青歯    せと
 先日友人からもらった倉田精二写真集『FLASH UP』、じっとみていると写真て読めるんだな、と気付き一点ずつ読む。撮影時期は1975〜1979年。巻末のクレジットによると、場所が特定されていない数点があるものの、全190点のうちの123点が「池袋」が舞台だと判る。東口、サンシャイン60ビルの開業が1978年で、1977年の池袋本町のビル屋上で撮られた写真の背景に、竣工前のサンシャインがそびえている。西口、東京芸術劇場の開業は1990年なのでまだ無い。

「不明 1978 池袋・ビックリ・ガード下」
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「アカネ姉さんサンシャイン60に陽が落ちて 1977 池袋・本町」
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 8月6日月曜。非番の日。午後まで休眠、後に弛緩して店で雑事をしていたらシフト変更日だったことを知らされて思い出す。閉店直前に店番を交代したが弛緩を治せずぐだぐだと時間を流す。 

 8月7日火曜。大判小山を値段付け、など。
 小倉庫に眠っていた机の天板を利用してくださるお客様宅へ運ぶ。
 市場へ出品。
 父の見舞いをサボる。

 8月8日水曜。自転車と同じくらいの速さで進んでいるという台風を待つ、など。
 夜、池袋シネマロサにて『カメラを止めるな』観賞。

 8月9日木曜。パソコンのブルートゥースが突然まったく作動しなくなり、機械文明への呪いを深める、など。便利さを生む新しいコンピューターシステムの宣伝文句の片隅に「実は、動作はとりとめがなく絶対確実とは言い難い不安定さがあり、人間と同じです」と必ず入れるべきだと思う。スマホの画面やパソコンモニターのちょうど中央に太い釘をカナヅチで猛烈にぶち込んだらさぞ気持ち良かろうと思う。機種変更の際やってみよう。ウィキペディアの「Bluetooth」に「名称の由来」があった。世界史。完成した確実なテクノロジーではないことをほんとはみんな知っている。頼らざるを得ないのが情けなくも実情。やつあたりでカキピーからピーだけを抜き出してむさぼる。
 夜、ふと思いついてユザワヤで赤い布を購入。

 8月10日金曜。たたまれて売っていた布についた折れ目をご近所様にアイロンをお借りして直す。アイロン凄い。ブルートゥースより断然凄い。平らになった布をベニヤ板に貼って棚の裏板にする、など。布をまっすぐ平らに貼り付けるのにスプレー糊がとても便利。ブルートゥースより偉い。そうか、そうかんがえるとブルートゥースもなんとなく親しみやすくなってくる。だからやはりテクノロジーの宣伝文句の片隅に「確実ではありません」と入れるべきだ。無ければ詐欺だ。

 8月11日土曜。開業直後からお世話になっているHさんから店紹介記事の取材を受ける、など。あるくだらない決め台詞を言い忘れて心残り。
 夜、王子の古本屋さんコ本やさんにお邪魔する。イベントを数多く催されていて、店奥に広々したアトリエのようなスペース。しかし決して広くはない手前の店舗部分の見応えもすごく、棚を見て楽しむ予定時間を大幅に越えてしまう。まったく見たことのない本というかジンなのか、なんだこれ面白い、と惹かれるものが多く各棚で笑う。ひたすら野菜ジュースを飲んでいる男性のスナップ写真がトランプになっていたり、、、。なにかが発生する風通しのよい場所、という印象に刺激を受ける。
 帰途、行ってみたかった都電王子停留所前、1972年開業のレジャー施設「サンスクエア」のバッティングセンターで数打席。天井が普通のフロアの天井と同じ高さなので、フライボール革命の練習はピンとこない。ピッチャーが映像なのは初めてで、多分カープの野村投手だった。同フロアにあった証明写真ボックスサイズの1曲100円カラオケボックスに驚き、同行した友人が2曲歌った。コ本やさんもありサンスクエアもある王子、楽しい。

 8月12日日曜。8年前に一度呼んでいただいた埼玉県仏子のお客様宅へ出張買取り。道に詳しくないので地図の数字を追う。305、317、254から463。山のふもとで川のほとり、冷たい麦茶と蚊取り線香。出張買取りでは久しぶりの70〜80年代日本文芸の一端。
 夜、NHKオンデマンドにて『富士ファミリー』、『小野田さんと、雪男を探した男 〜鈴木邦夫の冒険と死〜』。鈴木邦夫さん、以前著書が入荷して気になっていた。とても面白い番組だった。

第82回甲子園、日大豊山高校ペナント 2000円 販売中
(初出場、3回戦で敗退。優勝は智弁和歌山高校。)
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# by ouraiza | 2018-08-17 15:15 | Comments(0)
office    せと
 「ダイヤゲート池袋」。建設中の西武本社ビルの名称が決まったというニュース。検索するとすでにオフィス賃貸情報もでてくる。あの場所の過去の空気を知っている人にとって、隔世の感爆発な変化となるだろう。駅から遠くない闇だった。闇はまったく嫌いではないが、明るいほうが商売にはいい。池袋砂漠を少しでも潤してくれるだろうという希望的観測。

 赤いドリルさんの最新記事「1955年」。野球、サッカー、そして。

 7月30日月曜。休眠してカーネーション鑑賞。主演女優交代に動揺。この決定的な呼吸の変化をどう捉えるべきか。9回裏、大方の観客が完投を予想していたエースはマウンドに立たず、そこではまだ見慣れぬストッパーがロジンバックを手先に転がしている。
 夕方から出勤して「名画座かんぺ」最新号のカット作り。配置を担当している嵐くすぐる先生の今月のダジャレ句コーナーは「新小岩 立ちションするやつ チンコイワ」。猛暑で疲れてらっしゃるのかもしれない。

 7月31日火曜。名画座手帳に関する銀行業務。『名画座手帳2018』を刊行するために日本政策金融公庫(元国民生活金融公庫)からお金を借り、経費のほとんどをそれで賄った。結果的に、とてもありがたいことに完売し、返済はできる。そして少し残る。少し、というのは約3000円である。つまり、プライスレスな心の貯金、以外の経済的な利益は3000円なのである。ぼくの財布の中身は小学校高学年のときと変わらないので、その3000円というのは嬉しいものだ。しかしそれでいいのか、ともちろんかんがえる。『名画座手帳2019』が動きはじめている。反省点を活かし、ダイヤゲート池袋にオフィスを借りたい。
 病院へ父の見舞い。アイスの実ぶどう味、オレンジジュース、新味を、と持っていったおつまみチャーシューが好評で嬉しい。

 8月1日水曜。思想系小山を値段付け。
 名画座手帳会議。言葉にならないすごいメモをみせてもらった。

 2日木曜。小山の値段付けなど。
 夜、居酒屋升三で職場の慰労会をしているムトーさんを驚かせようと乱入して迷惑をかけていると、10年近くぶりに会う同級生に乱入されてあわてる、という複雑な状況になった。
 
 3日金曜。小山の値段付けなど。
 NHKオンデマンドで観ていた「カーネーション」が終了。最終盤、主演女優交代以降は別の試合だったと思うが面白かった。カーネーションの和名は和蘭撫子、オランダナデシコ。
 
 4日土曜。小山の値段付けなど。
 名画座手帳の作業を少し。
 欲しかった倉田精二写真集『FLASH UP』を贈ってもらい感激。ドラマ「早春スケッチブック」で重要な役割を果たす写真集。嬉しくて山崎努のセリフ「おまえら骨の髄までありきたりだ!」を小声でつぶやく。
 夜、NHKオンデマンドで「火の魚」を観る。

 5日日曜。甲子園中継を少し見て午後出勤。先週買ったコロ2台、キャスターを留めるためのボルトの頭が台部分の表面に出てしまっていて、このまま本を積むと痛んでしまうので、ラチェットレンチでナットを締めてボルトを表面に食い込ませる。ついでに既存の分も修正。
 夜、「シンゴジラ」観る。ピンチ時に放射するビームがとても爽快な斬れ味なので、荘厳なレクイエムをBGMにもっと暴れて池袋まで斬り刻んでほしい。サンシャインは真っ二つだろうが、ダイヤゲート池袋はまだ建設中なので大丈夫。
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# by ouraiza | 2018-08-10 03:33 | Comments(0)
縫    せと
 雑司ヶ谷霊園から夜空を見上げるとひとつの星がひときわ赤く光っていた。火星が近づいている、と聞く。うぉータコみたいなのがいっぱい来るぞ、と友人が言った。国立天文台「火星大接近2018」

 23日月曜。埼玉の熊谷では気温41.1度で日本で過去最高の暑さだったらしい。豊島区は39度。これが体温だったら病院で解熱剤をもらって絶対安静、クーラーを効かせて寝そべって長編漫画を読み耽りたいところ。
 休眠してドラマ「カーネーション」に集中。戦争が早く終わってくれと切に願う。喜びのワット数が高いがために悲しみの影が濃い。鮮やかな悲劇。全話で泣く。主人公のモデルである和洋裁家、小篠綾子さんは1913(大正2)年生まれで、千葉に住む和裁の得意なぼくの祖母は1919(大正8)年生まれ。祖母に以前縫ってもらった浴衣を箪笥から出して羽織り、縫い目を眺める。

 24日火曜。少し早く番をあがらせてもらって実家で軽作業。父親の塑像作品寄贈を一部受けてくださる団体への引き渡し。ビバホームに寄りコロを2台購入。病院へ父の見舞い。アイスの実ブドウ味、オレンジジュース、かりんとう。

 25日水曜。夕方から名画座手帳の打ち合わせ。
 夜、店に寄ってくれた近所のMくんが、孤独で孤独でどうしようもない、、、と言うので缶ビールを飲みながらパートナー開発の方策を適当にかんがえる。1・職場周辺から同業を探す→経験上イヤ。2・習い事など環境を変えて出会いを求める→金が無いから無理。3・出会い系サイトにトライ→相性のよい人が現れるまで待つ根性が無いから無理。とのこと。どうしよう。とりあえずもう一本飲む。

 26日木曜。夕方、隣町へ出張買取りお預かり。
 夜、カーネーション。

 27日金曜。昼に店に行くと仙台から古書水の森の水ちゃんが来ていたので一緒に五反田古書会館の催事へ。多分単行本未収録の短い随筆が多く収録されている『俳句』臨時増刊、西東三鬼読本を買う。全句集などに併載されているのだろうか。『西東三鬼全集』はまだこの世にない。店で遅番ののち水ちゃんと居酒屋升三。「雨の日の方がネットが売れる」と水先生から聞く。やはりインターネット空間は、いつもダメだが雨だともっとダメな店の救世主なのだと思い、水平線のように続く広大な屋根を想う。いまさら気付くのだが、ネット上の書店では、その運営における実際の現場はとりあえず無視して対外的な面だけ見れば、風雨を避ける必要が無く、キャスターが擦り減らず、ネジが緩まず、蛍光灯が切れず、虫に追われず、ホコリが積もらず、ガムも落ちていないのである。

 28日土曜。台風接近のため、完全ガードシフトで開店して諸事。
 一日中カキピーからピーだけを抜き出すことに集中していた気がする。

 29日日曜。ついに戦争が終わった後半の「カーネーション」をずっと観る。このドラマの面白さはつまりダイナミズムではないだろうかと思う。前衛と後衛。新と旧。許容と拒絶。間に合うことと間に合わぬこと。巨大なシーソーの両端とその中心の支点。大仰な説明の無さと絶妙な配役とあいまって、もう目尻がふやけてきた。

 ある時ふと店員ノムが、とりあえずどうでもいいから描けと言うので描いた似顔絵。川崎敬三、勝新太郎。メールで褒めてくれて欲しいとまでいうハイセンスな仙台の若き同業者へ使っていない額に入れて送る。本望なものではないのに捨てづらく、片付いてよかった。大事にしてくれるに違いない。
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# by ouraiza | 2018-07-31 13:28 | Comments(0)
おにぎり    せと
 今年は暑さが酷すぎて蚊が少ないと聞いた。確かに、蚊の羽音に悩んで眠れない夜が今年は少ない。

 16日月曜。休眠して少しだけ店、久しぶりに洋服を買いにとりあえず無印良品へ。制服を白シャツから紺シャツへ変化させていく作戦。白いシャツをすぐに黒く茶色く黄色く汚してしまう。池袋ユザワヤ、東急ハンズ、ネットでボタン探し。

 17日火曜。小、中規模家具類の置き場に困りながら開店して諸事。
 小山を方向付け、値段付け。

 18日水曜。思い立って、かねてからの計画でもあった、入り口入ってすぐの「雑司ヶ谷霊園に眠る人々」の解体を始める。店を紹介してくださる雑誌の取材のときなど、特徴の無い店の微々たる特異点として話がしやすく便利ではあった。しかしそのコーナーをそれとして意識してくださるお客様は、多分3%くらいだろう。残り97%のお客様とっては、夏目漱石、泉鏡花、永井荷風、サトウハチロー、福永武彦、竹久夢二、中川一政などのビッグネームの席が、普通にあるべき棚に無い、のであった。
 タイタイが雑司ケ谷霊園に眠る人々を店の各所に散らす。

 19日木曜。「雑司ヶ谷霊園に眠る人々」コーナーに使っていた棚をどかして掃除。とりあえず小、中規模家具類を重ねて積み上げる。追い追い別のコーナーに替える。
 夕方、不要になった棚を倉庫で使ってくれるという同業の店へ運ぶ。
 先月末に入荷した山脈が片付いたことで茫然自失。手近なやる気スイッチを見失う。

 20日金曜。ぼけーっと空虚な番をして夜、上京中の火星の庭前野さんと居酒屋升三。入店してすぐに前野さんの携帯が鳴り、偶然近くにいらっしゃった前野さんのご友人のシンガーソングライターTさんが合流なさることになる。ぼくにとっては一時期どっぷりヘビーローテーションで聴いていた方だったので、緊張して浮き上がって足が地面につかず、のぼせた脳から声が出る。雑司ヶ谷霊園へ続く道でTさんが「モンパルナス」とおっしゃり、そうか、池袋にいるとついつい反射的に「モンパルナス」を西側の池袋モンパルナスの専売特許だと捉え連想にふたをしがちだが、雑司ヶ谷霊園って、パリのモンパルナス墓地みたい、と言うことができるのだな、と気付く。移動したサン浜名でTさんが注文なさったおにぎりはフリスビーぐらい大きかった。

 21日土曜。昨晩のことを思い出して穴にダイブしたい気持ちだったがそれは往々にして自意識過剰が生みだす幻想にすぎないことはわかる。シジミ汁でオルニチンを摂取。
 茫然として夕方から棚裏に積んでいた文庫、新書、ペーパーバックの市場準備、方向付け。車に積む。
 
 22日日曜。新宿岡田屋でボタンを探して入手。橋本倫史さんのドライブイン写真展を観る。ファミリーマートでお会計がぴったり1000円になり店員さんと笑う。サッポロ黒ラベル。
 夕方から古書組合北部支部総会。池袋甘太郎で瓶ビール。
 夜、千駄木にて橋本倫史さんトークショーを途中から。ペチコートレーンさんでおいしいサワーの後、中華料理屋さんでレモンサワー。
 
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# by ouraiza | 2018-07-28 19:42 | Comments(0)