『名画座番外地 「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記』 川原テツ著 2007年初版 幻冬舎 520円 販売中!!! 行ってみたかった・・・ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ♡今週のシネみち♡ 今週はあやや(若尾)ウィーク。 しょうがないことだが、特集次第で時代も偏る。 一本を除き他全部'61〜'63! ま、一番ソソラレル頃なわけですがね。 いろんな若尾ちゃんを観ましたが、個人的にむ〜タマらんと思ったのは、『雁の寺』で池の鯉を鳶が狙ってるといって鳶をハラハラしながら見上げているシーン。 相手を見つめる眼差しよりカメラ目線より、こういう何気ないふとした表情が、もう! ◯『酔いどれ二刀流』'54大映(森一生監督 長谷川一夫 若尾文子 菅井一郎 浪花千栄子 入江たか子)@フィルムセンター 再観『しとやかな獣』'62大映(川島雄三監督 若尾文子 伊藤雄之助 山岡久乃 小沢昭一 船越英二) ◎◎『女は二度生まれる』'61大映(川島雄三監督 若尾文子 山村聡 フランキー堺 藤巻潤 高見国一 潮万太郎)以上@新文芸坐 ◎1/2『おへその大将』'62宝塚映画(佐伯幸三監督 フランキー堺 新珠三千代 山茶花究 原知佐子 山崎努) ◎◎『独立機関銃隊未だ射撃中』'63宝塚映画(谷口千吉監督 三橋達也 佐藤允 堺左千夫 夏木陽介)以上@ラピュタ阿佐ヶ谷 ◎◎『瘋癲老人日記』'62大映(木村恵吾監督 若尾文子 山村聡 川崎敬三 東山千栄子 村田知栄子) ◎◎1/2『雁の寺』'62大映(川島雄三監督 若尾文子 三島雅夫 中村鴈治郎 山茶花究 高見国一 西村晃 小沢昭一)以上@新文芸坐 『酔いどれ〜』若尾ちゃんの時代劇デビューとのこと。可愛い過ぎでしょ!ただ長谷川一夫が個人的にはそれほど好きではなく、作品的にはまあまあ。高田馬場やら鬼子母神(でも雑司ヶ谷ではなさそうだった)やら馴染みの地名が耳に心地よい。 『しとやかな獣』いやあああ、面白いんですがね、観る度必ず寝てしまうのは何故?!今回は小沢昭一を重点的にチェック。ピノ作〜! 『女は二度〜』うん。評判通り。若尾文子や京マチ子、山本富士子なんかが出ている芸者もの、好きだなあ。つまり大映の芸者映画ってことかしらん?何かこう、男にだらしがなかったりバカだったりするけど、やっぱり女として本能的で、好き。本作の若尾文子もちょっと本気な恋をしたり(フランキー堺)、妾として養ってくれるパパさんを見つけたり(山村聡)、自分に憧れを抱いている若い男の子にちょっかい出してみたり(高見国一)、通りで見かける学生に淡い憧れを抱いてみたり(藤巻潤)といろんな男性遍歴を重ねるが、最後は独り故郷へと帰っていく。電車の中で今では幸せな家庭を築いているフランキー堺を偶然見かけたシーンのせつなさ・・・うー。 『おへその大将』佐伯幸三が監督でこのタイトルでフランキー堺で、と来たからさぞかし面白可笑しいコメディだと思い込んでいたのだが、やさしい可笑しさはあるものの、もう少しシリアスだった。「アパッチ」って戦後貧しい時代鉄くず盗んでそれ売って生活してた人のこと言うのですかぁ。『どですかでん』の電車ばか、頭師佳孝も出てる。途中ヒヤヒヤするけれど、何とか万事上手く行き、めでたしめでたし。 『独立機関銃隊〜』かなりハードな戦争アクションだった。名前も『独立愚連隊』と似てるし、佐藤允なんかも出てるしもう少しエンターテインメントな作品かと思いきや、完全に骨太。ソ連国境近くのトーチカ(地下壕)を守備する5人の兵隊が全滅するまでを描いたドラマ。ここまで兵隊に感情移入できた戦記映画は初めてかもしれない。戦争体験はないし、女ゆえ、これまでの戦記ものにはそこまでのめり込めなかったが、本作は一人一人の個性、各々の心情変化などが丁寧に描かれてたからか、打ちのめされた感アリ。何人かはすでに戦死し、勝つ見込みもなくなってきたその時、敵側から日本語で降伏勧告の放送が流れる。いやあ、あの状況で「赤とんぼ」流されちゃっちゃあ自分なら間違いなく、即降伏。しかしああいう降伏勧告の放送って実際あったの?誰が吹き込むの?日本語話せるソ連人?本作のはアクセント的に中国人女性っぽかったけれど。堺左千夫という俳優、本作では発狂してましたが、情けない役が上手いですねぇ。 『瘋癲老人日記』おっかしかったなぁ!山村聡の若尾文子への執着!でまたそれに対する若尾ちゃんの突き放しっぷり!究極のツンデレですなぁ。まあ正直気色悪いですけど。『鍵』といい、本当に谷崎って気持ちわりィ。映画だとそりゃ笑えますが。若尾ちゃんの夫役の川崎敬三が目立たなすぎてある意味真骨頂!若尾ちゃんという妻を差し置いての浮気の相手があれかよ!とツッコミたくもなる。 『雁の寺』『女は二度〜』と共に今回の若尾ちゃん特集で個人的目玉だったのが本作。ややややあやや凄かったな。『女は二度〜』より個人的にはこっちが好き。最初のクレジット部と最後のシーンだけカラーという演出も素敵。どのシーンを切り取っても絵になるなあと感心。総合的に何一つ無駄がないというのか。役者も粒揃い。とはいえ、ヒロイン若尾ちゃんなのに誰ひとりカッコいい男優(あくまでも顔的に)が出てないというのが可笑しかった。だからこそ若尾ちゃんが引き立つんですが。愛しのマー君(三島雅夫)も満喫。何たって主演男優ですもん。ただ。マー君いっつも痰がからんだような声をしていて、しまいにはこっちまで痰がからんでくるような気がして困った。寺の若い修行僧役の高見国一、若尾ちゃんに「私の全部あげる」なんて言われる光栄に浴してますけど、考えてみたら『女は二度〜』でも若尾ちゃんに襲いかかっている。世の男性諸君の中にはきっと高見国一を憎く思っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃることでしょうなぁ!17〜18歳という時期に完熟な若尾ちゃんと絡むシーンを頂いてるんですから。その後の彼の女性観にどう影響を与えたか、その辺若干気になりますが。 堺ミ千夫
by ouraiza
| 2011-07-16 14:01
| ノミムメモ(土曜)
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Comments(2)
「独立機関銃未だ射撃中」自分もガツンと打ちのめされました…!
映画鑑賞でこんなに喰らう経験はもうないだろうと油断してました。
Commented
by
ouraiza at 2011-11-11 01:28
inunekoさま、
コメントありがとうございます! あの作品は不意打ちでしたね!タイトルと役者にダマされました。 映画、いい意味で期待を裏切られるというのは、本当に嬉しいです。 そういう意味で今年自分が一番打ちのめされたのは、『六條ゆきやま紬』でした。 あまり打ちのめされ度が高すぎると、もう一度観る気にはなれないのが悲しい点でしょうか・・・。 のむ
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