スターターのストップ    せと
12月11日月曜日。
 定休日。ある会社事務所さんへ出張買い取り。前日にお引越しが終わり、椅子とテーブルと本棚と本しか残されておらず、本のサイズを揃えて縛る作業がまるでそのためにあるような場所だったので非常にスムーズに進行。こんな作業場が店にあったらいいのに。2往復を覚悟していたが手伝ってくれたムトさんが本の束テトリスを非常に上手くクリアし、店員ノムも同乗して一度で終わらすことができた。

 ジュンク堂にて友人が勧めてくれてとても気になっていた司馬遼太郎『草原の記』新潮文庫を買う。
 蕎麦焼き鳥雲吉さんにて極軽く今日の慰労打ち上げ。

 深夜、なんとなく再生ボタンを押して映画「すばらしき世界」を観る。去年の1度目よりも面白かった。

12月12日火曜日。
 休み。何気なく再生ボタンを押して「ランボー ラスト・ブラッド」を観る。
 夕方からKさんが主催してくださったふぐを食べる会。以前美味しさに感動した板橋きくひろさんにて。『名画座手帳2024』刊行打ち上げと編集室忘年会を兼ねさせていただく。改めてふぐの肉という淡い存在に驚く。「ブックサンタ」というNPO法人と新刊書店の企画についてお聞きしたり、編集室Iさんの会社のキャラクターをかんがえねばならないという喫緊の課題が挙がったりで楽しい。
 お店に行く途中、板橋駅前の近藤勇墓所・新選組隊士慰霊碑を皆で眺めた。経緯がよくわからずモヤるので、後日軽検索。”板橋駅前にあった「馬捨て場」(現在の供養塔の斜め向かいあたりの区画)で近藤勇は斬首されます。(中略)処刑後、首は京に送られて晒されます。体は、一度最期の地となった馬捨て場に埋葬されます。が、恨みを持つ者に掘り出されるのを警戒し、その夜、現在供養塔が立つあたりに埋葬され直します。近藤勇の甥・勇五郎たちが、3日後に馬捨て場にいた者に金を握らせ、埋葬された場所(現在の供養塔のあたり)を聞き出し、夜闇に紛れて掘り出します。京で負った肩の銃創から、これが近藤勇の遺体だということになり、棺桶に入れて駕籠に乗せます。そして夜を徹して故郷の菩提寺・三鷹の龍源寺まで運び、埋葬しました。板橋でも夜を徹して見張っていたため、掘り出せなかったはずという説もあり、現在近藤勇の体については、板橋説と龍源寺説があります。”(新選組観光ナビ)

12月13日水曜日。
 一日中廃して静養。まんじりとし続けながらYouTube徘徊や読書など。一歩も外へ出ず。
 夜「芋たこなんきん」を観る。
 
12月14日木曜日。
 開店して諸事。
 やっと諸事を終えて夕方前に月曜にお預かりした山脈を車から降ろして査定仕分け作業を始めようと駐車場へ行き、いつも通り車八号のハンドル下に鍵を挿して回したが、八号のエンジンがかからない。俄かに信じがたくなんども試みたが、エンジン起動のとっかかりとなるシュルシュル音もしないし、カッカッカ音もしない。バッテリー消失かと訝ったがラジオやライトの電気系統は作動した。
 悩ましい思いで八号の主治医、内田モーターの内田くんに電話。多分スターターという部位の調子が悪く、鉄の棒などで叩いたら治るかもしれない、とのこと。荷台からゴミ拾い用のトングというのか火バサミというのかを見つけ、再び内田くんの指示を仰いで運転席と助手席のシートのロックを外して倒し、車の下部構造を見るという初体験。内田くんが示してくれた形状のスターターという部品をトングでゴキンゴキンとなんども叩く。
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 昔の電気製品も叩いたら治ることがあったが、八号のエンジンもなんとそのトングゴキンゴキンによって復活。一度切るとまた気絶する可能性があるとのことで、店の横に停めてエンジンをかけたまま店員ノムに手伝ってもらいつつ大急ぎで約100束の本を降ろす。

 スターターのストップで動揺して浮き足立ち、今日のやることリストの4項目のうち達成は0。

12月15日金曜日。
 開店して諸事。
 不忍ブックストリームの準備。体調の悪さで意識を集中して固めようとしても砂のように指の隙間からこぼれて絶不調。なにも思いつかない。
 いろいろ時間が足りないのだがかんがえがまとまらずピタッと静止。静止に焦ってさらに停止。
 運び込んだ山脈は一旦崩し始めるとある程度の時間が必要となり、細かく区切ることができないのでただそこにあるだけ。山脈はただそこにあり、ぼくはただその横にいて口をぱくぱくさせて呼吸しようとしている。

 内田モーターさんへ入院するために内田くんが車八号を引き取りに来てくれた。
 夜、「RRR」のラージャマウリ監督の過去の映画「マッキー」を観始めたが、砂頭に強風が吹きつけて散り散りになりそうで途中で昏倒。

12月16日土曜日。
 開店して諸事。
 不忍ブックストリームの準備をしようと試みるも遅々として進まず。
 お持ち込み買い取りの小山をミックスして仕分け、値段つけ、など。年末だからだろう、お持ち込み買い取りが非常に多く、しかしそれらの商品化にすぐに取り組めないモヤモヤが募る。

 内田くんが車八号の臓器移植に成功し写真を送ってくれた。新しいスターターと25年間(1998年製)がんばったスターター。
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(撮影/内田モーター内田くん)
 夕方、やっと不忍ブックストリームの準備の方向性が定まる。悶々とすることに使う時間が長い。
 浦和にてミヤモトくん主催のムトさんの絵を買ってくれた友人たちとの宴。猫のガジちゃんは悠々としたかわいい雄だった。Yさんがレコードプレイヤーでニール・ヤングを聴かせてくださり、やっぱり素晴らしいと思う。アルバム「Harvest」いいよねーと聴き始め、なんだか新鮮だなーと思いつつA面もB面も聴き終わった時にやっとジャケットへの入れ間違いで別のアルバム「Everybody Knows This Is Nowhere」を聴いていたことに気付く、など。レコード楽しい。

12月17日日曜日。
 開店して諸事。
 不忍ブックストリームの準備。風邪のような風邪ではないような絶妙な心身不調で捗らない。
 お持ち込み買い取りがやはり多く、小山の溜まりが溢れ出す。こぼれ落ちぬよう2、3冊を配架。

 年内最終日までの日程をじっくり調整してみてその余裕の無さが淋しい。毎年恒例の、今ある課題を年内に終わらせねばならないノイローゼに完全に陥っている。
  
 夜、YouTubeライブ放送「不忍ブックストリーム」の本番。ゲストを招かずスタッフが今年印象に残った3冊となにか1点を紹介する年末回。ぼくは『ヴェネツィアの宿』、『出久根達郎の古本屋小説集』、『さざなみ軍記・ジョン万次郎放浪記』、「RRR」。そもそもの読書量の少なさと、じっくり振り返る時間を持てなかったことに悔いを残す。
 ダウンジャケットを着始めたが、冬のように寒い。

by ouraiza | 2023-12-18 01:11 | Comments(0)
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