76世代    せと
10月24日月曜日。 
 定休日。昼前に市場へ行き、ふんわり依頼されている商品を探して入札。市場は習慣化しないと感覚がズレて落札することができないが、とりあえず闇雲な一手を。一点だけ落札できた。他、店用にとても扱いたいと思った一点に恐る恐る本気で唸って入札したが当然つるっと負け。

 すぐに店に戻って今月初めに目測を誤って車に積みきれなかった出張買い取り先にて最終作業。故人の思い出話からそのかたの大きさが垣間見え胸に迫る。船長に扮した肖像写真の前に、氷河に浮かぶ氷山に模して銀色のマジックで塗りたくった、しかし面倒でサボったのだろう裏側まではマジックが至っていない、大きめな石が飾ってあった。

 お預かりした荷物を店に降ろし、夜、東京にいらっしゃった仙台のブックカフェ火星の庭・前野さんを店の入り口前に即席テラスを設えてお迎えする。嬉しい画像。
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 東口焼鳥亭まさ樹さんにて小さな宴。若き前野さんの心身クルクル牙ギラギラエピソードを編年体でお聞きするなど、貴重で楽しい。「あたしほんっとにクルクルしてたのよ」。ドイツで一夫多妻のモロッコ人と結婚したことがある、など。前野さんの行き暮れが語られた本もあるが、表には書ききれない部分をお聞きし、その豊かな世界がまぶしい。お聞きしながらメモを書き込んだ手帳には「国際TEL 1hour 6万円」「秀英レジデンス903」「いいよ殺して」、などが残った。

 ふと前野さんが、せとさんてナナロクセダイでしょーと仰ったので、そのような枠の言われ方がついにできたのか、と嬉しい。1975年生まれなのでまあ76世代。主にネット業界の起業家たちのことを言うらしいのだが、少年時代にバブル崩壊、大学入学の頃にインターネット興隆、卒業時に超就職難、経済低迷期とともにあるなにもいいことがない世代、という意味合いもある様子。なんだか嬉しい。

10月25日火曜日。
 午後早めから極ご近所様への継続的出張買い取り。前回分のお支払いを済ます。特殊なご蔵書なので初めてその現場での市場商品化をするシステムを試みているが、買い取り価格を決断してお伝えするという一番の苦行をしなくていいので気分は楽。予想以上に二日酔いでぼーっとするのを自戒しながら整理、しばり。手伝ってくださっているUさんが学生だった1980年代にぼくの実家のある街にお住まいだったお話、など。約3本口を7点作ることができた。

 夜、「鎌倉殿の13人」を観る。
 
10月26日水曜日。
 休み。午後店にて準備をし、今週末に迫ったYouTubeライブ放送「不忍ブックストリームⅡ」内担当コーナー「b-Spo」にご協力くださるXさん(驚き要素があるのでイニシャルはぼかしにて)にお会いしにZ駅へ。お約束の時間より早く行き初めて訪れる街を少し散歩してみる。駅ビルの最上階からきれいに富士山が見えて驚く。学習塾がとてもたくさんありコンビニがほとんどない。Xさんはとても奇妙なお願いにナチュラルにお応えくださり、プロジェクトがうまくいくか不安だったのでとてもありがたく嬉しく、帰路、呼吸がいい意味で乱れる。b-Spoは傑作回になりそうでとても楽しみ。

 夜、「鎌13」を観る。

10月27日木曜日。
 開店して諸事。
 午後、YouTubeライブ「不忍ブックストリームⅡ」が主宰南陀楼綾繁さんののっぴきならないご事情のため延期、とのお知らせをいただく。昨日ご協力いただいたXさんにもその旨をご連絡。
 備品を所定の位置に片付けたりなんとなくパソコンモニターを眺めたりするうちにいつの間にか外が暗くなり、仕事のしていなさにびっくりする。少し市場の準備をし、一昨日お預かりした荷物と合わせて市場に出品へ。
 店に戻りamazon用の『名画座手帳2023』の画像作り。今年仕様が変更されていたamazonの「e託サービス」、例えば商品詳細の一部修正を実行すると、去年までは長くても半日で反映されていたが、今年は3日かかる。
 文庫小山に値段つけ、など。

 閉店後の帳場での小宴中、ご近所のSさんが番台上のお茶のペットボトルがバランスを崩したのをご覧になり慌てて支え、「あ、今なんかびっくりして腰が熱い!なんだろう腰が熱い!」と仰っていた。腰が熱い、未体験の感覚で興味深い。

 夜「鎌13」を観る。日本史を習うことに苦手意識が強く反省しながらも知らない単語が多く、新たに認識することがとても面白い。「遠江」(とおとうみ・遠州、今の静岡県、近江より京都から遠い)、御館(みたち、おやかた、奥州藤原のえらい人)、平相国(へいしょうこく、平清盛の通称)など。小栗旬さん、北条義時が「おなごは皆きのこが好きだと思っておりました。」と言っていて可笑しい。 

10月28日金曜日。
 早起きをして毎年恒例、区の健康診断へ。腹八分目作戦を実行中なので体重は去年から7キロ減、あと0.8キロで当面の目標の60キロ台なのでこの鉄製の洋服の分を引いて公式記録としてください、と看護師さんに頼んだが無理だった。問診時、鶉病医院のイケメンO先生が、ダイエットの秘訣ってなに?とお尋ねくださったが、しどろもどろで当たり前のことしか応えられずしばらく落ち込む。つまるところ暴食NG暴飲OK、スライスチーズを7枚重ねて白目を剥いてむさぼり喰うようなことをやめること。
 受診の順番までしばらくかかったので医院の目の前の鬼子母神境内で待とうと立ち入り忽然と建っている赤いテントに気付き、唐十郎さんの紅テント公演の復活を知る。手創り市さんなど、周辺の催しが旧に復しつつあり嬉しい。
 身構えていた健康診断から解放されてなにか特別ボーナスな食事を、と思ったがまったくアイデアが不毛、いつもの浮浪雲さんでいつものラーメンに、いつもは頼まないおにぎりを一個付属して食べた。
 
 お預かりしていた映画演劇関連大山を査定。

 手帳編集部朝さんのコートがかっこよく、燕尾服っぽいところも素敵、と話していたら「ええ、エンビフライです。」と朝さんはおっしゃっていた。
 夜、ビリヤードの練習。調子が悪くなく不思議。ある程度の諦めによる開き直りというのは必要なのかもしれない。

10月29日土曜日。
 開店して諸事。店員ノムが出勤するなり「はーあー死にたい。今日はそういうモードなんでよろしく。コーヒー奢って」と言う。
 ここ数日外周を巡るような業務が多めだったのでじれったく、番台上の大山にひたすら値段つけ。単刀直入な登山が気持ちいい。

 閉店後、今週末の放送が延期になった「b-Spo」の試験プレイを少し。とても面白い。

 夜、「鎌13」を観る。

10月30日日曜日。
 開店して諸事。出勤した店員ノムが「今日はそれほど死にたいモードではない」と言う。
 昨日からの続きの大山への値段つけをずっと。やはり週に一度くらいは集中した大山へのトライ、値段つけの時間を持ちたい。

 夜、ご近所のSさんとヤクルトが五分に持ち込むかこのままオリックスが日本一か、という日本シリーズを観戦。待望なさっていた古書展が終わり、今日もし日本シリーズが終われば「もうオレの秋は終わっちゃうんだよ‥‥」とSさんは寂しそう。9回裏、オリックスの守護神ワゲスパックがビシッと締めオリックスが日本一。さようなら、Sさんの秋。

 「鎌13」を観る。

by ouraiza | 2022-10-31 18:08 | Comments(0)
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