

野見山暁冶さんの本を見つければ読むようにしています。今回は『遠ざかる景色』筑摩書房。左は以前読んだ『一本の線』異装(カバー欠いたみを買ってきて裏打ちもしない布をはっつけただけなんですがよくできました)。前半、椎名其ニとのパリでのあれこれを綴る章がしっとりしてなんとも興味深かったです。椎名其二のことは栃折久美子さんの本で知ったのですが、もっといろいろ勉強したくなります。前半には「義弟・田中小実昌」もあって、田中小実昌と奥さん(野見山暁治の妹)マドさんとのやりとりがいきいきと。後半は戦没画学生の遺族を訪ねる旅の自己問答記録。池袋モンパルナスの一室に無理矢理同居していたフラチな仲間の一人は『一本の線』にも登場していましたが、その戦地での最期の様子が書かれていました。じっと伏目がちに自己問答をつづけながら右往左往する文章の妙。この突き放しつつも近しい感じはなんなのでしょう。
池袋モンパルナスは「中継点」という性格を多分にもっていたこと、要注意なんじゃーないか、などと思います。夢を追う若者の夢の真ん中なのではなくて、フラフラの足を休めた椅子だったこと。
漠としていた単語の意味、広辞林。エトランゼ=未知の人、他国者、異邦人。コスモポリタン=世界主義者、国際人、国民感情などに左右されない世界的視野をもつ人。
せと