インドの古い天文台
昨日店長せとさんに書かれてしまったので、本日ご報告いたします。

池袋のシネ・リーブルで映画「百万円と苦虫女」(タナダユキ)を見て、往来座に向かおうとする、と、地鳴りがするほどの大雨、かみなり、大洪水。本気でおびえ、副都心線に助けを求める。雑司ヶ谷駅に降り立つと、さきほどの嵐は夢だったかのように止んでいる。地下にもぐっていた10分ほどの間に過ぎ去ったようだ。天気に勝った気分です。
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インドの古い天文台_f0035084_21521478.jpgとても久しぶりにCDを買う。Jantarmantar(ジャンタルマンタル)という、元たまの滝本晃司さんやたまのサポートではかかせなかった斉藤哲也さんなどからなる、インストゥルメンタル中心のユニットの同名アルバム。発売からは大分経っているのだけれど、実はしばらく関心がもてなかった。理由のひとつは、とうとうたま解散「後」に新しいグループが生まれてしまって、しかもそれがたまとは大分ほんとに音楽性が違うっぽくて、時間が元に戻らないことをすごく実感してしまったからなのでした。(※他のユニットも沢山あるけれど、それらはメンバーが複数かぶっていたりたま時代から並行されてたりする)
だけども一年ほど前に、荻窪のひなぎくでかかっていた素敵なBGMが、お聞きしたらジャンタルマンタルだったのでこれはもう逃げられないなー(?)と思い、それからまた月日が経ってとうとう先週西荻のニヒル牛にて、購入しました。長かった。曲は、ギター・ベース・キーボードに加え打ち込みみたいなのも入れつつ、口琴やなんと「ホーメイ」(倍音を出す歌唱法)をあやつって、どこか民俗音楽っぽい、でも都会的な、やさしくてとても悲しいメロディがかなでられます。静かに雨が降る休みの日に聴くとちょうどよい感じ。しばらく勤務中にもかけることにします。

インドの古い天文台_f0035084_22262121.jpg読了:山野一『四丁目の夕日』(扶桑社文庫)
某『三丁目の夕日』のほがらかS.30年代ノスタルジーの真逆を行く、とても恐ろしいマンガだという評判は耳にしていたのですが、ここまでとは…。
印刷工の父をもつ主人公たけしが、貧しさに、不運に、どこまでも追い詰められていく。成績が優秀でひたすら努力を重ねていただけに、もしかしたら彼にあったかもしれない幸福な未来を、読んでいてうっすら浮かべてしまうが、物語はそんな私の感傷をひっぺがして「現実」の悲惨さをこれでもかと見せ付ける。読んでいる間中、心の中で「あぁ、あぁ」とつぶやいていました。
ただ、救いがない話のなかで、作者がたまにチラッと書き文字でつっこみをいれたりする、その冷静な距離感が時々おかしくて、特に終盤喫茶店で、たけしの元恋人恭子がたけしに憎悪を感じるコマに描かれる「象の憎悪さん」、このシャレのひどさに笑ってしまいました。とにかく、うまく感想がかけませんが、確かに有名になるだけのことはある作品でした。あ、当店でも単行本版が1冊売っておりまーす。

なつき
by ouraiza | 2008-07-29 23:10 | ふらふら散歩(終了) | Comments(1)
Commented by 多郎左衛門 at 2008-08-06 01:25 x
あっ、持ってる。文庫じゃなくて、A5サイズです。
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