アルバム    せと
4月17日月曜日。
 昨日の喜怒哀楽の激しい空と違って安定して穏やかな空。湖畔のベンチでぼーっとしたい。
 定休日の無約束営業のため開店してウェブ発注の対応などの諸事。

 企画されている展示会の準備のため、父親が発注を受けて制作、設置した屋外や屋内のモニュメント彫刻を、作品アルバム、個人アルバム、受注ノート2冊、父自身が作った仕事紹介ファイルを駆使しながら設置年月日、場所を特定して年代順にリスト化する作業を午後早くから閉店までずっと。
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4月18日火曜日。
 非番。
 数時間廃テンションでYouTubeを徘徊するなど休んでから夕方、有志4人で集ってグランドシネマサンシャインへS・S・ラージャマウリ監督の映画「RRR」を観に行く。
 歌舞伎でいう「外連味(けれんみ)」には「俗受けをねらったいやらしさ」など悪い意味として使われる一面もあるとのことだが、ひとつのエンターテイメントサービスとしてそれを徹頭徹尾とことんまで貫徹したら、突き抜けた青空のように清々しく、美しく、潔い、巨大な劇になるのだと思った。太くて逞しい一本の矢に全身が射られた感じ。全てのシーンが想像を超えていて、ずばんずばんと魅力的なのは、ひたすらにシンプルに、装填、狙え、撃てをしているだけだからなのかもしれない。などと想いを整理して口にしようとすることも儚い小ささであり、それはただ底抜けに「おもしろい」。
 あーなんて面白いんだろう!という震えを抱えながら硯家さんにて打ち上げ。あの細部はああだったのかこうだったのか、まずは大波にさらわれて恍惚となりながらもさらに気になることが尽きない。 

4月19日水曜日。
 父親の受注仕事をまとめたノート2冊をずっとスキャン。年によって収入の波が非常に激しい。等身大のブロンズ作品1体が売れれば数百万円だが、鋳物屋さんや台座を作る石屋さんに数百万円の経費を支払ってもいる。1冊のスキャンが終わったが2冊めは大きくて店の複合プリンターには収まらず一旦セブンイレブンでコピーをして切り貼りしてスキャン。全部で約100スキャン。
 図録の構成をかんがえる。写真が少し足りていない。「台割」というものを作ろうと試みたが、決定権がぼくにあるわけではなくイメージも固まったとは言い難いのでどうしても細部が曖昧になる。

4月20日木曜日。
 開店して諸事。
 番台上の山を商品化して攻めたり、父親の展示のために資料を少し整理したり、関係各所に電話をしたり、週末に迫ったYouTubeライブ放送の想を少し練ったり、どこにも集中しきれずに方向を定められずしかし時間は過ぎていったトカゲのような日。

 父の展示の図録の細部イメージを伝えるための資料を表紙から固め始める。美術館が遠方なので、必要資料とともに想いや意見を伝えるという段階が必要になり、その点における正確性にも注力するが、自分の古くささや未決定の曖昧さが吊るし上げられる。

 夜、映画「RRR」を劇場で観ることを大推薦してくださっていた手帳編集部朝さんとIさんに大感謝を伝え、なんたる映画なのでしょう、と言いつのる。劇中ダンス「ナートゥ」の、細部の再現は到底無理なので、要所を抑えた動きはどれなのか探ってみる。など。

4月21日金曜日。
 開店して諸事。
 実家のアトリエ内での置き場所を元に番号をつけた父親の作品リストを展示企画に合わせて制作年順に並べ替える。こっちの整理番号とあっちの整理番号が複雑に絡み合いさてどうするか。

 夕方前に店を出て、友人宅での打ち合わせを兼ねた食事会に行く。子供たちのパワーに終始圧倒されながら美味しいお料理をいただきやたらビールを飲む。長男Rくんがコップに液体を注ぐことに執心しており、ぼくのコップに注いでくれたビールを次を注ぎたいがために早く飲め早く飲めと非常に可愛く可憐に勧めるので一気飲み。早速次の一杯を注いでくれてまた天使のようなキュートさで早く飲め、でまた一気飲み。人に飲ますことが仕事の従業員さんならばすぐに世界一の成績を残すだろう。
 なんとなくの打ち合わせも済みヘロヘロの帰路。アスファルトが敷布団に見えてきてそこに吸い込まれそうになるのをムトさんに引っ張られて地上を帰る。

4月22日土曜日。
 開店して諸事。薄い晴れ。
 父の展示企画のための作品リストの並べ替え。コピー&ペーストで結局やっていることは地道な切り貼りで、エクセルの使い方をもっと知っていたら楽なのだろうと思う。

 おとなりのコンビニ内ポストに入らないレターパックプラスがある時に、コンビニ前の路上を監視、張り込みをしてコンビニ内ポストに集荷に来る郵便局の業務車の運転手さんに太いレターパックプラスを手渡しで引き受けていただく任務、ポストカーキャッチに失敗。規定の16時10分の少し前から店内のガラス越しに張り込んでいたがほんの少しの隙に視覚をついて通り過ぎてしまった。

 領収証をご希望のお客様に宛名はどういたしましょうといつも通りお尋ねすると「大丈夫です。」とのことだったので、了解です、大丈夫様ですねと記入する流れを冗句にしてみる。少しウケていただいてよかった。これはふとしたお客様とのやり取りに使える、と思った。「大丈夫」と実際に書いたほうが面白いとは思うが空気による。

 急いで明日に迫ったYouTubeライブ放送「不忍ブックストリームⅡ」内担当コーナー「b-Spo」の準備。脳内の空き地がほとんど泥濘みなので店員ノムに手伝ってもらう。新しめな出版社さんたちの設立年を調べまくるなどしてフリップを作る。2社を並べてどちらの設立年が先か(後かでも同じだが)を当てる競技。閉店後にご近所のSさんがへべれけに寄っていらっしゃりはした(途中で外に出て側溝の穴にマーライオンなさっていた)が立ち寄ってくださったので実験台になっていただく。8問中6問という正解率の高さに驚く。 

4月23日日曜日。
 開店して諸事。

 父親の作品のリスト並べ替え作業を少し。
 ポストカーキャッチ、今日は成功。店内から離れてもいい時の確実な秘技、コンビニ横の柵に座ってじっと待つ作戦。

 b-Spoの準備。新しめな出版社さんの概要を検索して場当たり的付け焼き刃勉強をする。ナナロク社さんは創立者であるお二人がともに1976年生まれで「ナナロク」。夏葉社の島田さんが1975年のお生まれで、ミシマ社社主ミシマさんは1976年。インターネット業界に「76(ナナロク)世代」という言われ方があると数ヶ月前に聞いたばかりで、出版にもあるのかもしれないと思う。

 閉店後、「不忍ブックストリームⅡ」の本番。新潟・北書店佐藤さんのお話が面白くやや缶ビールを飲みすぎて浮き足立つ。「b-Spo」vol.23は主に出版社、時に脱線したジャンルの2件を並べ、設立年代の後先を当てる「HEY! BROTHER!」。やはり正解率が高すぎて非常に焦るが、ぎりぎり延長戦前で決着。よかった。
 
 深夜、持ち帰った店のパソコンを使って家で父親のリストの並べ替えをひとまず終わらせる。

「b-Spo vol.23」は1:16:58くらいからです。



by ouraiza | 2023-04-24 12:45 | Comments(0)
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