08/09/15
08/09/15_f0035084_23352355.jpg今日はなんだかとっても、古本屋バイト冥利に尽きる、という日だった。
某所から持ち込まれた古い紙の束。それは主に明治時代の書簡や葉書、錦絵や地図といった、ふだん当店ではあまり扱わない、貴重そうな資料たちでした。
ちょっと見ただけでも渋川玄耳・小山栄達・岩倉具綱・生方敏郎などといった(私は知らないけど)すごそうな名前がどんどん出てくる。戦時下の上海から送られたもの、綺麗な挿絵がついた半紙に書かれたもの、住所がわめぞのもの、見ているだけで楽しい。
手紙の多くは毛筆で、達筆すぎて読めない。長い半紙にダーーーっと書かれたものが沢山折られて封筒の中に入っている。同じあて先に送られたものは、その人の交友関係が垣間見えてくる。
私は番台で別の仕事をしながら、代表がそれらをチェックしているのを横目で見る。書かれた難読の字を代表がどんどん解読して、「ほらこれ○○」「これは△△の社長で・・・」などと解説してくれるため、いつもの二割増し格好よく見えて来る。すごい。今日ほど崩し字をちゃんと勉強しなかったのが悔やまれた日は無い。

私は誰にも負けない歴史オンチなのだが、縁あって明治・大正期の思想に関する事を研究テーマにしている。
最近だと神保町系オタオタ日記さんの7月31日記事に出てくる固有名詞(多賀羅亭・『新仏教』・高島米峰・境野黄洋・広井辰太郎・堺利彦・菜食・「ローマ字論」etc)がまさに研究対象にど真ん中に関係していてとても動揺してしまった。
調査をここ数ヶ月さぼってしまっているのだけど、そろそろ年貢の納め時かなぁ・・・と、百年前の記憶がつまった書簡たちを見ながら、観念する。

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好きなものと古書店関係がつながると、とてもドキドキする。
古書ほうろうさんの、寒空はだかやふちがみとふなとのライブ、蟲文庫さんでやる知久寿焼弾き語りライブ(あっという間に満席・・・)、どれも魅力的でうらやましい。とくにふちふなは、新作が出たということもあって、魅かれる。

なつき
by ouraiza | 2008-09-16 00:14 | ふらふら散歩(終了) | Comments(2)
Commented by 多郎左衛門 at 2008-09-19 01:26 x
ふちふなのトーク&ライブは行きたかったのですが…。
寒空はだかもいいですよ。
Commented by ouraiza at 2008-09-23 00:49
>多郎左衛門さま
寒空はだかさんは、映像(栗コーダーカルテットのライブDVD)でしか見たことないのですが、他に無い存在感がありそうな方ですよね。興味あります。なつき
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