あれこれ
あれこれ_f0035084_1512385.jpg 以前、お客様がくださった「高田渡グラス」でビールを飲む。思わぬ出会いだった。うれしい。ただ、グラスの底からつねに視線を感じる。ビールをそそぐと渡の顔がでかくなってちょっと怖い。ビビり感が増します。下の画像は、アルコールの水溜りのなかで、ちょっとにやけ気味の渡。ついでに、『バーボン・ストリート・ブルース 高田渡著』(山と渓谷社)の表紙をのっけてみました。特に意味はないです。
 昨日のある時「それでは、番台のほうへ」とお客様をご案内すると、そのお客様から、ふふふ、と声が漏れるのを聞きました。「ああ、レジのほうへですね」と言うと、「いやいや、そのほうが時代感があって」とお答えになりました。
 「店長、尾崎一雄のなま声って聞いたことありますか」「いや、ない」。木曜日、江古田のブックオフにて『肉声できく 昭和の証言 作家編② 志賀直哉/山本有三』(日本放送出版協会)を買ったのですが、その中で、志賀直哉のききてに尾崎一雄の名前があったので、これはと思い購入したのでした。かくかくしかじかで、と説明すると、

あれこれ_f0035084_1513498.jpg 「それは聞きたい!」と店長。「いやぁ、それを見つけた時は、店長にこそふさわしいものだと思いまして・・・へへっ」店長は尾崎一雄が好き。普段の仕事の合間にも、店長のポイント稼ぎに余念がないオレ。ちなみに価格は200円で、スクラッチカードの割引券を使って購入したので、自分は一銭も払っていない。
 先々週、すっかり猫屋敷と化した店長宅で、4匹の猫の世話係をつとめ、そのあと小遣いを頂いたのですが、すっかり古本代に消えました。これはもう古本がわるいのであって、オレのせいではないです。
 久しぶりに、リブロ・ガレリアへ行きました。奥にある詩集の棚で30分くらいあれこれ本を見、
 『雑歌 足立巻一著』(理論社)
 『関根弘詩集』(思潮社)
 『現代詩文庫22 鈴木志郎康詩集』(思潮社)
 をレジに持っていきました。店員の方が、札をとったりメモをとっているあいだに、ふっと後ろを振り向くと、『詩集/遠くと近くで 菅原克己著』(東京出版センター)が目にはいったので、思わず手が伸びてしまいました。ちなみに、『雑歌』は署名入りで、値段も安い。やっぱり、古本のせい。
 『戦後思想と歴史の体験 日高六郎著』(勁草書房)、『純文学と大衆文学の間 日沼倫太郎著』(弘文堂新社)を最近読みました。『戦後思想~』内の「歴史の教訓」のなかで、日高六郎が学生に対して、歴史を勉強せよ、とお説教したというはなしは、読んでいてひとごとではなかったです。現実を踏まえないで理念を先取りするな、ということですよね。日沼倫太郎は、十返肇とともに、手元にあってほしい文芸批評家のひとりです。とにかく、読んでる。「流行作家のイメージ」のなかでは、松本清張や水上勉の他にも、源氏鶏太、中村武志、邦光史郎らの小説についてその特性を上げながら、それぞれの作家像を表しています。この本を読みながら、大学時代に、それらの本に眼が届かなかった自分を思いました。
 こにぎり
by ouraiza | 2008-01-28 01:51 | こみにぎり(終了) | Comments(0)
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