封の癖    せと
11月10日月曜日。
 営業はせず内勤。
 夕方から古書会館での会議へ。慌ただしくまったく心構え無しで会議にでてしまったが、行き当たりばったりで難を逃れた。
 居酒屋はなびさんで反省会。いつも「タケちゃん」と呼称していた司書房Nタケオミさんのことを「オミちゃん」という呼び名に変更することにした。G堂さんがその呼び名を使っていらっしゃり、イカしてる、と思ったのだった。オミちゃんのお父様はこの業界の大ベテランで、「石原裕次郎の写真集をオレの若いころの写真集だって繰り返し主張するンすよーだから売れないんだっての、とオミちゃんが嘆いていた。
 ふと古書信天翁センパイにビリヤード行こぉよぉと甘えると、家の近くなら行ってやる、とのことで、早稲田のイナホビリヤードさんで第2回アルバトロス杯を開催。早く帰りたいとぐずるセンパイに5対3で勝って嬉しい。それにしても、先週伺った阿佐ヶ谷のルーツさんやイナホビリヤードさんのような純粋な競技ビリヤード屋さんがまだまだご健在であることはとても幸せだ。イナホさんにはエフレン・レイズのサインボールが飾ってあってとても素敵。

11月11日火曜日。
 休み。
 仲代達矢さんの訃報がニュースで流れる。『名画座手帳2024』の直筆帯文を頂戴したとき、隣に載るかたの文を邪魔しないようにと、あえて薄い墨でお書きくださったのだった。ひとまず普通の濃い墨色で調整して校正刷りを確認していただいた際にその真意をスタッフのかたから教えていただき、なんと静謐なご配慮だろう、と編集部は背筋を伸ばした。

 午後、依頼された『古書月報』の原稿の取材のため北部古書会館跡地の空き地へ自転車で行き、見つけられる限りの種類の雑草を撮影する。

 映画「切腹」(1962年 小林正樹監督)を初めて観た。仲代達矢さん主演。抜群に面白かった。分母の乏しい映画体験のなかでベスト数本にランクイン。以前勧めてくれた友人Rさんに抱きつきたい。
 続けて「拝啓天皇陛下様」(1963年 野村芳太郎監督)を観た。以前観たことがあり理解が及ばなかったのだが、まったく別の物語のように感じる。とても面白かった。結局なにも観ていなかった、そして今も観ていない、のではないか。

11月12日水曜日。
 休み。
 頼まれている『古書月報』の記事作成に呻吟する。ふわっと輪郭のはっきりしない事象をどう誌面に表すのか。夜になってやっと固まってきて、居酒屋はなびさんの串揚げの画像が必要になったので食事を兼ねてムトさんとレンタル自転車で出向く。
 深夜、慌てて支部忘年会の案内書作り。

11月13日木曜日。
 前業から課題の作文作り。開店して諸事。
 集中力が保たず課題作文を少し書いて店内を右に行き戻ってきて少し書いて左に行きまた戻ることを繰り返す。目処はついた。

 帰路、雑司が谷鶴巻通りを歩いていると、道路上に白と緑色のドットがきれいにマークされている。そういえば、北側に一本並行している道にも同じようなドットのマークが描かれていた。新しい交通表示なのか、その場で検索してみたが何なのかわからなかった。(後日、詳細を忘れてしまったが、日本女子大学のなんらかの社会実験である、という貼り紙を見つけた。)
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 夜、映画「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」(1984 押井守監督)を観始めたが半分もいかないところで入眠。寝落ち、以外に、抗いようもなく眠ってしまうことを表す風流な単語はないだろうか。感覚的には、眠りの世界に墜落するような。堕睡のような。

11月14日金曜日。
 前業で滞留物の値段つけ、少し配架。開店して諸事。
 明日が締め切りの『古書月報』の作文にひたすら勤しむ。やや煩雑な構成なので文章をデータで入稿するのではなく誌面そのものをイラストレーターで作ってPDFで入稿するという直截方式でやらせていただくことにした。

 ダイエットのため間食をやめているのに、阿佐ヶ谷ポポタムさんでのムトさん個展にいらっしゃった仙台・ブックカフェ火星の庭の前野さんがお土産にくださったチーズクッキーをおすそ分けしてもらったのだが、美味し過ぎて続けざまに食べてしまう。仙台、甘座洋菓子店。ダイエット潰しに遭う。
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 「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」を観ながらまた途中で眠りに墜落。

11月15日土曜日。
 前業から課題の作文作り。開店して諸事。
 午後遅めに作文が完成、メールを送付。よかった。

 「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」を3日目にしてついにエンディングまで観る。2度の墜落眠りでの中断を経たのでそれこそ夢のようで、ある意味それもドリーマーだった。

11月16日日曜日。
 前業で買い取りの準備。開店して諸事。
 午後早めから、助っ人を依頼していた立石書店一郎さんと編集部Iさんとムトさんとで極々ご近所のお宅へ伺いご蔵書の買い取り作業。六畳間の四分の一ほどを埋める積み上がった本と、4つの押入れに詰め込まれた雑誌類。本も雑誌も見た目以上に奥行きが深く、縛れども縛れども終点が見えず。夕方が夜に変わるころ、お住まいが別にあるお客様にお疲れの色が見え始めたので一旦終了することにする。予定していた日のうちに買い取りを終わらせられないのは初めてのこと。一郎さんとあと2時間早く作業開始してればね、と悔やむ。3代目、生まれた時から古本屋の一郎さんは段取り構築や縛り作業が無闇に早く、とても助かった。なにより堂々となさっていて心強い。
 とりあえず封鎖した店奥にムトさんが積んでくれていた運搬物を積み直しながら整える。店奥が通路を残してほとんど埋まった。封鎖を解けるのがいつになるのやら。なにか慌ただしい入荷があると店奥を封鎖する癖がついてしまった。
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 深夜、映画「ホテル・ニューハンプシャー」(1984 トニー・リチャードソン監督)の前半を観る。

by ouraiza | 2025-11-17 23:27 | Comments(0)
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