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◆『名画座手帳2019』販売中!!
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定価1944円 (1800円+税)  ISBN978-4-909397-19-5 C0074 A6(文庫)判 2色 288P
古書往来座販売限定特典 折りペ『BYCATS10 旧作邦画の脇猫10匹』(のむみち選)付き
ホームページ ⇒ https://meigazatecho.blogspot.com

by ouraiza | 2019-03-31 12:00 | Comments(0)
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by ouraiza | 2019-03-23 14:12 | Comments(0)
黒赤白    せと
 叩いたり揺すったりしなければスイッチが入らなくなってしまった一昨年から使っている帳場内で足元を暖めるための黒い小型の遠赤外線ストーブの代わりに、去年板橋区志村辺りを散歩中に見つけた、まったく日本語を話さない東南アジアの方が運営なさっているリサイクルショップで衝動買いした1970年代のものに思える赤いストーブを使ってみた。やや焦げ臭さが漂い、電源コードを包んでいる布の糸が劣化して、その上を通過中に靴底で触るとぽろぽろ崩れて霧消していくのが少し気になったが、温もりとしては充分に使えていた。

 コードを刺していたタコ足の電源タップの一面が黒く焦げている画像を店番中のノムが送信してきたのが3日後くらいだったろうか。その焦げが明瞭に赤ストーブのせいであるか確実ではないにせよ、廃除すべき危険であることに変わりなく、古い赤ストーブを使うのを止め、粗大ゴミとして処理する手筈をとるようノムにメール。
 すると不思議なもので再び使われはじめた黒の機嫌がいい。床に置いていたのを小さな台の上に乗せたことで部品の接触の具合に変化があったのだろう、叩きも揺すりもしないのに順調に帳場内を暖めてくれた。しかし古本屋内電気機器短命論を刷り込まれている身としては、黒の復活もそう長くは続かない、火球が落ちかけた線香花火にすぎないことは承知していた。

 「ご入用の方、ご自由にお持ち下さい、差し上げます」と張り紙をしてまだその用が完全に絶えてはいなそうな物体を閉店後に店の軒下に出しておくことがある。ほとんどの物体が翌日の営業開始時には消えている。しかしこの半年ほど、店の営業中であっても外の棚の一番端に、食器やタオルや販促品などがごちゃっと入った、「ご自由にお持ち下さい」とマジックでそのボディに書かれたダンボールを、我々ではなく誰かが置くことがあるのだ。その仮称X-BOXはもちろん無記名で、これは古書往来座の仕業である、と誰もが思うに違いない。しかし、たまに空になったX-BOXがそのまま放置されその容器を誰がいつ片付けるべきなのかもやもやすることがある以外、店には具体的な被害のない、悪意のないものなのだ。ひとまず様子見を続けることにして、いつかXさんがX-BOXを設置する現場に遭遇する機が来たら、ご挨拶させていただこうと思っていた。

 黒の復活後一週間くらい経っただろうか。夜10時になりいつも通り閉店作業を開始し、外の棚の端に至ったとき目を疑った。「ご自由にお持ち下さい。使えます♡」とXさんの筆跡による張り紙が貼られた、やや大きめな白い遠赤外線ストーブがぽつんと置いてあったのだ。ひとまず死に際に一花咲かせている黒の後釜として喜んで頂戴することにした。

 白がネクストバッターズサークルに控えていたのは4、5日だけだった。帳場内を縦に走る黒の電源コードを店番中のタイタイがまたいだ瞬間、コードのちょうど中央がスパーク、小さな火花が上がった。タイタイはンファーッと叫びコードは断絶し床に小さな焦げ目ができた。幸いそれ以上の禍事にはならなかったが、調子の悪いストーブで粘るのは恐いことだとよくわかった。
 YAMAZENの白い遠赤外線ストーブのスイッチをひねると、今までのストーブには備わっていなかった首振り機能が付いていて、ゆっくりと全体を左右に振る。長持ちしてくれよ、という無理な願いを敢然と拒否しているように見える。 


2月11日月曜日。
 夕方病院へ父の見舞い。同行したムトさんが思いついて、父の故郷、長野県辰野町のライブカメラ映像をスマホに映してくれたが、悪天候の夜で真っ暗だった。小学校低学年のころ、ぼくが初めて外食のラーメンを食べたのが辰野町で、煮干し出汁が非常に美味しかったと記憶しており、何度も店名を思い出そうとしていたのだが、ふと父に訊いてみると「神田食堂!」とすぐに判明した。一昨年の初冬、記憶だけをたよりに歩いて探したが見つからなかった。現存している。次は大丈夫。
 深夜、最近読みふけっていたマンガ『同じ月を見ている』と『ゴールデンカムイ』既刊分を読了。

12日火曜。
 市場準備、雑司が谷案内処へ納品するご近所郷土系を準備、保留物を商品化、など。
 夕方古書会館にて合同会議のついでに出品。
 
13日水曜。
 保留していた洋書の商品化がおもしろい。フランス語を検索して出自を調べたり、ローマ数字に悩んだり。地下出版のピエール・セゲルス。数学者詩人のジャック・ルーボー。
 ニチバンの赤いガムテープ。こんなに厚い必要はないと少し薄めを注文しそれが届いたのだが、色の赤まで薄くなっていて驚く。もうピンクに近い。
 
14日木曜。
 「villon」をバイロンだろうと判断。すぐにいやヴィヨンでしょ、と指摘をいただく。以前、「鈴木信太郎」に画家と仏文学者の二人いると知らず、画家の直筆挿絵の横に仏文学の蔵書目録を飾っていたことがあった。

15日金曜。
 連絡業務を多めに。
 外に出していた『ナショナル ジオグラフィック』を40冊買ってくださった若者に、研究、というかその領域の熱心なる読者なのかお尋ねすると、そればかりではなくこの雑誌の魅力はとにかく写真の素晴らしさである、と教えてくださった。見方が変わります。

16日土曜。
 夜、「昭和の池袋」を特集したアド街ック天国を観る。大御所ぞろいで楽しい。
 何度目かの「夢千代日記」をNHKオンデマンドでみつけて観始める。どうして続と新を特選に入れてくれないのか、、、。「トルコ」という言い方が出てきて、つまりそれが放送できない理由ではないとわかる。

17日日曜。
 中央市大市会場にて仙台・古書水の森ミズちゃんと待ち合わせ。
 喫煙所に腹を立てているKさんがちっくしょータバコ吸わなきゃやってらんねーっすよ、と言いながらやってきて、居合わせたOさんから一本、ぼくから一本、それぞれから渡されたタバコに火をつけ、2丁拳銃のように両手で持ってふかしながら呪詛を並べていてかっこよかった。
 夜、市にいらっしゃった沖縄古書組合の方々の宴にムトさんが招かれ、付随して参加させていただく。楽しすぎて浮かれ飲み過ぎる。Yさんが若き日に恋人と共にデモ隊役のエキストラとして参加なさった「太陽の子」、チェックしたい。
 帰路、目白駅でJRキン肉マンスタンプラリー、ラーメンマンを手帳に捺す。


詩人で数学者のジャック・ルーボー第一詩集『∈』1967初版。
タイトルは読み方のない数学記号(elements of)。「囲碁のモデルに基づいて組み立てられ」(wiki)。
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by ouraiza | 2019-03-05 16:24 | Comments(0)
エスカレーター    せと
 右どなりのコンビニへコーヒーを買いに行くのに家を出て左へ向かい、地球を一周してついに家のとなりのコンビニに至りコーヒーを買い、また同じ道で地球を一周して家へ帰りコーヒーを飲む、のはずいぶん無駄だなあと思う。ユーチューブの観過ぎだろう。

2月4日月曜。
 店の壁にマーキングする犬、というかそれをさせる飼い主が以前から後を絶たず諦めていながらもとりあえず対策であるタバスコ割りスプレーを噴霧する。など。
 夜、沖縄から帰ってきたムトさんが、現地で配られている巨人軍キャンプのパンフレットをお土産にくれた。プロ野球球団のキャンプを観客として楽しむ、というジャンルに思いを馳せた。というところでふと検索してみるとオープン戦で森友哉さんが5打数3安打、打率6割で嬉しい(3月4日時点)。

2月5日火曜。
 文庫中山に値段付け、など。
 夜、散歩の途中、グリーン大通りと不忍通りが交差する護国寺の高架下にできたばかりのテイクアウト&立ち喰い焼き鳥屋さんが眩しくて立ち寄る。安くて気楽でありがたい。

6日水曜。
 雨で静か。保留物の洋書をひたすら値段付け。
 夕方から晴れたのが嬉しくてパカーンと思い切り外を開く。
 夜、病院へ見舞いと実家で小用。母親にイタリア料理を奢ってもらう。

7日木曜。
 大山と中山に値段付け、一部配架。
 外の歩道に仕掛けられていたガムを踏み、呪いを深める。など。

8日金曜。
 若きお客様Iさんがご来店くださり、この春からのIさんらしい進路に驚き、喜ぶ。人気のある雑誌の撮影スタッフとして来たカメラマンが、以前近所の学生たちが発行していたフリーペーパーのカメラマンだった人だったり、そういうお客様たちの航路が、番台の前に数年をかけて現れてくるのがとても楽しい。一方、こちらの軟弱な航海への反省の種でもある。

 夕方、以前棚の変更のために抜いて裏に積みっぱなしの豊島区などご近所関連本をなんとかしたいと思い、鬼子母神参道の「雑司が谷案内処」へ。レンタルボックスについてお話を伺う。

 夜、日暮里にて古書信天翁サキ先輩たちと軽宴。
 「あまちゃん」においてぼくが今のところ最も好きなキャラクター、天野春子さんとサキ先輩が1966年生まれの同い年だと判明し叫ぶ。
 「西友に入るとさ、絶対セイユー♪セイミー♪って頭の中で歌っちゃうんだよね〜」と先輩。
 そして我々が常々気になっている「西友サンシャイン店のエスカレーターは遅すぎるのではないか問題」(実は最近少しだけ速くなった気もしている)。巣鴨店も遅いらしい。後日、成増店は遅くない、とノムから報告があった。

9日土曜。
 雪の予報だったが小雨。
 大急ぎで準備して午後早めに閉店する雑司が谷案内処へ台車にビニールシートをかぶせ雑司が谷関連本を納品。往来座にあったご近所郷土関連本はその一部を雑司が谷案内処のレンタルボックスにて販売させていただいております。http://www.toshima-mirai.jp/zoshigaya/

10日日曜。
 午後からセルフストレス発散系ローテクバンドBOEESの面々が集合して古書信天翁さんのお片付けお手伝い。春の匂いと近藤十四郎さんの歌がある窓の外を眺めながら。
 終わって小奈やさん。ヨーゾーさんニュース局など。

磁器製 光る招き猫
販売中 売切
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by ouraiza | 2019-03-04 22:59 | Comments(0)
新しい音    せと
1月29日火曜日。
 完成した店頭看板を明治通りに置く。いかす。
 父の入院先の個室の代金の請求が来て泣く。保険は大事。父は倒れるちょっと前に訳あって解約していた。

1月30日水曜。
 お客様より「でこぽん」をいただく。こんなに突起が大きかったのかと驚く。
 極ご近所様へ台車で出張買い取り。計算機を持ち忘れたので暗算。

31日木曜。
 年に1、2度お呼びくださる会社へ出張買い取り。帰路、かなり久しぶりの雨でワイパー稼働。

2月1日金曜。
 この2カ月くらい、クレジットカードの請求に無料視聴期間内に退会したはずの「ダゾーン」の会員費が入っていて暗澹。いつだったか、大谷翔平の打席が観たくてあわてて入会しようとし、無料視聴サービスを退会した直後だったので普段使わないメールアドレスを試し、なんだかもういいや、となってそのまま放置している、気がする。その請求なのか定かではない。普段使わないアドレスとパスワードが思い出せずログインもできない。ブルーにこんがらがって。

2日土曜。
 腕枕で寝ていた猫がぼくののどの上にゲロをぶちまけたので叫んで目覚める。いつもは吐く前兆があって吐いてもいい場所へ移動させるなどの準備ができるのになぜこの日は直ゲロだったのだろう。
 初夏のように暖かい。
 店でふわふわとしているうちに、お見舞いと市場への出品をサボることになった。
 NHKオンデマンドにて「洞窟おじさん」観終わる。犬のシロ、切ない。

3日日曜。
 日暮里・古書信天翁さんの閉店イベントのお手伝い。ビートニクなセンパイが作ってきたお店のなんと和やかなことか。陽光の射す空間。差し入れで増えていく冷蔵庫内のビールが増えすぎることなく減っていく。レジ作業中に必要があってパソコンを使わせもらうと、キーボードにグラシン紙が巻いてある。使っていたキーボードカバーがダメになり、応急措置でグラシン紙を巻いているとのこと。店頭で売れたネット掲載品の在庫削除のために書名を打ち込む、など。バシャバシャ、バシャバシャバシャバシャ、バシャ。新しい役割をもったグラシン紙が奏でる新しい音。
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by ouraiza | 2019-02-20 15:49 | Comments(0)
大塚    せと
21日月曜日。
 午前早くにインターホンが鳴り、ガスを止めにいらっしゃった東京ガスの方にガス代をお支払いする。
 病院へ父の見舞い。嚥下機能、大事。当たり前に使っている筋肉なのに。
 店に戻って週末態勢の配架シフトを通常態勢に戻す。

22日火曜。
 発送など諸事の後、イラストレーターで某書籍の表紙案サンプルを案配。
 お客様に今日はスーパームーンだ、と教わったのに見るのを忘れてしまった。
 夜、古書信天翁さんにて、一旦閉業なさることを決断なさったサキ先輩と超ローテクアマチュアシャウトバンドBOEESのメンバーで閉店作業についての会議。帰路の山手線の座席で綺麗なお姉さんが嘔吐物まみれで倒れていて驚く。その日の手帳には片付けの日程と「1982年のキムジヨン(ヨウゾーちゃん胸痛)」とある。

23日水曜。
 見逃したスーパームーンを検索する。信天翁さん閉店セールに関するムトさんのツイートが爆発しているのを観察する。など。

24日木曜。
 朝ここに掲載された「輝け!名画座かんぺ映画大賞2018」で、若井信二さんが【かんぺ版画賞/自転車の車輪(2月号)】と、嵐くすぐる先生の原稿をぼくがまとめているコーナー「おあしす」から【かんぺダジャレ賞/シャケ食べて君が好きだとシャケぼうよ(7月号)】を挙げてくださっていてとても嬉しく。確かにあの車輪は自分でも冒険でありながらよくはまってくれたカットで、作成時の意気込みも他とは違うものだったので、今後のための反省と刺激にさせていただきます。

 ネットで衝動買いした、数年前元店員うすだ王子の部屋で見せてもらって以降なんとなく探していた深夜叢書社『石原吉郎句集』が届く。数句王子の部屋で音読して以降、じっくり読んでみたかった。「吊革は手錠のごとく霧の電車」。

25日金曜。
 夕方自転車のパンクを直してもらいにバイシクルサナエさんへ。特に急いでませんので、というとサナエさんが「じゃ来年ね、、、」と真顔で言うので笑う。

 外の棚に並べていたサザエさん十数冊といじわるばあさん全巻セットがすっかり消えていることに気付く。卑小な池袋嫌いに拍車がかかる。卑しさへの恨みに染まる時間が無駄なので切り替える。無視はできないので今後意を注ぐ方向性を一つ増やす。気に留めていると必ずなにかが引っかかってくるもの。もうすでに一つ引っかかりがある。

 夜、ハンズで新しい看板のための材料の下見。

26日土曜。
 夕方から新しい看板の表面を作る。厚さ2.3mmの鉄板にたくさん穴を開けるのが慣れるまでは難しい。結局3mmの穴を丑三つ時までかかって70個開けた。両面使用の看板にする予定だったが、表情も体重も重いのでとりあえず片面だけにしようと決める。

27日日曜。
 一歩も外出せず休む。滝口悠生『死んでいない者』を読み終える。人称が気になる。多元的神視点というのか、なんというか。不思議な感覚が残る。
 夜「いだてん」。東京高等師範学校の場所が、数ヶ月前キャッチボールスペースを探して散策した茗荷谷(住所では文京区大塚)の教育の森公園と筑波大学東京キャンパスの辺りだと、マラソン大会のルート説明に「大塚」とあり気付く。文京区の「大塚」。ふと検索すると、豊島区には「大塚駅」はあるが「大塚」という地名はなく、「北大塚」と「南大塚」がある。
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by ouraiza | 2019-01-29 15:09 | Comments(0)
ふるえ    せと
 雑司が谷大鳥神社横の踏切りを渡ろうとすると、前方に店番タイタイと同じ背格好で同じ徒歩フォームの人が歩いていたので、自転車で近付いて軽くラリアットをして驚かそうとすぐそばまで来て腕を伸ばそうとした瞬間、あ、タイタイではない!と気付き急にハンドルをきって事無きを得た。その翌日、同じ踏切りで信号待ちをしているあの白いボルボ、運転席のサングラスに長髪はジャングルブックスのケンさんだ、車体の横に自転車でちょっとぶつかって驚かそう、と思いペダルのアクセルを強め前輪が運転席横のドアに触れそうな瞬間、あ、ケンさんではない!と気付き急ブレーキ、知らん顔で都電の通過を待った。危なかった。なんだろう、ヒト間違いも老化の症状だろうか。

1月14日月曜。
 帳場内で足元の暖をとっていた遠赤外線ストーブが先々週ぐらいから気まぐれについたりつかなかったりするようになったので寒い。叩いたり撫でたりするのも疲れたのでアマゾンで注文。

 年末に定めた目標の一つだった岩波文庫<赤>を翻訳文庫著者名五十音順に混ぜる作業をノムとタイタイが終わらせてくれていた。

15日火曜。
 経理に関する連絡など諸事。
 昨日注文して届いたファンヒーターが思っていたより小さく、ネットショッピングにおけるサイズチェックの重要性を思い出す。
 入谷コピー文庫さんのアンケート用紙に記入。
 急いで市場準備。

 ご近所様へ出張買取り。その足で市場へ出品。ちょうど組合から出てきたドS書房Aさんを早稲田までお送りして帰る。この日は優しいバージョンだった。「オレぁ今よ、ンにもキョーミねぇんだ、、、いや、風向きだけは気になるな、、、」とサーファーのAさんは言っていた。

16日水曜。
 午後から雑誌の撮影。被写体の女優Hさんの首がスティック糊ぐらいの細さだった。

 「神戸」になんとなくな憧れがぼくにはあるのだが、神戸に居住歴のあるお客様が、他県から来て神戸に住むことの難しさを教えてくださった。やはり実際に生活をするとなると排他性などいろいろあるのかもしれない。

 タイタイに教わりながらドロップボックスをダウンロード。画像の移動をスムーズにしたい。

17日木曜。
 外の漫画と絵本を整理。40冊ほどツブし。軽くする。
 新しい看板の下書き。
 週末に向けて外に出す絵本を方向付け、準備。
 父の見舞い。病院の輪郭を包む冴えた夜空に太めの三日月が光っていた。

 夜、ユーチューブの高木豊チャンネルがとても面白く熱中。

18日金曜。
 外の特価本スタンドを整理。60冊ほどツブす。
 看板の下書きの続き。
 隣町へ出張買取り。ご病気と聞いていた懐かしいお客様にお会いできて嬉しい。
 レーザーディスクをどうしようか迷ってとりあえず商品化。
 手創り市とみちくさ市同時開催の賑やかな週末に向けて、5年前に市場で買い、ずっと備品置き場で眠っていた世界各国のトランプが入った箱を引っぱり出す。数えると約100個。

19日土曜。
 「いだてん」に登場する天狗倶楽部によるエール「奮え〜!奮え〜!」がつまり今の応援時の「フレー!フレー!」だと知り驚く、が、そもそもの由来は英語の「hurray」、など諸説あるらしい。
 翌日に電気が止まる通知葉書を思い出し慌ててコンビニで支払う。
 どうしても必要な備品を要町公徳堂へ買いに行くもすでに営業時間を過ぎシャッターが閉まっている。仕方なく東急ハンズで調達。ついでに新しい看板に使う材料も買う。慌ただしくなり見舞いをサボる。
 昨日引っぱり出したトランプをノムとムトさんが商品化。札を数えたり、手間$。

20日日曜。
 賑やかな雑司が谷サンデイに合わせ一時間半ほど早めに出勤して準備したものを案配しながら開店。雑司が谷サンデイには早めに開店する、という課題が年末会議で挙げられていた。続けたい。

 カゲロウは約3年幼虫として水中で生活し、成虫となって川面を飛翔するのが約2時間だけであり、繁殖のためだけに飛翔するので口がない、とテレビ教授から学ぶ。なんてことだ。
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by ouraiza | 2019-01-22 11:36 | Comments(0)
鉄    せと
1月8日火曜。
 開店して諸事後、エクセルで日々の経済を記録する日計表の新年版を2時間ほどかけて一気に作るも、計算式が入ってないなどの根本的な不備が後で発覚し、店番タイタイが全部作りなおしてくれた。
 ご近所様へ出張買取り。
 新年の殊勝さの陣地に日常的怠惰が攻め込んできているあいまいな時間帯にボーっとし続ける。

9日水曜。
 夜、病院へ父の見舞い。ラメで光った化粧の新しい看護士さんが「あーくさい」と独り言を言いながら廊下を歩いていた。

10日木曜。
 ぐずぐずと諸事。
 保留物の大山に手をつけようとするもその大山の周囲にある保留物を触っているうちに時間が過ぎる。
 夜急いで市場へ出品。
 東急ハンズで工作備品を物色。

11日金曜。
 さてついに保留物の大山を削り始めようと頂上に手を伸ばすと、それぞれ別種のちらしなどの薄い紙ものがかたまっていて、削ってはいるのだが山が小さくなる実感の沸かない切ない時間。
 夜居酒屋バシトン。店員さんに肝臓の重さに負担のない料理を尋ねると、肝臓にはレバーが効く、とのことだったので食べる。レバーにレバー説は本当だろうか。

12日土曜。
 セロテープの貼り替え的諸事を繰り返すうちに時が経ち、別に今日じゃなくてもイイじゃんと天使のささやきが聞こえたので市場出品をサボる。一年を通して何回やるつもりだったことをサボるのか数えてみようかと思う。
 実家にて小用。病院へ見舞い。

13日日曜。
 夕方から古書組合北部支部の新年会。43歳にして初のフグ料理。「てっさ」というものを初めて肉眼で見た。牛でも豚でも鳥でも魚でもない、これがフグか、と思った。子供のころ初めてピザを食べたときのような新ジャンルとの出会い感がある。淡さと優しさ。大人になれた気がする。酒席は反省の母体。Don't look back yesterday。

 深夜『ミニオンズ』観賞。

映画「審判」ポスター ドイツ版
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by ouraiza | 2019-01-13 16:07 | Comments(0)
まどろみ     せと
東京古書組合発行のフリーペーパー『東京の古本屋』2017年12-2月号での作文改訂版です。
概ね事実ですが欠けた記憶の細部を大体の想定で補足しています。




 魔はいつも、まどろみに現れる。
 8年前の初冬、ゆるやかな陽が差す午後1時半ごろ、長身でやせ形、灰色の髪を後ろになでつけ革ジャンを着た60代なかばと思われる男性が足早に店に入ってきた。大声で、にいちゃんさあ、買取りって来てくれる?と番台の横に立った。

 その時期、買取りは深刻な凪の状態だった。買取りの波は、あるときには溺れそうなほど重なって押し寄せ、無いときにはすっかり干上がる。その日も開店してから諸事を済ませ、ああ、買取りが無さすぎてヤベー、なんかありがたい話ないかな、とぼんやり宙を眺めていたのだ。
 「えっと‥‥どんな感じの‥‥」男の風体に多少の不安を覚えながら処分の概要をお尋ねした。
「巢鴨の(暴力団組織名)の事務所知ってる?けっこう有名なんだけどよ、俺そこの黒田ってんだけど」
買取りの波と同様、お客様の波もぱたりと止んでいる時期で店内に入ってくるお客様はほとんどおらず、黒田という男の大声はぼくにしか聞こえない。“反社会的勢力”に関する条例などが、まだ末端の小売店の耳にまで届いていないころだった。

 以下黒田の話の要約。
 ある男に金を貸したがぜんぜん返さないので、家族の承諾を得て実家から金目のものを運び出し事務所の一部屋に放り込んだ。その男の父親が歴史小説を書くなどする学者で、書斎に高額そうな歴史書が大量にあったのでとりあえず持ってきたが、部屋を他の用で使うのに邪魔でしょうがない。組織の幹部にも金に換えなくていいから片付けろと怒られている。いいかげんな買取り値でいいから早く全部持っていって欲しい。
「なんだっけな‥…額縁に入っててダ・ヴィンチの直筆なんとかってあったな‥‥全然読めねぇけど古い‥‥あ、俺わかんのはシバリョーとかイケナミなんとかの原稿とか色紙とか、なんかそういうやりとりする仲間なんじゃねえか、桐箱に入ってわんさかあってよ‥‥」
 パソコンでパチパチすりゃ俺の事務所のこと出てくるからよ、目が悪くて小せぇ字読めねえんだよ、ちょっと見てくれよ。と言われ番台のパソコンで検索すると確かにその事務所の存在がその筋では有名だとわかった。

 内容に期待してはいけないという経験上の直観と同時に、もしかしたら、という楽観もあった。なによりぼくが抱いたのは、ネタになる、という浅はかな思惑だった。近所の同業と安い酒場でヤキトンとレモンサワーを卓に広げ、こないださぁ面白い宅買いがあってさ~、いやぁぁ、例の事務所。怖かった~。などと上気してウケようと努めている自分が脳内劇場にいた。経済的にも市場に出せばある程度かそれ以上儲かると踏んだ。

 その夜の早い時間に急いで伺うことを告げ、正確な住所を尋ねると黒田は、名刺が入った財布と眼鏡をここへ届けに部下が今車で向かっているから待ってくれ、と言う。唐突にガラケーをポケットから取り出しかかってきた電話に出る。
「バカそっちじゃねえよ、明治通りそのまま来いっつってんだよ、変なとこ曲がるなよ、サンシャイン方向じゃねぇってば」
大声でこちらに向かっている部下を叱る。たく若えもんは道を知らねえな、と嘆く。

 近くで道に迷っているらしい部下を待つ間、ぼくが帳場横に置いた低い脚立に腰掛けながら現代の極道事情についての世間話をする。棚にあった実録ヤクザものムックを番台に持ってきて、目が悪く読むのが面倒なので、誰について書かれているのか少し読んでくれと請われその通りにすると、その人物についての感想をユーモラスに語る。黒田は決して威圧的ではなく、常識より少し声の大きな、気っ風の良さそうなおじさんだった。あいつ今どこだよ、とガラケーをパクっと開いて強く指で押し、部下に電話をかける。だから西武の前をそのままくりゃいいんだよ、店の兄さん待たせてんだから早くしろよ。ガラケーをパタ。視力の弱さを補佐しながらの世間話と部下への電話を数回、30分くらいは経っていた。

 「あーしょうがねえなぁ。じれったくてたまんねぇからさ、そこの眼鏡屋、ほらレンガの壁の、あそこの社長馴染みだからさ、俺いま眼鏡買ってくるわ。」
 ひざを叩く身振りで決意を表明しながら黒田は続けた。「あのさ、財布も車ん中だから、うちの若いのがすぐ届けて返すからさ、ちょっと金貸してくんない?」 

 レンガの眼鏡屋は店から300メートルほどの距離に実在する。昨日の売り上げが入った封筒を開け、じれったそうに足踏みしている黒田にぼくは1万円札を渡した。黒田はあきれ顔をして、イヤ俺が買う眼鏡はこれじゃ足りねえんだ‥‥ほらすぐ返すからさあ。居心地の悪い時間をさっさと終わらせたかったし、もし部下が来なくても今夜の買取り額から貸した金を引けばいい。さらに1万円札4枚を出して渡した。
 黒田は札をポケットにねじ込みドアを開け、外に出ながら上半身だけ店内に残しぼくを見て大声で言った。

 「兄ちゃん!がんばれよ!」

 我に返って胸が凍りついたのは黒田が出て行って20秒後くらいだったろうか。眼鏡屋まで走ったが、背の高い初老の男はどこにもいなかった。

 無念の想いに痺れながら通報し、店番の代わりが来てから行った警察署の小部屋で刑事さんからこの1ヶ月で2件、となり町の弁当屋さんとブティックがほとんど同じ内容の詐欺にあったと聞いた。

「ちなみに本屋さん、あなたが一番多く渡してるね。」

 昼の陽はすでに陰り、冬の本番を感じさせる冷たい風が吹いていた。
 うなだれて店に戻る途中、視界をアスファルトで充たしながら、これからも必ず訪れるであろうまどろみの時を想った。
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by ouraiza | 2019-01-06 02:38 | Comments(0)
75    せと
 31日月曜。夕方、病院へ見舞い。
 紅白をうるさく感じながらも愉しむ。その後近所の友人と初詣散歩。
 法明寺の参拝の行列にダパンプの「いいねダンス」のつもりの痙攣をしながら並んでいると、しばらくしてその列が除夜の鐘撞きの列だと一つ前に並んでいた方に教えていただき、だからといってせっかく時間をかけて並んだので抜けるわけにもいかず、鐘撞きを初体験。整理券番号は75番。鐘の音で空気が振動するなかで一祈り。鬼子母神で行列の横から割り込みセカンド送球祈り、次に大鳥神社でベンチに座って一祈り、で祈りのトリプルプレーが完成。
 1月1日火曜。ダパンプの「U.S.A.」を「U.S.B.」と言い換えて歌いながらUSBをパソコンに刺す。など。
 2日水曜。午後病院へ見舞い。
 夜、毎年楽しみなムトさん宅での「八つ頭」を食べる新年会。八つ頭、今年もとても美味しかった。

 3日木曜。
 幾人かの御常連さんが来てくださってご挨拶できて嬉しい。
 まだフレッシュな気分なので年末に誓った自分への言いつけを守る。1週間ももたないだろう。
 納会で定まった目標を一覧に清書。保留物を商品化。
 さっそく煩悩に負けて無印良品で浮かれた買い物。
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by ouraiza | 2019-01-04 13:39 | Comments(0)