VHS『ちゃんばらグラフィティー 斬る!』オリジナル全長版
構成・演出 浦谷年良 総監修 マキノ雅裕 ![]() ![]() ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ♡今週のシネみち♡ 1)◎◎◎『それは或る夜の事だった』'48新東宝(斎藤寅次郎監督 飯田蝶子 大日向伝 古川ロッパ 花井蘭子 田中春男) 2)◯『鉄腕都市』'38東宝(渡辺邦男監督 岡譲二 大川平八郎 霧立のぼる 山根寿子) 3)◯『喧嘩太郎』'60日活(舛田利雄監督 石原裕次郎 芦川いづみ 中原早苗 東野英治郎 芦田伸介 神山繁 安部徹) 4)◎◎『ストア』'83米(フレデリック・ワイズマン監督) 5)△『らぶれたあ』'59日活(鈴木清順監督 待田京介 筑波久子 フランク永井) 6)◯『すべてが狂ってる』'60日活(鈴木清順監督 川地民夫 奈良岡朋子 芦田伸介 吉永小百合) 7)◎『明日泣く』'11プレジュール/シネグリーオ(内藤誠監督 斎藤工 汐見ゆかり) 123:CS 47:ユーロスペース 56:シネマヴェーラ渋谷 『それは或る夜の事だった』 ひょっとしたら本年度蝶子映画ナンバー1かも。大日向伝見たさに観始めたんだのに、蓋を明けてみたら、飯田蝶子とロッパの恋物語なんだもの!観ているうちに話の展開が読めて読めて仕方がないのに、楽しくて面白くてクスクスにやにや。斎藤寅次郎、喜劇の神様と呼ばれていたそうで、もっと観たい。幸い、CSでポツポツやってくれるので嬉しい。でもこの作品が自分にとって最高だったのは、一重に蝶子の存在ゆえのような気もしますが。はだけた着物から蝶子の鎖骨も見れます。ラブシーンではなく、お灸シーンです。 『鉄腕都市』 岡譲二が、究極の正論KY男。そんなの大学出がもらう給料じゃない、と友人の就職を取り消したり、惚れてもいない娘と結婚するなんて、と別の友人の結婚をやめさせたり、はっきり言って迷惑千万極まりない。人生のグレーゾーン真っただ中を生きる自分としては、引きまくり。「ほら、オレが言った通りだろう、ハハハハハ」的な強引なラストにも、唖然! 『喧嘩太郎』前半は明朗サラリーマン喜劇タッチだったのが、後半一気に社会派サスペンスアクションタッチに。石原裕次郎、自分は興味なし。本当に日活に薄い、自分。芦田伸介と神山繁の声にシビレまくったくらい。デビューしたての吉永小百合がちらっと出て来て確かに可愛いけど、別にサユラーでもないし。 『ストア』テキサス州ダラスにある老舗デパート、ニーマン=マーカスのクリスマスの時期の日々を映したドキュメンタリー。『メイン州〜』ほどではなかったが、面白かった。ギフトショップの棚に、ET人形がびやーっと並べられており、あ、その年だったのね、と。個人的に「!」だったのは、毛皮コート売り場で当時4万5000ドルする黒貂の毛皮のコートを、客も店員も二人揃って床にバサっと置くシーン。床ですよ、床!450万よ、450万!こいつらハンパねェ。。と思った瞬間。自分、この国の人達の、下世話なリッチさが大好き。ちなみにこの毛皮のシーン、途中何度か挿入されていて、段々、買うの?買わないの?とやきもきさせられるのが面白い。狙いなのか?日本人スタッフも登場。クリスマスという華やかな時期だったというのもあったけれど、百貨店としての誇りに溢れていて、現在の経済状態を思うと寂しく思う。観終わったあと、伊勢丹なんかに足を踏み入れたくなった(入れなかったが)。 『らぶれたあ』博徒ではない待田京介が見たかったのと、レイトショーまで時間を潰すのにタイミングが完璧だったのとで観た清順2本。マチキョンはただのギョロ目のお兄さんだったし、ストーリーも「はて・・?」だったし、フランク永井の気障な台詞も場内失笑の渦だったし、映画としては個人的には全くハズレ。同じ1時間切る作品でも、『下町』なんかとは雲泥の差! 『すべてが狂ってる』俗にヌーヴェルバーグとか言われる、若者のやり場のない怒りとか、本当に理解が及ばず、ゆえにその手の作品も、苦手。その時代を過ごした年代の人ならば共感できるのだろうが、自分はどちらかというとそのさらに上の年代の「まったく今の若者ときたら・・・」という方に共感。だってヒドいもの。強姦窃盗飲酒等々。この作品でもまた、芦田伸介にシビレた。主人公の家が目白で、当時の目白駅が出て来て胸がちょっと躍りました。音楽ジャズでカッコ良し。 『明日泣く』色川武大の自伝、と聞いてたので、主役の斎藤工の二枚目度に絶対的違和感。まあ大いに目の保養になったことだし、それは置いといて。思ったよりも本気なジャズ映画で音楽は楽しめました。音楽は渋谷毅。劇中演奏しているミュージシャンと、実際吹き込んでいるのは違うミュージシャンで、一部吹き込みでドラムを担当されていたのは、先日急逝したセシル・モンローさん。感慨深い。他、監督の息子さんで脚本も書かれている内藤研さんや、坪内祐三氏、など俳優ではない方達の知った顔がチラホラ出てきて、それも楽しかった。ヒロインの汐見ゆかりは綺麗だけどイマイチ。武の担当編集者役の女優さんが、塩山さんが言うところの「アストラの奥山嬢」さんにそっくりで、どっちかというとそちらに萌える男性もたくさんいるのでは。自分は内藤誠監督の古い作品を観た事がないため、これがカムバック作品としてファンの方々にどう捉えられているのかよくわからず。25年振りの監督復帰作となれば、ファンの方などはもうそれだけでいい、というくらいの感慨なのかもしれない。本っ当に細かいケチをつけさせてもらうとしたら、ひとつ。原作からいって設定は昭和20年代だろうか?黒電話とか、部屋の本棚の本(全集の端本など)はそれなりの年代のものだったように見えたが、高校生の時の武が読む新潮文庫の『堕落論』は明らかに今のもののカバーを外しただけのもので、惜しい!画面に写らない閉まった引き出しの中に入れるものにまで気を遣った、という黒澤明の逸話と比べてしまう。
by ouraiza
| 2011-11-26 23:39
| のむのノミムメモ
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