土曜日。夕方、33km先へ出張買取り。
手伝いをたのむ人の都合がつかず一人で遠方へ向かうことになっていたので朝から緊張。徹底的にナビに任せておけば多少の非合理性があっても到着はできる。いざ出発すると、まさか、いつも最大音量でかじりついて聞きながら頼り切っているナビの音声が壊れていて案内音が出ない。なぜか不運が降りかかってばかりでばかにされている『団地ともお』のキャラクター「よしのぶ」くんを励みにする。目的地至近の巨大なダイソーに数年前に来たことがあることを唐突に思い出した。
お客様に導かれたプレハブ書庫の本棚のガラス戸を開け、宮沢賢治全集の月報の有無を確認するために一冊を函から抜くと、前見返しに挟まれていた6葉ほどの白黒のスナップ写真がすべって落ちそうになった。あ、学生のときの友達の写真、こんなところにあったんだ、、、と動きを止めたお客様。んー、ま、友達って言うか、カレシ。と追って補われた。その男性は若き登山家で、谷川岳で遭難。遺体発見まで半年間現場での捜索に通っていたお客様。男性二人が大きな笑顔で砂浜で海に向かって両手を広げている。背中から受けている陽光が波打ち際にくっきり影を作っている。斜め上からの構図も白と黒のコントラストもスタイリッシュでとてもかっこいい。その一番上にあったスナップに写った二人の男性のどちらがお客様の彼氏なのか、尋ねそびれてしまった。印象の濃い1ページ。
日曜日。午後から下北沢のB&Bさんで開かれる橋本倫史さんと亀和田武さんによる『月刊ドライブイン』創刊記念トークショー観覧に向かう。予習のためにvol.1とvol.2を熟読。徹底的に一人対対象のルポルタージュだな、と思う。民俗学だね、と同行の友人Uが言った。ドライブインの凋落と古書業界が重なりもする。ふと気になって検索すると、オートマチックトランスミッション、いわゆるオートマの車を最初にトヨタが作ったのが1959年で、免許にオートマ限定という枠ができたのが1991年。だからなになのかわからないが、ドライブイン隆盛期に集った車たちは、マニュアル車が多かったんじゃないか、と思った。Mさんが母の日のカーネーションを一輪かばんに挿していた。
月曜日。雑司が谷の自宅にショートステイで猫4匹が来る。おとなしい貴婦人。仏のような甘え屋。マッドなブルファイター。内弁慶の暴君。ぼくはトイレの掃除ばかりしていた。
先々月か、約10年使ったセロテープ台の底が修復不能になり完全に壊れた。猫のシールを作って貼ってくれたのは古本大學芸術劇場店の最初の同僚だった鈴木さん。
新しく導入したセロテープ台が、切り口がギザギザしない、という機能付きで驚く。下画像、左が従来、右が新しい切り口。

