4月22日月曜日。
昼から龜鳴屋さんにて本作りのお手伝いの続き。
龜鳴屋勝井さんに連れて行っていただいたうどん屋、大黒屋さんで食べた「カレー鍋うどん」でぼくの短くて浅いカレーうどん史が一気に塗り変わった。うどんの上にカレーが載っているのではない。うどんがビーフカレーの中を泳いでいるのだ。鍋仕立てだったので、内側の壁に熱されてへばりつく焦げを箸でこそげ落として口へ運ぶ愉しみも味わえた。普段まったくカレーうどんを食べないので、金沢市長土塀のうどん亭大黒屋にしかカレーうどんというものは存在しないのではないか、と思う。
金沢の地名の由来になったとされる「金城霊沢」を見て、オヨヨさんを通りの向かいから眺め、金沢文舗閣さんで紙モノにクラクラし、駅ビルの中にある居酒屋黒百合でおでんを食べて帰る。
用水路ぐらいの規模でいいから、池袋に水が流れていればいいのにな、と金沢を羨ましく思う。
4月23日火曜日。
金沢のことを思い出しつつまったりと番。旅行前、病院で寝たきりの父親が懐かしそうに、金沢では大雪対策のために水が噴き出る装置が道路の真ん中についているのだ、と言っていたそれを確認できたのもよかった。
夜、ハッチ橋本倫史さんがゲスト出演した「マツコの知らない世界」と観逃していた「いだてん」を観る。ハッチを観て、落ち着いてものを喋ることができるということはなんと素晴らしいことか、と思った。
4月24日水曜日。
夕方、ポポタムさんで『銭湯断片日記』刊行記念トークショーを催すムトさんの会場設営をほんのり手伝う。額縁を運んで釘を抜く、など。
4月25日木曜日。
午後、古書ほうろうさんがツイートなさっている画像を見る。移転のためのお片付けが完了しがらんと何も無い店内。すごいことだ。物体はなんとかすればなんとか動かすことが出来る。しかし壁や床や天井、空間に染み付いた想念の汁のようなものを剥がすのは、どんな頑健な重機をもってしても、難しいことだと思う。いや、決心ということは、そういうことなのかもしれない。お疲れ様でした、という言葉の射程範囲では捉えきれない。
ショーウィンドウを削るなど、市場で売るものをひねり出して出品へ。夕方、市場への準備をする時間が取れず運べなかった写真集を、ムトさんのトークショーのためにわざわざ仙台から来てくれていた水ちゃんがまとめて買ってくれた。水ちゃんは帰りのバスの時間がギリギリで、トークショーの打ち上げの場から急いで出たので心配だったが、「ずっとチャック全開君だったけど間に合った」とメールが来てほっとした。
4月26日金曜日。
開店前、ゴールデンウィークに備えた両替をしに極近所の西京信用金庫へ。受付後しばらく待っていると、両替作業を終えた受付のお姉さんが「じゅうらいざさ〜ん」と呼んでくれた。”「従来」座と間違えられることが多い件”が少し久し振りだったので嬉しい。ツイッターで店のことをめずらしく良く言ってくださっている方がいらっしゃっても「従来座」だったりする。
夕方、ムトさんトークショー二日目へ。南陀楼綾繁さんが版元と著者双方向に音信が無い状況を「音無しの構え」と例えていらっしゃり、帰ってから検索すると字義通りの使われ方をしながら、『大菩薩峠』の机竜之助の技でもあるらしい。<「音無しの構え」とは相手が討ってくるまで動かずに、相手がしびれをきらして斬りかかってきたところを討つ技である。>(wiki)。
特選市の最低入札価格が変更されていたことを知らず、店で売るならちらりとトピックになるものが安く売れてしまいボディブローが肝臓にあざを作る。
4月27日土曜日。
タケちゃんがおみやげにくれた鯛焼きを頬張った瞬間カスタードクリームがはみ出して、ぼくのズボンのちょうど股間部分に落下したので見せびらかして笑う、など。
「作務衣」と「サブウェイ」は似ている。
4月28日日曜日。
ゴールデンウィークで古書組合が休みなので、市場準備をしなければと同じ台詞をささやき声でずっと繰り返すこころのホラー音響に脅されることがなく気が楽。
午後、ご近所様へ出張買取り。予想外に早く終わったが休みたくて帰宅。アマゾンプライムで「ドキュメンタル」を観続け、夜に「いだてん」。
540✕785mm
