第22回外市一日目終了。
炎天下の中ご来場いただいたお客様に、感謝と敬意を!ありがとうございました! 『エンターテインメント業界におけるリギング入門』クリス・ヒッグス著 平成18年 初版 未來社 はて、リギングとは?と思って調べたら「(船の)索具装置(ロープ,鎖類一式)」とある。つまり主に舞台装置における吊り下げ機具の使い方入門。結構専門的で、力学にも触れられていたり。業界用語で「リギング」は職業の名称でもあるらしく、リギングをやる人をリガーというらしい。 事故とケガの統計について。「エンターテインメント業界は明らかに素晴らしい記録を持っています。これは一般的にエンターテインメント業界では、自営で働く人々から事故やニアミスがほとんど報告されないからです。」 1500円 販売中!!! 今週のシネみち ◎◎『座頭市地獄旅』'65 大映(三隅研次監督 勝新太郎 成田三樹夫)CS ◎『ようこそ、アムステル国立美術館へ』'08 オランダ(ウケ・ホーヘンダイク監督)@ユーロスペース ○『石井輝男 映画魂』'10 ワイズ出版(ダーティ工藤監督)@ユーロスペース ◎◎『カルメン故郷に帰る』'51 松竹(木下恵介監督 高峰秀子 小林トシ子 坂本武 望月美恵子(優子) 佐田啓二 佐野周二 笠智衆)DVD ◎『ソルト』'10 アメリカ(フィリップ・ノイス監督 アンジェリーナ・ジョリー リーヴ・シュレイバー)@板橋サティ ○『すっ飛び駕(かご)』'52 大映(マキノ雅弘監督 大河内傳次郎 黒川弥太郎 三浦光子)DVD ◎◎『愛の亡霊』'78 東宝東和(大島渚監督 田村高廣 吉行和子 藤竜也 小山明子 殿山泰司 川谷拓三)CS 理想的な一週間! 『〜地獄旅』ハァ〜面白かった!座頭市シリーズの中でもこれは記憶に残りそうな一本。勝新にもようやく愛着が湧いて来た。いつもなら必ず勝つインチキ博打に本作では負けたり、いつもはそこまで親しくならない敵の浪人と仲良くなりつつも最後は仕方なく斬らねばならなかったり、女(女優は気に入らない)に惚れられっちまったり、あらゆるドラマ要素が凝縮された良質な一本だった。 『ようこそ〜』でユーロスペースデビュー。といってもシネマヴェーラの階下で、劇場形態や設備は全く同じ。つまり素晴らしい劇場。本作は2004年に始まったアムステルダム国立美術館の改装をめぐって繰り広げられるドラマを追ったドキュメンタリー。この改装工事、2004年に始まっていながら今なお工事中のまま、と日本ではおよそ考えられない事態。前半の、反対デモやら何やらで工事が遅々として一向に進まない部分では内容も間延びした感じを受けたが、後半は割とドラマチックな展開。興味深かったのは、絵画の修復作業の模様を観れたり、美術館が日本の金剛力士像を購入してそれが届いた瞬間などが観れたこと。全体を通して美術館(所蔵品)に対する関係者の深い愛が感じられる。館長が金剛力士像の買い付けで来日するシーンも。出演関係者の個性も豊かで、館長が退職する際の次期館長選出をめぐるドラマや、スティーヴ・ブシェミ似の学芸員が金剛力士像が届いた際見せる興奮と感動には思わず涙ぐんでしまう。最後に地下の所蔵庫で眠る数々の美術品を映すシーンでは、名画名品たちの「アタシ達、こんな所に閉じ込められるために集められたワケ?」というボヤキが聴こえて来るよう。我らが誇る金剛力士像も舌打ちしていた。 『石井輝男映画魂』は、もともとは石井輝男にそれほど興味がなく、この手のドキュメンタリーを観たら興味も湧くかも、と思ったが、うーん残念、そこまではなかった。電話インタビューの声が聴こえ辛かったのがちょっと残念。吉田輝雄はダンディでかぁっこ良かったなァ。だいぶ年老いてはいたけれど砂塚秀夫が観れて嬉しかった。 『カルメン〜』デコちゃん、お久しぶり。U-SENさんに借りたDVDで、カラー版と白黒版が一緒に入っていたが、せっかくの「日本初総天然色映画」作品なのであるからして、ここはカラー版をば。俳優陣も豪華だし、デコちゃんの歌も最高だし、色も鮮やかで、文句なしに楽しめる。出演者に高堂国典とあったので登場を今か今かと待っていたら、デコちゃん達のストリップダンスショーを最前列で口パクパクさせて観てたよ! 『ソルト』自分は特にアンジェリーナ・ジョリーのファンという訳ではないけども、やっぱり息を呑むほど美しいとは思う。何度かポップコーンがのどにつまりそうになった。結構ハードなアクション映画で、ハラハラし通し。最後まで気を抜けない仕掛けなどもあり。先週ハリウッドで頑張っている日本人達について言及したが、本作でもアンジェリーナ・ジョリーの特殊メークか何かの担当が日本人名だった。確実に何も残らないが、確実に楽しめる。ただ、国連親善大使ともあろうお人がそんなことしていいんですかというくらい殺しまくっているが。 『すっ飛び駕』日本名作映画集という廉価版シリーズの一枚。マキノ雅弘監督伊藤大輔脚本宮川一夫撮影大河内傳次郎主演というこれ以上何を望めるの?!と叫びたくなるほど豪華な製作陣。が見事にすっ飛んだ。廉価版のせいもあるのかもしれないが、音声がとにかく悪く、そこにきて台詞の聴こえ辛さで有名な傳ちゃん(好きだけど!)が主演というのでもうお手上げ。三浦光子は結構好きな女優さん(ちょっと鼻にかかる甘えたしゃべり方が大好き)で、そこは満喫したけれど。 『愛の亡霊』「年齢制限あり」とあって、さぞかしエロかろうと期待で胸をいっぱいに膨らませて観たものの、観終わってみるとどこがそんなに?という程度。映画としては素晴らしかった。一番の観どころは、吉行和子。勅使河原宏監督の『砂の女』での岸田今日子を観たときの衝撃と同じ衝撃。映画を観始めたのが最近なので、自分の中で「おばさん女優」として認識されていた女優さんたちの若い時の可愛いさや色気に驚いてしまうことが多々あり。吉行和子がかわエロくてたまら〜ん。訛りが可愛さを増している。殿山泰司が真骨頂。「よぅ降る雨じゃのーゥ!」と叫んでいた。音楽は武満徹。最近(といっても1978年・・・)の映画は出演者一覧が最後にでるので、佐藤慶も出てたらしいのに気づかなかったヨ〜、不覚!観直さねば。 ドキュみち
by ouraiza
| 2010-09-05 03:49
| ノミムメモ(土曜)
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