キラー    せと
11月27日月曜日。
 定休日の無約束営業をせず午後遅めから店で発送、片付けなどの諸事と値段つけ。外周の諸事が多かったのでじっくり番台に座って内周を落ち着けたかった。外国からのお客様が増えているので英語をもっとうまく喋りたいと思い、YouTubeで繰り返し聴いて覚える式英会話フレーズ集を流しっぱなしにしてみる。
 買ったソファーがどうしても家に入らないという友人夫婦を少し手伝いに行く。背もたれ部分を座面から外すことができて関門突破。

 委託商品をお預かりして緊張。慎重に触って進みたい。

 夜、「芋たこなんきん」を観る。

11月28日火曜日。
 休み。夕方まで廃してから久しぶりのYBA(山田ビリヤードアカデミー)。今回から普通の台より少しポケットの狭い厳しめの台に挑戦してみることにする。冒頭から3連勝して浮かれてその後5連敗。結局7対10で負け。いつもより惜しさがあった。びくびく臆していた狭めな台でも大丈夫、とわかったことが大収穫。通算51勝97敗。山田くんとの反省会でまたビールを飲み過ぎ、気付くと家の炬燵で昏倒していて猫たちが夜食をよこせと鳴いている。どこかにネックウォーマーを落としてしまった。

11月29日水曜日。
 非番。早朝午前9時、二日酔いと寝不足でくらくらしながら自転車で古書会館へ。次期役員を決める会議。毎回とてもハードな難局。くじ引きで役にはつかないことになったが、後ろめたい。軽検索「後ろめたい」/語源は諸説あり、「うしろめいたし(後ろ目痛し)」もしくは「うしろべいたし(後ろ辺痛し)」。私は逃げたい反面できる限り協力したいという嫌な奴。
 帰路、昨晩反省会をしたお店に寄ってみたがネックウォーマーは無し。午後遅めから断続的に気絶、休眠。

11月30日木曜日。
 開店して諸事。
 『名画座かんぺ』最新号の表紙作り。図案は昨晩印象が生まれていた。先に印象が生まれているととても楽。木版と消しゴムスタンプのハーモニーをしてみる。
 一昨日どこかに忘れてきたネックウォーマーを探しにビリヤード場ロサに行くと、ばっちり保管管理してくださっていてとてもありがたかった。忘れ物がとても多いとのことで、混乱をきたさぬよう用意されている顧客の忘れ物を管理するための帳面にサインをする。
 
 裁縫を得意とする現在105歳の祖母が以前作った綿入れを送ってもらったのが届き喜んで着てみたが、鏡を見るとまったくもって陽気なお地蔵さんなので着るのをやめようかと悩む。

 お預かりしていた委託商品の商品化を始めるがいろいろな諸事も同時にあって進まず。1冊のみ。
  出来上がったばかりの『名画座かんぺ』最新号を20枚ほど折る。

 夜、1年半くらい前から使っている新しいMACで初めて音楽制作システムのガレージバンドを開いて操作をしてみると、旧版とかなり違っていて戸惑うが、だんだん最低限必要な操作ができるようになってくると、そのできることの多彩さに改めて驚く。マルチトラックレコーダー(MTR)という機械にカセットテープを差し込んでガチャガチャやっていた数十年前が信じられない。

12月1日金曜日。
 開店して諸事。
 お預かりしている委託商品の商品化に集中。完成した商品を飾るための新しい場所を拓くのが楽しい。必要がなければ数年、ややもすると10年以上ピタッと静止した場所が別の用途を持った場所に変わるためには、その必要が必要になるわけであり、必要には挑戦してみなければいけないなと思う。
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 ほとんど冗談で配架していた「1950年ごろの文庫に巻かれていたナチュラルエイジンググラシン紙13枚一括 200円」が売れた。また機会があったら商品化してみよう。
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 店内で流行中のプロ野球カードチップスで、ご近所Sさんが熱望していた「宮崎敏郎」をついにAさんが引き当てた。

 「キラーストリート」の「キラー」とはなんなのかふと英語に詳しい店員ノムに尋ねてみると、「キラーチューンとかキラーコンテンツとか、超いいじゃん!ていうのをザッツキラー!て言う。最高にイカしてる、みたいな」とのことで、勉強になった。悩殺、のようなことだろう。

12月2日土曜日。
 昨晩店のドアの鍵がなぜか曲がっていてまったく鍵穴に挿さらなくなってしまっていたので、ペンチで極力まっすぐに直して試してみると、曲がって使えなくなる以前よりも鍵穴内での回転がスムーズで驚いた。ちょっと鍵の回転に引っ掛かりがあるけどまあ使えるからいいや、ということはよくあるが、そういう時、もしかしたら鍵が僅かに曲がっているのかもしれない。

 開店して諸事。
 ひたすら新しい『名画座かんぺ』を折る。235枚だった。
 無闇に英訳を尋ねていらっしゃるご常連のKさんからの今日の課題は「戦地に送るためにむすめを育てたんじゃない」。「育てる」がわからなかった。ぼくは悩んだ末に「teach」を使って、兵士になるなんて教えていない、風な英訳でお応えしたが、後で軽検索してみると、「raise」や「bring up」などと言うらしい。

12月3日日曜日。
 出張買い取りへ行くのに番の代打を依頼し忘れていて臨時休業。
 10年以上前に1度お邪魔してその文人気質の濃度に驚いた逝去なさったお医者様のお宅で、ご家族が断続的に片付けをなさっている。小説、俳句、版画、絵画、直筆類、茶道、骨董、石、などなど、1ジャンルに固執せず深く伸び伸びと趣味に埋没なさったお姿を想起する。余裕があって知性に奔放で真剣な、今はそういうかたが少ないのでは、と思う文人墨客。「散歩に行くとそのへんの石を拾ってきた」とご家族がエピソードを教えてくださり、まさにそういう感じ、と思う。いろいろと感動。
 万が一の車内の荷崩れで壊したくない額類のみ店に降ろす。

 夜、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を観る。とても面白かった。観終わって想いを巡らしていると、つまりこんな風に印象、解釈の幅が広いという面白さにしみじみしてくる。瞬間的に血なまぐさいドキュメンタリーでありながら、昔々あるところにユダヤ系移民の少年たちがおりました。ヌードルスはファットモー食堂へ少女に会いに、マックスはファットモー食堂にヌードルスを探しに行きました‥‥で始まるおとぎ噺。散文と韻文を行き来するような不思議な大きさ。


by ouraiza | 2023-12-04 23:20 | Comments(0)
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