
広津和郎「散文精神について」(『わが文学論』1953乾元社 所収) より
”それはどんなことがあってもめげずに、忍耐強く、執念深く、みだりに悲観もせず、楽観もせず、生き通して行く精神――それが散文精神だと思ひます。”
”すぐ思ひ上る精神であってはならない、と同時にこの国の薄暗さを見て、直ぐ悲観したり滅入ったりする精神であってもならない。そんなに無暗に音を上げる精神であってはならない。さうではなくて、それは何処までも忍耐して行く精神であります。アンチ文化の跳梁に対して音を上げず、何処までも忍耐して、執念深く生き通して行かうといふ精神であります。ぢっと我慢して我慢して冷静に、見なければならないものは決して見のがさずに、そして見なければならないものに慴えたり、戦慄したり、眼を蔽うたりしないで、何処までもそれを見つめながら、堪へ堪へて生きて行かうといふ精神であります。”
昭和十三、四年頃の講演の覚え書き、と後注にあり。
昨晩のライムサワーの肖像。また酔って、音を上げた。
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