『『火山灰地』評論・資料』刊行委員会編 昭和38年初版 劇団民芸発行
A5判 280頁 カバースレいたみ
宇野重吉 瀧沢修 細川ちか子 波多野憲 清水将夫 鈴木瑞穂 吉行和子 大森義夫 奈良岡朋子 宮坂将嘉 10名の署名入り
(『「火山灰地」批評スクラップ』1961 付き)
6300円 販売中!!!
この本、どんな状況でこういう結果になったのか・・・その状況を思うと、鳥肌。
今週のシネみち
今週は行きつけの名画座でのプログラムに恵まれなかったこともあり、劇場鑑賞は一日のみ・・・
◯『十字路』'28衣笠映画聯盟(衣笠貞之助監督 阪東寿之助 千早晶子)
◎◎『全身小説家』'94疾走プロダクション(原一男監督 井上光晴 埴谷雄高 瀬戸内寂聴)以上@シネマヴェーラ渋谷
◯『月蝕』'56日活(井上梅次監督 三橋達也 月丘夢路 金子信雄 安部徹 石原裕次郎 岡田真澄 西村晃)
◎『密会』'59日活(中平康監督 桂木洋子 伊藤孝雄 宮口精二)以上CS
『十字路』佐藤忠男の『日本映画300』にも載っていて観てみたかった一本。ただし今回のは短縮版。昭和3年、ととんでもなく古いのに映像がとってもモダーン。いろんな解説を見ると、こういうのをドイツ表現主義的技法というのだそうだ。弟役の阪東寿之助が美しい。完全版で観たかった。調べてみたら廉価版でDVDがあるんですね。うーでも買ってまでは・・・。
『全身小説家』面白かった!観る前に長すぎる(155分)と代表にボヤいたら「絶対そんな風には感じないから観た方がいい」と言われ。実際飽きなかった。井上光晴モテまくりですね。心底井上光晴に惚れている女性たちを見てたら、昔古本大學時代にお世話になったOさんを思い出した。彼女のは、阿刀田高だった。一人の作家に弟子として付いてその人の生き様から芸を学び取ろうとすると、こうなるのだろうか。手術シーンには辟易。瀬戸内寂聴の「彼にはね、嘘をつくことでどうしても守らなければならなかった真実というものがあったんじゃないかと思うのね」という言葉が重く心に響いた。嘘つきだろうが何だろうが、本当に「生きた」人だった。それにしても、良質なドキュメンタリー映画はフィクションより面白い。
『月蝕』どうも、月丘夢路が主演のショービジネスものはあまり好きでないような。三橋達也がサックス奏者で月丘夢路が歌手。どちらも深い所ではお互いに惹かれ合っていて、でも意地張ってくっつきはしないが、次第にお互いに似たような暗い心の傷があると知って急速に関係が深まり婚約。その直後、月丘夢路が以前もてあそんだフィリピン人男(岡田真澄)にピストルで撃たれ死亡。月丘夢路をめぐって争う他のメンバーに、金子信雄、安部徹、石原裕次郎。あまり毒気の強くない金子信雄がみれる。三橋達也がピアノを弾きながらジャズのナンバーを歌う場面で、それはないだろう的な声の吹き替えにちょっと笑った。月丘夢路は実際に歌ってるんでしょうが。上手ネ〜。監督は夫の井上梅次。
『密会』桂木洋子といったら、お目めパッチリで可愛らしく、『肖像』などでの可憐で気だての良い娘さん的なイメージが強いのだが、本作では、大学教授の若妻で、何と夫の生徒と浮気!だけでなく最後にはあんなことまで!という悪女ぶり。ただあからさまな悪女という訳ではなく、まぁ偶然の悲劇が重なった上でああいう事になってしまったという成り行き悪女ですが。1時間ちょっと、と短い作品ではあるが、結構スリリングでした。桂木洋子って黛敏郎の奥さんなんだ〜!
宇野重ミチ