16:10    せと
 近所のセブンイレブンを運営なさっている御兄弟はお兄様がバブさんで弟さんがパウさん。「私はいつからそちらの本屋さんで働けるのですか?」「こちらのタバコは温めますか?」。レジで後ろに並ぶ人がいない時、たいていジョークで和ませてくれるのでなにか反撃を期しているのだがいつもその余裕が無くだだあうあうと言いながら商品を受け取る。

2月20日月曜日。
 かなりアルコールで酔っていてすぐに昏倒できそうなのになぜか脳内ギアが噛み合わず、睡魔に襲われつつまぶたが開いたまま固定され続けるねじれた夜が経過する。

 納豆+生卵+白米にマッチする食材を探す納豆バディ選手権。低糖ヨーグルトによる失敗を踏まえて酸っぱいもので参戦。小型キュウリのピクルスを薄めに刻んでたくさん混ぜ合わせる。パリッとした歯ごたえがあり酸味がアクセントになって美味しくはある。しかしまあ、納豆にピクルス入ってるよねー、という真っ直ぐな味であり、想定外の韻律は無い、至極そのままの美味しい調和。アリだが、平行線上のアリ。

 1年に1回が半年に1回になり、ついに3ヶ月に1回くらいの頻度になってきた、風呂場の排水の詰まり。排水管の途中に住むイモリが成長して大きくなってきているのだろう。不死身のイモリを少し奥に追いやってくれるよう毎回お世話になっている水道屋さんへ依頼。

 松本零士さんの訃報。四畳半から宇宙、なんたる創造主だろう。

 午後遅めに定休日の約束の無い営業のため出勤。
 店員ノムがシャッターを開けただけのまだ開店していない店内に、阿武隈書房仙台店のIさんがふわっと立っていらっしゃり驚く。顔ハメ面陳本棚「DOKUDAMI」にハメていただくなどする。お話ししていて、そうか、自分に潜んでいる”手を付けられない商品が溜まっている時に巨大な仕入れに対して消極的になる傾向”は、前店舗店員時代からずっと倉庫が無い状況でのやり繰りを学んできたからかもしれない、と気付いた。その大きくものを動かそうとしない癖が、国民年金も払えない稚拙さにつながっているのかもしれない。「ミステリと言う勿れ」におけるトトノウさんのようなかっこいいIさんに、医療技術が進化して可能になったらぼくと頭皮を交換してね、と得意の戯言を伝えると、その前に自前で生えてくる薬できるでしょ、とのことで、まったくだと思った。祈り。

 先日入荷、配架した松本零士さんの短編漫画集2冊を前線に移動して飾ると、ふ、とお客様がご購入くださった。

 長期保留物の商品化。「これはとても状態のいい『詩集おかあさん』です」ツイート付き『詩集おかあさん』など。ぼくの保留物商品化は3分の1ほどしか終わらなかったが、番台上中山を担当した店員ノムによって値段つけが一段落、本棚の一部を隠していた次の商品化予定の中山を番台上に載せることができた。

 夜、再度観たかったデヴィッド・リンチ監督「ストレイト・ストーリー」を観る。ツイン・ピークスを経験した後なので、あ、この人ガソリンスタンドのエドだ!などとなる。それにしても脇役のハリー・ディーン・スタントンを最近しょっちゅう観ている気がする。

 読んだことのなかった小林まこと『I am マッコイ』を読み始める。

2月21日火曜日。
 風呂排水管のイモリは体が大きくなっているのと同時に動きも活発のようでまた排水をせき止めてしまい、再び水道屋さんへ連絡。イモリへの金縛りの術を念入りにかけてもらい、しばらくは大丈夫だろうと思われる水流を得る。

 休み。ぐずぐずと地下を書く。キーボードを叩きながら「タモリのオールナイトニッポン」をラジコで聴こうとするもちゃんと集中して聴きたい、と思いやめる。
 夕方、切れてしまった車の左側ヘッドライトを修理してもらいにガソリンスタンドへ行かねば、と焦るが廃テンションに溺れてコタツを出れず。結局徒歩の買い物途中にガソリンスタンドに寄って尋ね、他に洗車などやることがなくて時間の余裕があれば修理可能、という情報を得る。

 夜、デヴィッド・リンチ「ストレイト・ストーリー」を途中からもう一度観る。ハートウォーミングなのにやはりデヴィッド・リンチのシュールが素敵。
 漫画『チ。−地球の運動について−』(魚豊 小学館)を少し読み始める。

 深夜、なぜか店員TTのお父様がぼくのツイートにTTへの連絡事項を返信ツイートしてくださり、楽しくて普通に返信する。お父様は、往来座というアカウントの中の人をTTだと思っていらっしゃるのかもしれない。もしくは別のSNSとの勘違い。新潟は雪が積もり、犬のイオンちゃんとあきちゃんの散歩ができないこと、TTご実家の法事の日程、など。

2月22日水曜日。
 休み。Tverにてバラエティ番組回収。アメトーークがTver化されてとても嬉しい。

 夕方、ガソリンスタンドにてヘッドライトの修理をお願いするも、洗車が立て込んでいて開始までに1時間以上要する、とのことで諦め、そのままいつもお世話になっている内田モーターさんへ向かう。年に1度の車検。同行のムトさんの常時混んでいる川越街道忌避の発想によって目白通りで所沢方面へ向かう。ところが目白通りもまあまあの渋滞。道はタイミング次第で難しい。
 車をお預けしてその近所、内田くんのお父様行きつけのカラオケスナック美美さんのとなりのやきとん屋さんにて、内田くんと少し遅れた新年会。チャンジャクリームチーズなど。楽しくて美味しい。内田くんはぼくと身長が変わらないのに体重が約10キロ少ない60キロ。とてもうらやましい。畑での野菜作り、夜ラグビー、週3日の5キロランニング、ドラマ「坂の上の雲」、フラクトオリゴ糖による花粉症対策、など。17年前、2006年5月に内田くんが結婚式に呼んでくれた場所の地名を思い出せずにいたのだが、ベトナムのフーイエン省フードンというところだと教わることができた。

 深夜「タモリのオールナイトニッポン」をラジコのタイムフリーにて半分ほど聴く。

2月23日木曜日。
 納豆バディ選手権。先日古書ほうろうさんでミカコさんから納豆に合うよ、と教えていただき購入した「パレスチナ・オリーブ ハーブミックスZA'ATAR(ザアタル)」を多めに振りかける。香草ではあるが刺激が強くない、優しくまろやかな風味。洋風の山椒というか。とても美味しい(かなり上位だが、手近で入手可能な食材を旨とする納豆バディ選手権としては番外編)。シソ、ミョウガなど薬味系の新ライン。

 開店して諸事。昨日までに店員TTが準備をしてくれていた番台上中山を切り崩そう、と計画していたが、すぐに商品化できそうな小山のお持ち込み買い取りが2件あり、そちらをミックスして先に処理。

 どうもふわふわして大事なことを放置していそうで心配になり、抱えている課題を手帳に羅列する。8個ある。8はラッキーナンバーなので少し嬉しい。そうか、頭によだれを垂らしたラクダが棲む春か。

 何かを工作したい。しかしなんとなく起動装置に点火できない。ぼおっと過ごす。
 漫画「チ。」を少し読み進める。

2月24日金曜日。
 開店して諸事。
 番台上中山2つのうち1つの値段つけをじっと。約30分に1回くらいタバコを吸いたくなるのを抑えて1時間に1回にする。昨日手帳に書き出した抱えている課題の8個をふわっと無視する。店のシンプルなオートメーションの進行が楽しい。

 店員ノムが来月から始める予定の短文の連載について想を練るなど。
 
ノム「あたし清水宏監督の映画、なんでかどうしても寝ちゃうのよ」
編集部朝さん「ああ、、、なるほど、じゃ、スィミンズ宏、ですね。なぜか東北弁ぽくなったりして‥‥」
 という会話があったらしい。 

2月25日土曜日。
 急いで開店作業。フルデイ番。諸事をしながらABEMAにて野球日本代表壮行試合、対ソフトバンク戦を観る。
 
 レターパックプラスがポストに入らない厚さで、郵便局が開いていない祝日や週末、または一人番で長く外に出られない場合、となりのローソン100さんのポストに集荷にいらっしゃる郵便局カーさんを待って、ドライバーさんに直接お渡しするポストカーキャッチという業務が発生する。ローソン100さんのポストに貼られた時刻表によると午後の部は16時10分のみ。16時5分にカード決済用アイパッドのアラームを仕込んで置き、ベル音が鳴ってから以降、赤、もしくは白い郵便局さんのバンがおとなりの前の明治通り路上に停車なさるのを、外にちょっと出たり、店内からガラス越しに覗いたりしながら待つ。時刻表に書かれた16時10分というのはあくまでもその時間までなら投函が集荷に間に合いますよ、という目安であって、それ以前にいらっしゃることは無く、しかし交通事情や集荷員さんのお仕事量によっては、16時10分以後のいつになるか、予測はできない。今日はかなりダイヤが乱れているようで、16時35分くらいまで、店の内外を行ったり来たりしながらカーを待たせてもらっていたが、一瞬の油断というか、気の緩みというか、番台上の小さな作業を2分ほどかけて行い、さて、とその日6度目くらいの外への確認に行くと、郵便局の白いバンのドライバーさんがちょうどローソン100さんの店前路上を離れるために最初のアクセルをお踏みになった時で、バンの後ろ姿がするすると遠ざかり小さくなっていった。

 母親が急に店に来るというので、BGMをドカドカしたビースティボーイズから教会ミサ合唱曲に変えておいたらなんだか落ち着いてとてもよかった。
 番台上中山の値段つけに飽き、気になっている工作物の図面を途中まで作る。
 閉店前にいらっしゃったお客様が熱心に棚をご覧になり、店で用意している3つ全ての脚立にお登りになっていてなんだか可笑しかった。

 閉店後ムトさんとなんとなく漫然と片付けを始めようとしていたらご連絡をいただき、友部正人さんご夫妻が遊びに来てくださった。うどんの硯家さんにて宴。今日は寝不足のせいなのか意識の揺れから醒め切らずぼんやりした一日だったが、急にはっきり色が着いた。帰路駅まで歩く際、友部さんのギターケースを右手に提げさせていただく。友部さんの歌を追いかけて聴いていた頃の自分に尋ねたい。キミこれはなんたることだろう。右手で感じている重さをどう言ったらいいだろう。
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 深夜、小さな動画を作る。ささっと手間がかからない傾向があってもいいのではないか。「台所でたまに発生する永遠(かもしれない)運動。」

2月26日日曜日。
 開店して諸事。番台上中山の値段つけの続き。ウェブ入力の必要が無いすぐに配架できるものを配架。
 複数の中山の切り崩し、今週の本来の目標までには4分の1を残して至らず。どうにも自分の作業の遅さが痛い。

 夕方から『名画座かんぺ』最新号の表紙作り。リノリウム板が切れてしまっておりシナベニヤにて。久しぶりの木版だったが、墨汁の乗りの良さ、刷りの綺麗さに驚いた。紙も変えたのでそのせいもあるのかもしれない。素材混成の波がきていて今月は紐と。予想以上によくできて紐または布シリーズはまだいけると思う。




by ouraiza | 2023-02-27 17:51 | Comments(0)
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