シワなしPiT G    せと
4月15日月曜日。
 雑司ヶ谷霊園にて、茅野蕭々雅子、織田政雄墓所を撮影。ラファエル・ケーベル、久保勉、ジョセフ・ストラッサー墓所を確認する。ジョセフ・ストラッサーについて検索すると、研究なさっている方の記事があり、とても興味深かった。勝手にリンク失礼します。「従僕の自殺」。ケーベル先生に連れられてドイツからやって来た十代半ばのストラッサー少年は、日本に居続けたままやがて自殺してしまう。ケーベル先生、その書生だったストラッサーさん、一番弟子の久保勉さんのお墓が、ハナニラが隆盛の雑司ヶ谷霊園中央近くに、それぞれ手を伸ばせば届く距離で立っている。
 やらねばならぬことを無視して雑司ヶ谷霊園についての検索行脚を続行。

4月16日火曜日。
 通勤時、雑司ヶ谷霊園を突っ切りジョセフ・ストラッサーの墓石に書かれた文字を確認する。「1913」のみ。生年月日はわからない。

 手近なものをまとめて市場準備。

 夜、自分が少年の頃流れていた懐かしコマーシャル数個をふとユーチューブで観て、あれ?あの頃の無邪気な楽しさってなんだったんだ、、、その楽しさを忘れ去り、このように苦しむためにぼくは年齢を重ねてきたのだっけ、、、と、なんだか哀しくなる。「いまのキミはピカピカに光って」。賃貸契約更新問題の副産センチ思考に陥ってしまった。とりあえず換毛期の猫にブラシをかける。がんばって現状を脱出し、GOGOダンスを踊りに行きたい。

4月17日水曜日。
 戦前の探検家であり石仏研究家の三吉朋十(ともかず 『武蔵野の地蔵尊』)、実業家で丸善創業者の早矢仕有的の墓所を雑司ヶ谷霊園ルートで出勤しながら確認。シャッターを開けて店に入ると、スイッチを切り忘れられ一晩中闇に送風し続けた扇風機が小さな駆動音とともに首を回していた。

 タイタイに日本古典文学の小さなコーナーを、日本文芸コーナーの先端に作ってもらう。歴史コーナーを縮小したらどうもバランスがおかしい気がして、少ないけれど古典文学が必要になった。

4月18日木曜日。
 約100箱ほど入荷したなかから約20箱を店で使うために残すことになっていたのだが、急遽資金が必要になった賃貸契約更新問題のため仕方がなく市場行きに方針転換。滅多にないことなのでとても辛い。あぁ店に出したい、、、入荷したものから選んだ精一杯の精鋭なのに、、、と胸をしくしくさせながら分類、市場準備。断ち切れない蓄えの無さ故の悪循環。一部を車に積んで出品へ。

4月19日金曜日。
 哲学者で文部大臣で獨協大学初代学長、学生野球協会会長でもあった天野貞祐の墓所を霊園で確認して出勤。稚拙な卒業論文のために九鬼周造の一部を読んだことがあったので、そうだ天野貞祐は九鬼周造の親友だったはずだ、と思い出す。そして九鬼周造といえば、月曜日に墓参したジョセフ・ストラッサーが自死する直前に久保勉に相談を持ちかけたが、来客があって久保勉はストラッサーの話を聞けず、その来客というのが九鬼周造だった、と前述の記事にあった。3年前の5月に訪れた京都法然院の鬱蒼たる九鬼周造の墓所と雑司ヶ谷霊園の3つの墓所が、なにか結界の際のような透明な糸でつながっている気がして不思議。

 市場準備の続き。やはり我慢ができず、気になる数冊をすでに市場出品準備済みの縛りから抜き出して、すぐに店で売れればそのほうがいいに決まってるじゃないかと無理な言い訳をしながら急いで商品化。

 午後、南池袋でなんか大きな事故があったらしいよ、とお客様に教わって検索する。そういえばヘリコプターが妙に多く飛んでいる。

4月20日土曜日。
 さらに市場の準備を重ねようと企んでいたが些事にかまけて何も出来ず。

 夕方市場に出品へ。ドS書房Aさんに先日いただいた「ミニ百科事典」が無事売れたことを報告。
 
 明日から金沢お手伝い紀行のため、店内を早めに週末手創り市対応シフトに変更。

4月21日日曜日。
 3時までユーチューブを観るなどグダグダしてしまい5時半に起床。上野駅から新幹線かがやき521号で金沢へ。発車直前に缶ビールを投入して昏倒。
 近江市場近辺を散歩して刺身定食。駅周辺の観光地価格に驚きつつ。
 龜鳴屋・勝井さんとお喋りしながらムトさんの初の著書『銭湯断片日記』の挿絵小片貼り込み作業。勝井さんが吸い取るように心地よく話を聞いてくださるのでぼくが手を動かすより先にべらべら喋り、これではお喋りしにきたことになってしまう、と気合を入れ直す、など。
 龜鳴屋さんが使ってらっしゃる糊はトンボ鉛筆「シワなしPiT G」だった。(そのほんとにシワが出ない感じを教えていただき、帰ってから調べると他にサイズ違いの「シワなしPiT N」と「シワなしPiT S」があり、テープのりのコスパの悪さに悩んでいた我々はすぐに「〜S」を入手した。)
 夜、蕎麦屋さんで勝井さんからとても面白い出版無法伝を聞きながらホタルイカなどの干物を網で焼き、ぼくはしいたけソバで締める。ガルバリウム鋼板。など。あれはなんだったのだろう、食べ物も美味しかったのだが、生ビールの泡が見たことがないくらいふっくら細かくて美味しかった。

『銭湯断片日記』取り扱い店
往来座では残部僅少です。





by ouraiza | 2019-04-22 19:11 | Comments(0)
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