セイタ    せと
 「背板」についてずっと気になっている。背板は本棚の背中に貼ってある板。枠組みだけでは左右の揺れで歪みやすい本棚の全体の固定具ともなる、本棚の面積とほぼ同じ面積を必要とする板。その本棚を設置する場所の背後が壁だったらその壁が代用となり一見必要が無いないのではないか、と思われる板。主にツイッター上で本屋さんの新規開店情報が流れ、本棚は自作、と画像付きで紹介されたとき、その本棚に背板が無いことが多い。背板をつけるには背板用の木材の分どうしても少し経費が増える。少しでも経費を抑えたければ一見不必要に思える背板は除外の対象になって当然。そして本棚の構造強化のためには背板をつける以外の方法(いわゆるカスガイ的な金具)もあって経費も背板よりかからないのでそれを選ぶことも当然だと思う。しかし、しかし実は、この仮定が大事なのだが【もしその本棚に長く逗留し続ける本があるのなら(そしてぼくはそういう本は必ず存在し、個人的に回転の早い本棚作りを学んでいないので本屋の本は同じ場所に長く在るという意識を払拭できない)】、極少し、5ミリに満たない隙間からでも汚れの元凶、ホコリと紫外線なのかそういう空気は侵入してきて本の前小口を襲う。出張買い取りの経験や、意図して背板をつけなかった本棚を使用した経験から、背板の無い本棚に長く入っていた本と背板の有る本棚に長く入っていた本の差は歴然とある、と確信している。本棚の強度の問題ではなく、本の保存機能の問題として、長期計画下の本棚であれば必ず背板が必要になる。しかしこれはあくまでも全ての本棚に対する感想ではなく、入れ替えを多くする場合だったり回転の早い棚、長期ではない催事の棚にはあてはまらない。そしてもしかしたら、掃除をとても丁寧に頻繁にしていたら大丈夫なのかもしれない。

10月3日月曜日。
 定休日の隠密営業はせず休み。休養のためあえて廃テンションで寝続ける。早起き夜更かしが続いているので、無理をした時のマイ三大疾病である扁桃腺炎、親知らず化膿、痔の勃発を抑えたい。
 断続的な目覚めの間に六田登『F』を読み終える。赤木軍馬と大石タモツ、なんたるコンビでしょう。

 夕方、ついに『名画座手帳2023』が校了を迎える。編集部Aさんからよくお聞きすることは、たとえ校了になっても編集員としての心配は全く無くなることはない、ということ。

 それにしても新型ウイルス禍到来後、マスクとうがいが常習化したからだろうか、2020年春から風邪を一度もひいていない。
 
10月4日火曜日。
 午後店に集合して隣区の店員ノムのお知り合いのお宅に出張買い取り集荷へお伺いする。事前に量の予想をノムから聞いていたが、本以外にレコードVHSDVD雑貨類などがたくさんそうだあれも式に発掘され、よくあることだが想定の量を超えることになり車に積みきれず次回のお約束をする。船乗りが持ってきて買ってくれというのを買った狼やトドやバイソンかと思われる毛皮などなど、とても楽しい。

 夜、買い物ついでの散歩の途中雑司が谷公園のベンチで池袋ビル遠景見物をしていたら、犬のリボンちゃんと園内を散歩なさっていた手帳編集部Iさんが通り掛かられた。トイプードルは毛が抜けない、という衝撃の事実を教わる。なのでどうしても美容院でのカットが必要になるとのこと。

 深夜、2週間ほど前から切れ切れに少しずつ観ていた映画『凪待ち』を観終える。人にはそれがいわゆるヘラヘラや空虚な薄笑いに見えたとしても笑いや明るさへのどうしようもない希求があるのではないか、という過剰なハードボイルドについての疑義が生じつつも、面白かった。先月旅行したばかりの石巻が舞台だが、風土観光的要素は主眼ではない。

10月5日水曜日。
 休み。養生のため廃テンションで寝る。少し地下を書きYouTube徘徊など。ただ呆然とし続けたい。
 夜、いつか出張買い取りの際、古い御宅のお客様からいただいた「栗の皮むき クリット」を初めて使って栗を食べてみる。コツを掴めず、半分に切ってスプーンですくう式にすぐ戻す。
セイタ    せと_f0035084_14293041.jpeg
 映画「たそがれ清兵衛」を観る。

10月6日木曜日。
 開店して諸事。雨。
 強めな雨の中、先日お預かりした大山を車から降ろし、空いたところへ先週お預かりした市場への出品物を乗せるミッション。一度やってみたかった、ドア前の梁と開けた車のバックドアをビニールシートで繋ぐ作戦を実行してみる。ガムテープで梁にビニールシートの端を貼り、そこから前方に突き出ているバックドアへ伸ばしてクリップで留める。風のある日は無理だろうが、今日の即席天井はとてもうまくいき感動。

 市場へ出品に行く。ドS書房Aさんとお会いしたがどうも最近とても優しい。古本業について教わることがたくさんある。
 店に戻り入荷した毛皮で少し遊ぶなど。コートやマフラーなどに加工されていないそのままの毛皮を「原皮(げんぴ)」と呼ぶらしい。

 体調を気にして2本までにしていた缶ビールを3本飲んでしまう。
 『名画座手帳2023』のプレスリリースを過去資料を改訂して作り始める。

10月7日金曜日。
 開店して諸事。
 去年遅れてしまった『名画座手帳』に関する広報や専用レジ整理や営業的な事務作業を進める。プレスリリースの無料配信サイトに登録してみたり。各販売店様用の注文書を作る、など。

 夕方少し体調が悪くひどくなる前に、と鶉山医院へ。自主診断して危惧していた結果とまったく違って驚きつつ安心。痔の最初期段階かもしれないと思っていたが、先生は「にきびです。」と言った。

 念のため缶ビールは1本だけにして堪える。

10月8日土曜日。
 開店して諸事。
 溜まった小山をミックスして仕分け、値段つけ。

 連絡事項をもろもろ。パ・リーグのクライマックスシリーズ、ホークス対ライオンズのネット配信を観始めると森友哉選手がちょうどホームランを打ったのだが西武ライオンズは負け。

 車で出て東池袋ダイハルさんに売っていなかったスズランヒモを池袋西口公徳堂さんで購入。
 手帳を睨んで日程の整理。長期停滞してしまっている3件が懸念。「約束」は人を縛る、しかし、ということをここ数ヶ月よくかんがえる。

 夜、印刷会社のDさんが刷り上がったばかりの『名画座手帳2023』の本体サンプルを持ってきてくださった。新味と古味のドッキング。2点、むむむな箇所があるが、全体のまとまりがそれを凌駕するのでむむむは放擲。

 閉店後しばらく手帳に関する事務作業。
 
10月9日日曜日。
 開店して諸事。暖かい好天、と予報で言われていたが肌寒い曇り。
 2、3のお持ち込み買い取りをなるべく溜めぬようその都度処理していく。岩波文庫やDVDなど。
 パ・リーグクライマックスシリーズ、ホークス対ライオンズを少し観るが、けっこうな大差でライオンズが負けており観るのを止めて番台上の諸事に集中。

 先月、石巻のKさんと、来週15日土曜日に開催予定の「石巻一箱古本まつり」の会場に当店専属照る照るロボ・ハーリーをお送りする約束をしており悩む。その3日後の18日火曜日の『名画座手帳2023』発売日に祈願出動せねばならず、急いで送り返していただくのも気が引け、さらにやはりハーリー本体には専属の従者が必要、という教義もありその任を押し付けてしまうことにもなり、過去最深に念を込めたお札を作ってお送りすることにする。とにかく猛烈に晴れよ晴れよと念じながら作る。
セイタ    せと_f0035084_14300362.jpeg

by ouraiza | 2022-10-10 21:19 | Comments(0)
<< 包    せと たかしに悪者無し。    せと >>