聖人男性2名
先々週書いた『まほおつかい ミミッチ』に対し、同僚まこちがすぐ「読みたい!」と反応してくれる。うぐぐ、そういうのが一番冥利に尽きます。ということで今日も最近読んだマンガの話。

聖人男性2名_f0035084_23363416.jpg中村光 『聖(セイント)★おにいさん』 1巻(講談社 2008.1)
ふだんどうしても少女マンガに偏りがちになるため、定食屋さんに入ったときなどは意識して青年誌を読むようにしている。それでも全然時流にのれなくて、コミックス売り場の男性コーナーに行くと呆然と立ちすくむこともしばしば。
この作品は昨年、ふらっとコンビニで買った「モーニング2」に載っていて、割とゆるい展開のギャグマンガなのに異様に濃い設定で、これは面白くなるんじゃ・・・と思ってたら気がつくと書評で話題となっており、それに押されて珍しく新刊で購入。
何か凄いかというと、主人公は「ブッダ」と「イエス」(ジョニー・デップ似)。いわずと知れた世界の二大宗教の創始者です。なぜか、東京・立川のボロアパートに共同で住むことになった二人は、倹約をモットーに質素に楽しく生活しています。ブッダはお金にうるさく、新撰組衣裳セットのようなミーハーな買い物をよくするイエスをしばしば怒りますが、自分もつい手塚治虫の『ブッダ』にはまって大人買いするなど抜けているところも多くてステキ。また二人がいつも着ているブッダお手製のTシャツは、「父と私と精霊」とか平仮名で「ほけきょう」とか色々で毎回目が離せません。
一番ツボなのは、よく知られた奇跡や逸話がネタとして沢山出てくるところ。ブッダは昼寝していると動物がわんさか集ってきて、あわてて「今日はコレ涅槃とかじゃないから!」と叫ぶし、イエスはやせ我慢するとすぐ聖痕が出て血みどろになってしまい、逆に楽しいとうっかり「六甲の水」をぶどう酒に変えてしまいます。はたまたスジャータさんからは、25世紀に渡って毎年お中元で乳がゆが送られてくるなんてことも。
仏陀はともかく、イエス・キリストをここまで面白く描写したマンガはそう無いのではないでしょうか。これ欧米じゃ無理なんじゃ・・・と思わせるふざけっぷり。おすすめです。ただ惜しむらくは、コミックスが何故か薄い!人気だからあわてて出版したのでしょうか。ちょっと残念です。

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週末は、毎年恒例の「ミューズ シネマ・セレクション 世界が注目する日本映画たちPartⅧ」に行って来ます。(昨年の模様
今年は三日にわたって
「時をかける少女」
「鉄コン筋クリート」
「殯の森」
「無花果の顔」
「ストロベリーショートケイクス」
「天然コケッコー」
「神童」
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
というラインナップです。
毎年言ってますが、このイベントの凄いところは、チケットが取りやすい上に各作品の監督が嘘みたいに沢山来ること。今年はあの監督にサインをもらおうと、今から張り切っております。お近くの方は是非。

なつき
by ouraiza | 2008-03-26 00:31 | ふらふら散歩(終了) | Comments(2)
Commented by ヴェガ at 2008-03-27 11:19 x
漫画はほとんど読むことがないのですが
「聖★おにいさん」、すごく読みたくなりました。

読みたい本は山積みだし、見たいアニメは溜まってるし
漫画を読むための時間がどうしてもとれない。
いったい何を犠牲にすればいいのかしらン。
でもこうやって紹介してもらって読みたくなるものは
間違いなくツボにはまるのです。楽しみです。
Commented by なつき at 2008-03-28 01:20 x
ヴェガさま
うわー、こんな素敵なコメントいただけるなんて嬉しいです。
この作品は普通の青年誌らしいギャグマンガなので、お気に召していただけるかドキドキですが、
ひたすら気弱な聖人二人の日常を楽しんでいただけたら幸いです。
コメントありがとうございました。
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