鎌倉。「生誕100年 藤牧義夫展」の最終日に間にあった。藤牧義夫は明治44年、1911年1月19日生まれ(群馬県館林市)。詩人菅原克己は1911年1月22日生まれ(宮城県亘理郡)。なんと3日しか違わないのだ。どうしてこう画面が力強いのだろう。それが木版画か。ペンでがりがり紙に描くように、刀で板に向かっている感じが強い。刀への確信。緻密正確な画力、構成力があってこそであろう。錬磨と不器用。「赤陽」のコラージュ部分にびっくり。実物を観ることができてほんとうによかった。帰宅後その威を借りて『名画座かんぺ』表紙にとりかかったがぜんぜんだめ。
『日本の現代版画』恩地孝四郎 昭和28年初版 創元社
カバーしみあり 2100円 販売中
藤牧義夫の項あり。生年がちがっている。「彼の作の優れて居る所は、普通の絵画表現には見られぬ、版刻には自然な、白描、刻線が白く画に仕上る方法のままで直かに制作して、しかもそれが、観者に不自然感を与えない才能である。」「木版画の最も自然な在り方を明示するものとして貴重である。しかも、その多くの街景を作った画面は、多少の哀感を伴いつつ端的な詩味を盛って居る。これはまさに天成である。不思議な作家というべきだ。」など。