『昔日の客』(関口良雄/著 夏葉社/刊)入荷 と 2冊の『暢気眼鏡』     せと
『昔日の客』関口良雄 平成22年復刊 夏葉社
税込2310円(新刊のため定価での販売になります)  販売中!!!!!

 なんてキュート&シックな装丁。緑、緑・・・これは緑ではないのではないか。うぐいすの・・飛翔中に夕日を浴びた小鳥の羽の色・・。普通の四六判より天地が少し小さいからだろう、すっと胸に吹きくる爽やかな存在感。くっきりした黒の箔押しで刻まれた表紙の題と著者名との絶妙な距離感。小さな鈴の音のような本。
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 ここに2冊、『暢気眼鏡』がある。大好きな本なので、じっくり閲する。
 戦前の初期単行本は3種(特装家蔵版2部を入れると4種)。初版、普及版、新装版。
 普及版は何版まであるのか、わからない。とても詳しく教えてくれているこのページには、8版までの記録がある。
 画像左が昭和15年8月15日発行・新装版3刷。右が昭和12年8月26日発行・普及版10版。昭和15年の新装版の紙質が、昭和12年の普及版よりも、かなり劣悪である。もともとカバーは無く、表紙の折り方、仕様が違っている(普及版10版には元パラがある)。そして、普及版の表紙絵が新装版の表紙絵と同じ、なのだ。
 新装版(しかし扉には「普及版」とある)の、目次の裏のページにある「装幀 大貫松三」という文字が、普及版10版(新装版と同じ表紙)には無い。
 おおお、印刷所が違う。普及10版「東京市豊島区高田南町一ノ三五七 正木正家」、新装3版「東京市神田区小川町一ノ一一 宮本印刷所」。
 普及版でありながら新装版と同じ表紙なのは、普及版の何版からなのだろう。
 初版も10版以前の普及版も扱ったことがない。今度どこかにあったら見てみよう。

初版   昭和12年4月1日
(特装家蔵 昭和12年4月1日)
普及版  昭和12年8月18日
三版   昭和12年8月19日発行
四版   昭和12年8月20日発行
五版   昭和12年8月21日発行
六版   昭和12年8月22日発行
七版   昭和12年8月23日発行
八版   昭和12年8月24日発行

十版   昭和12年8月26日発行(表紙が新装版と同じ)(画像右)

新装初版 昭和13年5月5日
新装二版 昭和15年3月25日発行
新装三版 昭和15年8月15日発行(画像左)


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『暢気眼鏡』尾崎一雄 昭和15年 新装版3刷 砂子屋書房
いたみ激 補修多大 1500円
『暢気眼鏡』尾崎一雄 昭和12年 普及版10版 砂子屋書房
小蔵印 少書き込み消し跡 あり  5250円
販売中!!!!

by ouraiza | 2010-09-27 21:11 | Comments(1)
Commented by endo at 2010-10-18 11:16 x
貴店で購入すればよかったですね。
素晴らしい本だと思います(いま読んでいます)。
往来座版昔日の客がいつの日か生まれることを期待しています。
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