「目白台、雑司ヶ谷、池袋」山口瞳
「目白台、雑司ヶ谷、池袋」山口瞳_f0035084_11482457.jpg山口瞳著
『新東京百景』
新潮社 単行本S63 文庫H5 内約15P

< 雑司ヶ谷の鬼子母神へ行くことにした。>

<終戦直後、僕は目白台に住んでいた。目白台と言えば聞こえはいいが、椿山荘と田中角栄邸の中間あたり、洋服屋の二階の北側六畳一間を間借りしていた。>

<目白駅附近は、どういうわけか台湾の人が多かった。山手線の線路際にへばりつくようにして屋台店が並び、そこでカストリ焼酎を飲んだ。>

< 鬼子母神境内。僕はここの郷土玩具ススキミミズクが大好きだ。また、ミミズクを売っている九十二歳の安井千代さんも大好きだ。>

<この境内に塵一つ落ちていないのが嬉しい。町内会でもって掃除しているのか、修行中の若い僧が掃くのか知らないが、美しい境内にいると気持がやわらぐ。>

「目白台、雑司ヶ谷、池袋」山口瞳_f0035084_11494994.jpg宿にしたホテルメトロポリタンでの情景
翌日スケッチのため再び訪れた鬼子母神境内での情景
by ouraiza | 2002-01-01 00:08 | メモ/雑司が谷の本 | Comments(0)
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