動き    せと
12月22日月曜日。
 店営業はせず事務所営業(「事務所」のほうがそれらしいと気付き「内勤」から変更)。
 年内の大きな目標2個のうち・新しいサブパソコンを稼働させる、が先週達成できたので、もう1つの・店用の自転車を買う、をしに要町の大きな自転車屋さんを目指して主に自転車を使うことになる店員ノムと、ムトさんとで散歩に出る。
 昼食処を探しなが細道に分け入る。元八勝堂さんの裏のほう、といえばいいのか、池袋西口に新しい地域ができていてとても新鮮だった。「ニシイケバレイ」。バレイにあった食堂で定食と瓶ビールをいただく。
 要町の自転車屋ダイシャリンさんから板橋のアサヒさん、ドン・キホーテを回るが、極々単純な容姿で機能な自転車と出会えない。脳内で錆びたイメージと時代の趨勢の関係性はたいていそういうものだ、という事実が定着してきているので、まあ今日はそういうことだと諦めてケンタッキーフライドチキンを買う。お持ち帰り専用ケンタッキーでお得パック3人分を購入したが、食券をカウンターに提出したのと同時に「はいこちらですー」と手提げに入った注文品を渡していただけて、想定との速度の相違に驚いた。

 店に戻って『朝日ジャーナル』のシバリと散らかった番台周辺の片付け。
 今日の市場での売り上げをウェブで確認すると、最低入札額の2000円なら売れるんじゃないかと出品した4点全部がボー(入札無し)だったので、まあそうだよね、と訳知り顔を準備しながらしばらくうつむいた。4打席連続三振は初めて。フルスイングしてもいないので余計に恥ずかしい。

 映画「どですかでん」(1970 黒澤明監督)をFDD(Film Day Detective 映画の中に日付けを探す活動)として観る。原作『季節のない街』のタイトル通り日付けが無く、その無い様が美しい。FDDでは見つけた日付けをダイヤモンドだとは思わない。日付けの無さもまた宝石である。日付けは多分偶然落ちている小石。

12月23日火曜日。
 休み。
 昨日入札無しだった商品の構成を変えて再出品しに市場へ行く。北部支部役員と合流し、組合が保管している古い資料を皆で検分する。生誕時に北部古書会館の2階が住まいだったT書房タケちゃんは古い写真を興味深そうに眺めている。ぼくも含めた「北部の子」という視点についてここ数年かんがえている。

 「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981 スティーヴン・スピルバーグ監督)を観た。考古学者になりたい。

12月24日水曜日。
 休み。
 お借りしたDVDで「他人の顔」(1966 勅使河原宏監督)を観る。

 午後、月曜日に見つけられなかった新しい自転車を探しに早稲田方面へ散歩に出る。数軒の自転車売り場を回るがキューティクルヒットは無い。
 神田川沿いをぶらぶら、遊びつつ帰る。

 夜、「隠し砦の三悪人」(1958 黒澤明監督)を観る。日本語字幕付きのDVDで再生し、音声が聴き取りづらい問題を払拭。旧作邦画を観ていて、ん、いまちょっと聴こえなくて理解できてないけどまいっか、ということがたまにあるが、字幕はとてもありがたい。

12月25日木曜日。
 前業に遅刻しつつFDD(Film Day Detective)のデータ整理。開店して諸事。

 やることリストに難しくないごく当たり前に遂行できる諸事9項目を挙げ、ゆっくり一つずつ解消していく。アイパッドを充電する、セロテープを発注する、両替に行く、など。年内はもう働きたくない気持ちが濃い。
 9項目のうち7.5項目が終了。番台端飲酒会議にて、手帳編集部Fさんによる「砂の器の丹波哲郎」「麻雀放浪記の高品格」、わたくしの「醜聞の志村喬」「疑惑の桃井かおり」などなどで遊ぶ。左卜全になんどか挑戦したがぜんぜん未熟で不評。

 「CINEMA」の語源はギリシア語の「動き」であると編集部Iさんから教わりびっくりした。軽検索によると、「ギリシャ語で「動き」を意味する「kinein(キネイン)」に由来します」とのこと。Iさんの議題はつまり”画面の美しさ”というのは”動き”を語源とする映画にとってなんであるのか、という点。

 「ペット・セメタリー」(1989 メアリー・ランバート監督)を観た。猫の名はチャーチル。略してチャーチ。

12月26日金曜日。
 前業に遅刻しつつ何もせず。開店して諸事。

 靴底の穴はいつも右足母指球の下に開く。穴が開いてもしばらくはガムテープを貼ったりや中敷き敷いたりして粘るのだが、もう限界だろう、と注文していた新しい靴が届いたので古いのを胸中で謝意を述べ供養して捨てる。ウェブの注文履歴をみると一昨年の3月に購入しているので、約21ヶ月。短いような気がする。

 もうすぐ開催される古書組合の支部忘年会に向けて資料整理を少し。
 夕方から実家に行き上板橋のイタリア料理店で母と忘年会。いつもとても美味しい。母の頭のCTスキャン画像をみせてもらうなどする。実家の近所に再開発の穴が開いていた。
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 映画「横道世之介」(2013 沖田修一監督)をまた観る。

12月27日土曜日。
 前業でFDD(Film Day Detective)のデータ整理をして番台で突っ伏し寝。開店して諸事。
 寝不足のせいかどうにもエンジンがかからぬまま時が過ぎる。夕方、動物病院にて年末年始用に多めに猫の薬をいただく。
 これも慢性的な寝不足のせいだろうか、早く休みに入りたい気持ちを堪えている。

 よく来てくださるお客様がお帰りの際に「よいお年を」とご挨拶する。次に番台にいらっしゃった初めてのお客様が精算後に「よいお年を」とご挨拶してくださる。時候の挨拶のなんとなくな連鎖が起こった。極力「よいお年をー」を心掛ける。

12月28日日曜日。
 前業で年内に終わらせたかった毛糸玉の商品化。毛糸を売ることはとても楽しい。買ってくださるお客様が今まさに自ら手を動かして創作に向かおうとなさっているからだろうか、わくわくとホットな気配がたいてい濃く、なんだか嬉しい。やはり創作で頭を埋めている人にはトゲトゲと世を憎むヒマがない。開店して諸事。
 今晩の古書組合北部支部忘年会に向けて少し資料の整理。うまくことが運ぶだろうかと緊張する。

 サンシャイン60ビルの59階の和食レストランにて忘年会。普段の宴会よりも支部史的な記念の要素を含む会なので特殊な会場を設定したのだが、ご参加を念頭に置いていたFさんの不参加の理由が「高所恐怖症」であり、幹事事務の想定の至らなさを申し訳なく思いつつも、なんだか可笑しかった。
 支部長ではあるが堂々と立ち振る舞えない。大きな個室内の大きなテーブルの間でふわふわと浮かぶ。機会を見つけてAさんやIさんと今後の大事なお話をできてよかった。二次会にてIさんから大人の遊び事情をお聞きしたり、「細かいことを見逃しちゃいけない」という秘技のようなものを教えていただけて嬉しい。
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 解散後、緊張からの解放を喜びたく、高田馬場の自由空間さんで信天翁センパイとビリヤード。深夜のビリヤード場はアジア系の若者たちの多国籍な言葉で大賑わいだった。ナインボールでラック数2対3で敗戦。決定打の場面でずっこけショット略してズコショを繰り返す。ああああ情けなや。ビールのピッチャーを空けながら、いつのまにか3時間経っていた。年内最後の1ショットだけはビシッと決めることができひとまずそれでよしと自分を慰め、明るくなり始めた水色の明治通りを歩いて帰った。

by ouraiza | 2025-12-29 21:01 | Comments(0)
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