題の正解を導き出せた、という話を聞く。すごい。

 「芋たこなんきん」を観る。

11月22日水曜日。
 休み。廃す。時間というものは不思議だと改めて感慨にふけっているうちに時間が過ぎる。

 夕方から、雑司が谷の古民家から中央線沿線にお引越しなさるKさんの壮行会に混じらせていただき、美味しい焼き鳥をご馳走になる。Kさんの雑司が谷に対する名残惜しさがいずこにありそうか探るなど。初めてお聞きする雑司が谷情報など、いろいろ教えていただく。記念にKさんから雑司が谷に捧げることばを手帳にいただいた。帰路、Kさん未踏のレアスポット(個人宅超改造音響部屋)にて中森明菜「ミ・アモーレ」を聴かせていただき、「ゾ(雑司が谷)・アモーレ〜〜」と歌いながら帰る。
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 教えていただいたNHK「ブラタモリ 東京・目白」をNHKオンデマンドで観る。タモリさんが目白駅前に立っていたりですごい。

11月23日木曜日。
 開店して諸事。
 なぜだかどうにもやる気が起きず、時の経過をただ過ごす。
 外から特価本を選んでくださり店内にお持ちになり購入なさる本を店内の棚から抜いたほうに変更なさったお客様の5名様のうち4名様は外からお持ちになった本を店内のどこかに放置なさるので掲示した「外の商品は先にご清算ください」看板を、間に合わせの紙にプリントアウトしただけの版から、板に貼り付けてプラスチック板で囲み入り口ドアの把手にクリップで挟む版に替える。あまりにもなにも仕事をしていないので功を急ぎ、塗料がまだ乾いていないうちに設置。失敗の予感が強い。
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 b-Spoの準備をほんの少し。自分ではどうも念が混線して集中できず、ムトさんと店員ノムに出題案を捻出してもらう。

11月24日金曜日。
 開店して諸事。
 お持ち込み買い取りの仕分けを少し。

 b-Spoの準備をずっと。肝となる楽しい問題が作成できず難しい。3つの選択肢で検索ヒット数を競うゲームだが、以前は「3字のあなた」。どうもしっくりきていない気がしていたのだが、夜、やっと競技名を思いつけた。「サンタクレース」。イズカミングトゥタウン。

 新しい「外商品先清算」看板の安定度が100であって欲しいのに67くらい。次の手をかんがえる。

 「芋たこなんきん」を観る。

11月25日土曜日。
 開店して諸事。
 若干不安定な「外商品先清算」看板を、ひとまずごく単純なプラケース入りプリントアウト紙ひも付きぶら下げ式に変更。ドアに貼っている野球ボールシールがフックになることに気付いていなかったが、店員ノムが「んなもんヒモでそこにかけとけ」と言ったので気付くことができた。

 ずっとb-Spoの準備。いろいろな単語を検索しまくり並びをかんがえる。
 雑司ヶ谷霊園の泉鏡花の墓所が移転作業中というニュース(泉鏡花記念館さんのX投稿)があった。雑司が谷にとっては寂しいことだが、墓所を管理なさるご遺族にとって例えば遠方だった場合とても負担が大きなこと。昨年末か今年の初めに島村抱月の墓所が更地になっていることに驚いたが、ニュース記事になっていた。

 「芋たこなんきん」観る。

11月26日日曜日。
 開店して諸事。小雨時折霧雨で外をガードシフトに。
 YouTubeの恐ろしさ。ビリヤードの気になる大きな大会が生放送されていて大変。自分と店を甘やかして観てしまう。後、b-Spoの準備をずっと。問題パネルの作成、ちょっと調査まど。
 閉店後、YouTubeライブ放送「不忍ブックストリームⅡ」の本番。担当するゲームコーナーb-Spoは、国会図書館オンライン検索での同枠の単語3つの検索ヒット数の多寡を推量する「サンクレース」。放送前に多くアルコールを飲んでしまうことはしないようにしていながらも、懐かしいお客様が缶ビールを差し入れてくださったり、店の宿命というか、いつもより飲んでしまっていて心配だったが、優しきゲスト吉上恭太さん<新刊『ぼくは「ぼく」でしか生きられない』かもがわ出版、御上梓直後!>のおかげでとても楽しく完了。
 b-Spoは1:09:45くらいからです。
 「芋たこなんきん」を観る。

# by ouraiza | 2023-11-27 17:03 | Comments(0)
犀    せと
 夜にふわっといらっしゃり、お帰りになるときに何気なくぽつっとなにかを教えてくれるミヤモトくんから最近教わったこと。球技、スカッシュの日本チャンピオンのお名前が「机龍之介」さんであること。詳細は調べていないが、中里介山『大菩薩峠』原作では「竜之助」、映画では「龍之介」、のようだ。次々回オリンピックでその名が轟くはず、とミヤモトくん。詩集などの版元である「永井出版企画」の住所が北部古書会館の住所と同じであること。北部会館の2階が住居や事務所だったことは聞いたことがあった。「永井さん」というお名前も大先輩からお聞きしたことがある気がする。

11月13日月曜日。
 午後遅めから無約束営業の開店、諸事。風が強めで外を少し養生。

 店員ノムが映画系の山脈を切り崩しつつあるのを横目に、放っておくとうっかり保留してしまいそうな黒めの小山を商品化。カバーのない古い文庫が面白い。ともに1950年初版の岩波文庫『宮沢賢治詩集』、新潮文庫『萩原朔太郎詩集』にいたく感動したりする。

11月14日火曜日。
 休み。廃す。
 新潮文庫『さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記』から「ジョン万次郎漂流記」を読む。資料からのレポートの性格が濃く、よく見るような英雄譚、偉人伝として書かれていないのでとても面白い。ふと雑司が谷霊園内のジョン万次郎墓所の場所を調べると、命日が一昨日、12日だとわかる。1898、明治31年没。
 夜、散歩の途中で家から2、3分ほどのジョン万次郎の墓所に立ち寄って手を合わせる。活けられていた生花が真新しい。
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 深夜に動画作りを少し。

11月15日水曜日。
 休み。
 某業者様の買い取りの下見に行く。銀座はきらびやか。正装のために靴を準備していたのにうっかり忘れてクロックスで来てしまった。
 検索でわかった「ジョン万次郎終焉の地」(ミキモトビル)前に佇んでみたりする。
 大手町、丸ノ内を散歩して神保町方面へ出る。高層オフィスビルの窓の灯りに囲まれていると、制度的書類に責め立てられている気分になりなんとなく爆破したくなってくるのはいけない。丸の内には幽霊が出そうもない。
 水道橋のエスニック料理やさんにてミント草を大量に摂取。おいしかった。

11月16日木曜日。
 開店して諸事。
 特例を除いて通常は行かない方針だが、徒歩1分だし量も少ないので台車を押して極々ご近所様へ買い取りへ。法律書とビジネス書の間から活かせる部分を拾わせていただく。 

 以前、白山のジャズ喫茶映画館さんで教えていただいた、セロテープではない「OPPテープ」を買ってみた。これはかなり大きな革新になるかもしれない。セロテープとOPPテープの違いを実験する動画を作りたいと思うのだが、動画作りで集中力を使うことが億劫になりつつあり、ためらって保留。普通の蛍光管とLED蛍光管の違い、も同様。

 アジアプロ野球チャンピオンシップを四分の一目で観る。

 ひよこが逃げて成長して戻ってきた、というニュースについて話していたら、編集部Iさんが「そういえばぼくはヒヨコと鶏の中間地点を見たことがありません‥‥」とおっしゃっていて、確かに、と思う。

11月17日金曜日。
 開店して諸事。懸念していた手紙を緊張しつつ書く。
 店員ノムが主導している映画系山脈の商品化を少し手伝う。大量なので売り場の棚に全ては配架できず、棚下のストッカーを利用することにする。あいまいなまま保留物を詰めていたストッカーや複数在庫を処理できずに放置しているストッカーを無理矢理に片付け、6個のストッカーを確保。 
 
 アジア野球チャンピオンシップを四分の一目で観る。

 話の流れで「ヨーヨーマ」が出てくると、手帳編集部Aさんは始め口ごもっていらっしゃったが数分後に「まーまーよ」とおっしゃっていた。

11月18日土曜日。
 開店して諸事。晴れ間からたまにいたずらな微々たる小雨が降ってくるので予防の雨シフト。
 諸事を終わらせて実家に行き、母と兄と今後具体的に実家をどうしていくか会議。
 まずは父親の小品ブロンズ像の元になる原型が実家内のどこかに有るのか無いのか探してみることになり、第一弾として昭和40年代に増設された離れの二階を捜索。数年ぶりに開いた押入れの奥にまだ彫刻ではなく絵を志向していたころの父親の油絵の習作が出てきてとても驚いた。なにかには自画像もあり、夏に開催した回顧展でおおいに役に立ったのに、と回顧展を準備していた当時この押入れを開かなかったことを悔いる。描かれたのは多分1963〜1965年ごろ。
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 夜、近所の焼肉屋さんにて夏の回顧展の家族内打ち上げ。その焼肉屋さんのご主人に依頼されて父親が作った犀のブロンズ像を見せていただき、またさらに、ああ回顧展に間に合わなかった、と悔いる。
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11月19日日曜日。
 開店して諸事。
 お持ち込み買い取りの小山をミックスした中山を少しずつ商品化していく。
 番台上が混雑、山の標高も高めなので作業場所が足りなくなることがあった。店員ノムが思いつき、帳場の端の小番台で座って作業ができるようにするため少し改装。小さな変化は楽しい。

 アジア野球チャンピオンシップ決勝戦、日本対韓国を二分の一目で観る。
 ジョン万次郎がどう描かれているのだろうと少し気になってNHKオンデマンドで大河ドラマ「龍馬伝」を観始めたが、可愛すぎる少年坂本龍馬が身分制度で辛い思いをするのが辛いので途中でやめる。

# by ouraiza | 2023-11-15 14:08 | Comments(0)
ジョン    せと
11月6日月曜日。
 とても食べてみたかった近所に開店なさったばかりのタイ料理プァンタイさんのトムヤムクンラーメンを食べてから出勤。ラーメンではなくフォーだった。

 午後から定休日の無約束営業のため開店して諸事。署名本の商品化。番台上に徐々に積み上がるお持ち込み買い取り小山の整理、仕分け、商品化。

 帳場で見境なくこちらに応答を求めつつ話しかけ延々と喋り続けるご婦人を半ば追い出させていただき閉店。ある程度ならぜんぜん構わないしむしろ歓迎なのだが明らかに度を超えていらっしゃり哀しい。想像を働かせればいろいろご事情はおありかもしれない、しかし。たとえそれが店のほころびであったとしても、無理なものは無理な夜。11月なのに春のように暖かい。

 映画「イコライザー2」を観る。

 長野に半移住している友人の奥様が送ってくださった自家製梅干しが梅干し史上最高に美味しくてむさぼり食べた。
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11月7日火曜日。
 休み。年末に向けていろいろありそうなので極力廃す。YouTubeを徘徊しながら地下を書くなど。予定を決めてカレンダーに書き込まねばならないのだが内蔵のギアが噛み合わずカレンダーに向き合えない。
 
 映画「ワンスアポンアタイムインアメリカ」を観ようとテレビをつけたが、「暴走パニック大激突」(1976:深作欣二)に変更。衝撃的に面白くてびっくり。暴挙の果ての美。「狼たちの午後」などいわゆるアメリカンニューシネマを思い出しつつ。直接描かれていないのに滲んでくる普遍的な哀しさと可笑しさ。

11月8日水曜日。
 休み。廃テンションでYouTube徘徊、少し動画を作る。
 買い物ついでの散歩で池袋リブロに寄り、新潮文庫の井伏鱒二『さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記』を買う。なんだかとても読みたかった「ジョン万次郎漂流記」、冒頭の章題だけでしびれる。「一 万次郎等五名の漁師、浪の間に間に漂うこと」。

 夜、手帳編集部Iさんプッシュシリーズから映画「ジョン・ウィック」を観る。奇しくも万次郎とウィック、ジョンでつながった。

11月9日木曜日。
 ビリヤードの世界大会が頻繁に行われ、それがYouTubeでライブなどされているものだから大変。プエルトリコオープン。激アツな対戦が時差のため午前4時にあったりする。日本代表の土方隼斗さんと大井直之さんがトーナメントであたってしまい、土方さんの勝利。海外のすごい人たちがばんばん対戦していて目が回る。
 開店して諸事。
 ウェブ発注が多く、午後を梱包と発送に費やす。
 日本で会社を運営しているいう中国のかたが一時帰国する際のおみやげに、となんとなくジャンルを指定、その範囲内でなにを提案してもオッケーオッケー!とお応えくださり大量にお買い上げくださる。
 最近店で流行中のプロ野球チップスのカードを開封、ポテチも上手い。
 事務的に処理できないことがずっと続く日。とてもめずらしい、受け身だけで暮れていく日。

 「ジョン・ウィック2」を観るも確実に途中で意識の電池が切れることを予感して半ばで停止。

11月10日金曜日。
 雨シフトで開店して諸事。
 俚謡というのか俗謡というのか、多分観光地の宴席で歌われる際に配られたのだろう小型の歌本、リーフレットの類約130点一括を商品化。カラオケもスマホもない時代のツアーの一団がお座敷でとても楽しそうに案内役に指南されながらその土地の歌を歌ったり踊ったりしている図が想起される。

 ふと気になった音楽関係の棚を改装。

 「ジョン・ウィック2」の昨日観た分だけを2倍速で再生、復習後に残りを観る。
 深夜、ヨーロッパの地名や人名を追うことになんとなく身が入らなくなり重くなっていた須賀敦子『ミラノ 霧の風景』をついに読み終わった。ちくま文庫、『出久根達郎の古本屋小説集』を読み始める。「古本」と題の一部にでもあると普段は敬遠するが、出久根達郎さんの突き抜けた娯楽性はそんな些事を凌駕する。

11月11日土曜日。
 開店して諸事。今にも降り出しそうだがせっかくの週末なので全開シフト。
 お持ち込み買い取りの小山をミックスして仕分け、商品化。

 閉店後、立ち寄ってくれたミヤモトくんと信天翁センパイ、ムトさんと硯家さんにて今日という日の打ち上げ。ミヤモトくんが最近一番感動したという朝日新聞掲載の蛇に噛まれた少年の記事(リンク先途中から有料記事)を見せてもらう。いったい人にもらって確実に大いに嬉しいものとはなにか、という話題から、先輩はサバの水煮缶が大嫌いだということをお聞きする。

11月12日日曜日。
 開店して諸事。
 店員ノムがある一筋の山脈を徹底担当、連綿と値段つけをしている。普段の作業場所も山脈によって埋まるので、番台上に小さな隙間を見つけて作業場とし、変則的な姿勢でお持ち込みの小山の処理を少しずつ。それが細かく一点ずつに集中できて楽しかったりする。

 長らくダイエット中なので間食したくないのだが、プロ野球チップスのチップス部分が美味しくて一袋を食べてしまう。それで腹が膨れるということがない少なめな適量なのが憎い。カードでは森友哉選手の出現をずっと待っているがまだ出てくれない。

 函欠、月報欠、本文も灼けてぼろぼろな新書版『漱石全集』をツブそうと縛っていたら、漱石読破をゆるく目指している店員ノムがツブすのは待て、と、個人的に引き取ることになった。本体の背に作品名が無いので書いてくれと依頼を受けがんばって書いた。
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 夜、近所の友人U宅に招ばれて鍋などをいただく。癖のある草類は美味しい。メモ。ニラとミント、柿とクミン、豊島区民。



# by ouraiza | 2023-11-07 18:07 | Comments(0)