隅    せと
8月11日月曜日。
 営業はせず午後から内勤。
 締め切りが迫りつつある『名画座手帳2026』の会議。デザイン上の難題にデザイナーさんが取り組んでくださり、資金の少なさを嘆きつつ、どうお礼をするべきか胸が詰まる。
 会議後にほんの少しだけ店の作業。

 映画「無法無頼の徒 さぶ」(1964年 野村孝監督)を日活配信チャンネルの無料期間サービスを利用して観た。設定が江戸から明治に変わっているのは、小林旭と長門裕之にちょんまげのかつらをつけさせないためだろうと思う。前髪の一部をピョロンと垂らした小林旭さんは絶世の美男子だった。叙情エンターテイメントな原作を原液として解りやすさというジュースを加えて薄めた活劇になっていて面白かった。

8月12日火曜日。
 休み。
 廃テンションで家窟にこもり天井を見るなど。「ロッキー」をとばしとばし観て泣く。観衆をかき分けながら決戦を終えたリング上のロッキーに駆け寄ろうとしているエイドリアンの頭から落ちてしまった赤いベレー帽はどうなっただろう。

 映画「八つ墓村」(1977年 野村芳太郎監督)を観ようとし、半分ほどで寝落ち。

8月13日水曜日。
 休み。
 夕方から第27回YBA(山田ビリヤードアカデミー)。ああ致命的なシュートの決まらなさよ。ズッコケショット略してズコショの止まらないリピート再生。可笑しなことに山田くんもそれに付き合ってくれたので接戦になるが試合時間がやたらに長い。途中からそんなズコショの横溢が愉快になってきさえして、脳内でダウンタウンブギウギバンドの「アレイ・キャット」を歌った。ダウンタウンブギウギバンドの乾いた諦念のような荒々しさに励まされる。音楽によって後ろ向きな心理状態を立て直す作戦はかんがえたことがなかった。いつもお世話になっているビリヤード場が変なBGMを流していないこともありがたい。獲得ラック6対8で敗け。ただ近ごろ前向きな傾向もあるにはあって、ナインボールは競り合ってギリギリ勝つがエイトボールで大差で敗ける。どちらも大差で敗けるのではないという進歩は嬉しい。総合獲得ラック数153対236、総合成績3勝24敗。
  居酒屋大門さんで反省会。

8月14日木曜日。
 前業にて少し滞留物の値段つけと買い取りの準備。開店して諸事。

 すぐにご近所の開店当初からのご常連様宅へ買い取りのお預かり作業へ。2階書斎からの階段での上り下りを考慮すると折りたたみコンテナは重すぎるので、事前に調達しておいたスズラン紐でのしばりで進行。300束ほどしばったかと思ったが数えてみると91束だった。
 店に降ろしたが無駄がなく幅をとらない塔を建てるためのテトリスをする気力なく、ひとまずまた店奥を封鎖する。倉庫のような保管場所の必要性がひしひしと感じられてきているがどうするべきか。
 閉店後、昨日誕生日だった店員ノムの祝い、免許の試験に落ちたミヤモトくんの慰労、全体的に暑気払いのため東池袋のイタリア料理なんだかんださんで小宴。

8月15日金曜日。
 前業で一旦は昨日お預かりしてきた山脈を開墾していこうと山頂の1束を降ろしたが、キリのいいところまで行き着けなさそうなので延期。開店して諸事。

 DVDの商品化をひたすら。
 夜、立ち寄ってくれた阪神ファンの友人Kさんが映画「ミスター・ルーキー」のボックスセットを買ってくれて、特典として入っていたタイガースのユニフォームをその場で着用に及んだ。筋トレをしているとのことで、いかにも打球を遠くまで飛ばしそうなバターがそこに立っているようだった。
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 映画「八つ墓村」(1977年 野村芳太郎監督)を観終わる。先日観た「犬神家の一族」もそうだったが、ホラーやミステリーにまったく触れてこなかったので、単純にとても怖くて驚き震え、とても面白かった。

8月16日土曜日。
 前業でDVD商品化の続き。開店して諸事。
 うっかり今日が金曜日だと思っていたが、愛車8合をお貸しする連絡を立石書店一郎さんとしていて今日が土曜日だとわかり予定を変更。一郎さんの運転で店から古書会館へ出品に行き、一郎さんの運転で店まで戻ってきた。一郎さん、ぼくはまるでお姫様みたいじゃないですか!と感謝を伝える。

 商品化の終わったDVDをさて配架だ、という段取りになったが場所がなく、どうしようかな、と悩みながらふと見上げると、忘れ去られた暗い片隅を発見。
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 がたがたの地を均して板を敷いて棚にする。いよいよこんな隅もなくなりつつある。
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 夜、いよいよ大詰めの『名画座手帳2026』の会議、確認作業。

8月17日日曜日。
 前業で「安住紳一郎の日曜天国」を聴きながら保留していたものの値段つけ、商品化。

 なんとなく、放っておくことが状態化しつつあるものを触って進行させることを心がける。
 藤浪晋太郎投手のメジャーリーグからの帰国後一軍初先発登板、DeNA対中日をラジオで聴く。

 ご常連のObさんがご来店くださり、4時間半の「東京裁判」、9時間の「人間の條件」など長い映画をいくらでも観ることができる時期にあり「なんかゾーンに入ってるんです」とのことだった。ゾーンというものは不思議だ。

 閉店後、立ち寄ってくださったピッポさんと世間話をしていてなんの流れからか「トリッキー」ということばが出た。ピッポさんは「トリッキー!なんか鳥貴族みたいだ!!」と仰っていて、そうか、居酒屋鳥貴族のことを「トリキ」と略しはするが、「トリッキー」と略すことはなかった、と気付いた。

by ouraiza | 2025-08-18 17:05 | 工作 | Comments(0)
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