風向き    せと <名画座かんぺ映画大賞2020はこのひとつ前の記事です>
2月1日月曜日。
 休日。午後から散歩。東京芸術劇場へ、展示「池袋への道——近世の歴史資料、池袋モンパルナス、森山大道」を観にゆく。第2会場の勤労福祉会館は休館日なので行けなかった。高山良策の抽象画がとてもよかった。森山大道さんが池袋で撮影した作品群も見応えがあって楽しい。「池袋愛すべし、池袋あなどり難し」という感覚は、池袋で商売をする上でとても持ちたいものなのだが、時を経るに従って、自分には難しいことになってきている。しかし展示をみているうちに、またふつふつと歴史的興味の熱が沸いてきた。図録を買う。
 帰路、以前からやりたかった、倉田精二写真集『ジャパン』(1998 新潮社)に掲載されている雪の日のサンシャイン60ビルの撮影現場を探してその今を見る、を決行。同行のムトさんが撮影。写真集のサンシャインは1980年。その41年後。
風向き    せと <名画座かんぺ映画大賞2020はこのひとつ前の記事です>_f0035084_20293387.jpeg
風向き    せと <名画座かんぺ映画大賞2020はこのひとつ前の記事です>_f0035084_20294935.jpeg
 散歩の途中、先週末に市場に出品して心配だった洋書の大山が落札されているのをスマホで確認。嬉しい。

 夜、「泣くな、はらちゃん」最終回を観る。特典映像もあり、撮影現場がとても楽しそう。長瀬くんにハグされたい。

 深夜、雑司ヶ谷霊園探索熱が高まりぐずぐずとネット検索を続ける。

2月2日火曜日。
 休日。午後中地下を書く。
 夕方実家にてゴミ出し、郵便物チェックなど軽作業。
 夜、次回不忍ブックストリームの流れをかんがえる。いかにもスムーズにいかなそうで楽しみ。

 深夜から朝方まで、このブログで作り途中なので非公開にしている、様々なリストを統一して五十音順に並べ替える、雑司ヶ谷霊園に眠る人々リストの人名全てにウィキペディアやコトバンクのリンクを貼る作業。

2月3日水曜日。
 起床してYOUTUBEチェック。江頭2:50さんのエガちゃんねるが1周年記念の動画、その本編も面白かったのだが、翌日にサブチャンネル「替えのパンツ」に投稿された360度VRの動画(地上3800mからのスカイダイビング映像)にとてもびっくりした。なんと、カメラの角度を視聴者がリモコンを使って全方向に操作できるのだ。すごい。ただ、視聴環境を選ぶようで、ユーチューブアプリからの視聴が必要のよう。

 午後、雑司ヶ谷霊園を1周、1.4kmのジョギング。
 出勤途中霊園に寄って、夭折の歌手某、東京音楽大学創始者鈴木米次郎、キリスト教牧師蔦田二雄・公義、の墓所を確認する。

 午後遅めから店にて諸事。浮浪雲さんにて二代目中華そば。

 夜、コンビ米粒写経の居島一平さんが先月店内でYOUTUBEの生放送内で使われる1コーナーを撮影なさったのだが、その放送を生から少し遅れて観させていただく。とても楽しく紹介してくださっていて嬉しい。他の回も観ると、なんたる博覧強記、お二人とも重度な本好きで紹介なさっている本がまさに古本屋の棚から出てきたものばかりなような渋さと面白さで驚く。ああ、『名画座手帳2021』を撮影時にご紹介しておけばよかった、、、と悔やむ。

米粒写経 談話室 2021.02.03 内「居島一平 古書探訪」34:36ぐらい〜


 深夜、ネットの無い時代に作られたTさんの雑司ヶ谷霊園掃苔リストのすごさをつくづく想う。一覧から気になる名前を検索し続ける。
 例えば発明家大野正(1-1-9)。ベアリング、シャッターを開発したらしい。押川春浪の父、押川方義(1-20-3春浪と同)はキリスト教牧師で東北学院創立者の一人。佐藤市松(1-1-2)という人が「白瀬南極探検隊の舵取り」とあったので白瀬南極探検隊を検索すると、「南極後援会」の幹事として押川方義の名前があった。その会の会長が大隈重信。NHK大河ドラマ「いだてん」では、大隈重信(平泉成)と押川春浪(武井壮)が同じ画面にいた。しかしその間には押川方義という存在もあったのだな、とかとか。

2月4日木曜日。
 開店してメール対応など諸事。
 開店中通気のためにドアを開けているので、毎日の掃き掃除の収穫が以前より多くなっている。ノムと番交替後、気掛かりを確認しに雑司ヶ谷霊園へ。「安徳烈之墓」(漱石『こころ』では安「得」烈)、鈴木美遠子の墓所には夫鈴木真一(初期写真家)の名がなく、秦敏之(明治期にシンガーミシン輸入)の墓所には妻利舞子の名が無かった。泉鏡花の墓石のサイドに弟斜汀の名があった。

 東急ハンズにて前回工作の改造をするための木材を買って店に戻る。

2月5日金曜日。
 午前中、とある取材の野次馬兼お手伝いとして雑司ヶ谷霊園を歩く。霊園探求の大先達の方が霊園を歩く(大通りではない小径を自在に蛇行、とてもスピーディ)お姿を拝見、お話しを伺うことができ、感動する。刺青コレクター福士政一さんのこととその墓所。霊園散策は冬がベスト。以前は霊園の塀が透けていなかったので怖かったこと。今も少しづつリストを更新なさっていることなど、とても面白くお聞きする。初めて見た押川方義、春浪の墓所に「春浪天狗碑」という碑が建っていて、とてもかっこよかった。ああ!天狗倶楽部だ!と思った。
 しかしぼくの雑司ヶ谷霊園熱はとても気まぐれで、台風のように暴風が吹いたり吹かなかったりを繰り返すので恥ずかしい。

 浮浪雲さんにていつも楽しみな期間限定メニュー、あさりラーメン。おいしい。
 霊園のことで脳がプルプルしているので早めに帰って目を瞑る。

 夜、ジョニー・トー監督「デッドエンド 暗戦リターンズ」を観る。観るべき美しい空振りというものはあると思う。空振り三振だけどあの選手のスイングが観れただけでよかった、というような。もしくは、マイクのスイッチを入れ忘れた美しい歌、のような。

2月6日土曜日。
 ネットでの販売に力を込めだし、特に新型ウイルスによる自粛期間を経過してから、普段実際に店に来てくださっている、お名前までは存じ上げない数々のお客様が、ネット通販でもお買い上げくださっていることがある、ということに気付き始めている。なんとありがたいこと。気を引き締めねば。(と心してすぐに在庫無し案件などが起こる八百万の神の差配が必定ぴえん。)

 なるべく新入荷の保留に回しそうなものから商品化。あるカリスマ的人気作家の署名本(最初ぼくはその本に特価で200円と指示をつけていたが、商品化作業をしていたTTが見返しに署名を見つけてくれた。)を安くないはずの価格でネット登録したらすぐに発注をいただいてとても驚いた。しかし経験上、安過ぎたのか、という危惧はまったく意味がなく、安くても高くても、そういう風が吹いていたら売れるものは売れる、と思う。

 深夜、一人で空回り寸劇。
 ある応援している知人のチームのお一人Bさんが、毛髪に関するお悩みをツイートなさっているのを、トイレに座ってツイッターアプリを立ち上げた一瞬に、見た。
 なんだか心配、ああ少しでも労いたい、とおせっかいで自分勝手な感興が急にズキュンと立ち上がり、そのチームで一番近しいAさんに、チーム内のことだから周知済みのこと、と早合点して、「毛髪大丈夫?心配。」(大意)とBさんのツイートの件という説明を抜いてショートメール。するとAさんからの返事は「え、私の毛髪問題ならだいたい治ったよ、まだ心配はあるけど」(大意)というもの。あ、しまった、ぼくの早合点からAさんに要らぬ告白をさせてしまった!と焦り、元になったBさんのツイートを探したが、Bさんはそのツイートを削除なさっている(ぼくも頻繁に自分のツイートを削除する)ので、Aさんにこの行き違いを説明するのが難しい。あはは、と笑ってごまかす。
 その夜は、そういう風が吹いていた。

2月7日日曜日。
 開店して急いで発送などの諸事。

 東急ハンズにて、靴用の「KIWI」のワックスというものを探して購入。他に床用のリンレイのワックスも。
 実家にて、もうすぐ寄贈の搬入日が迫っている父のブロンズ作品を母と兄とワックスで磨く。以前長期間長野県の屋外に展示されていたものなので、緑青が多く出ていて変色が激しく、このままの状態で新しく建設されたばかりの施設に設置されていいものだろうか、と非常に危惧していた件。
 うまくいくのか心配だったが、「KIWI」のワックスがとても素晴らしく、浮いて乾いた緑青がしっとりと像の表面になじんでいき、全体にピカピカと派手ではないがじわっといい感じの艶が出て、まるで最初からこんな緑青がちょっと多めの加工がされていたのでは、という表面ができあがった。よかった。
 安心して家族で食事。父にいただいたお香典を使ってド派手に焼肉行こうゼ、と誘ったが、慎重派の兄にたしなめられる。まったくだと思う。

 夜、ジョニー・トー監督「アンディ・ラウの麻雀大将」を観る。ジョニー・トー監督にはたくさん枝があってたくさん実(その実の美味しさは別問題で)が成っていることが、聞いてはいたがわかってきた。
 Tverにて「俺の家の話」第3話を観る。ドラマ内で台詞を喋る登場人物が必要な場所ではしっかりマスクをしている。マスク越しの役者の演技、台詞を、普通なこととして観ている。
風向き    せと <名画座かんぺ映画大賞2020はこのひとつ前の記事です>_f0035084_20301875.jpeg

by ouraiza | 2021-02-09 20:32 | Comments(0)
<< B    せと 輝け!名画座かんぺ映画大賞2020  >>