巻中カラー   なつき
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現在発売中の「モーニング・ツー」(32号)を読んでいて、お、と思うことがあった。
鎌谷悠希という人の読み切り「オクターヴ」。
合唱部でボーイソプラノ、しかもソロ担当という中心的存在の主人公が、変声期を迎え、葛藤し苦しみつつ出口を探していく、そんな爽やか作品である。
絵柄も美しく、何より合唱マンガというジャンルが好きなので面白い・・・が、今回のポイントはそこではない。
ページをめくり、いよいよクライマックスに突入するとき、カラーページになるのである。
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この次ページで見開きカラーになり、一番の感動シーンとなる。
安易とも言えるが、ずっとモノクロで眺めていた世界に色がつくと、やはり視覚的効果は高い。まるで映画「ユリイカ」のよう。
そして、またモノクロに戻り、数ページして話は終わった。
読み終わり、改めて本作の扉絵(タイトルページ)に戻ると、下の方にさっきは気づかなかった「巻中カラー付き44P!!」のあおり文が。
巻中カラー?これは初めて聞く表現。ふつうは巻頭カラーといって、各雑誌での人気作・期待作の扉絵(+数ページ)がカラー原稿になるのが通例だと思う。
でも知らないうちにカラー表現の枠が広がってきたのでしょうか。

ここでふと思い出しました。ちょうど約1年前、私は新潟に免許合宿に行っていた。
そこの休憩ルームには大きなテレビにこたつがあり、誰かが読み終わった雑誌が数冊よく残されていて、
そこへ行くと私はファッション誌なぞには見向きもせず、マンガ誌をパラパラめくっていたものです。
ある日あったのは『花とゆめ』。対象年齢が低くて自分の守備範囲ではなく、興味深くて見てみると、さすがに絵柄が甘くて頭に入ってこない。
それでも無理矢理読んでみると、ある作品で目がとまる。
巻中カラー   なつき_f0035084_3402084.jpg

日高万里 「V・B・ローズ」最終話の、ラスト数ページがカラーなのだ。
びっくりして、なぬー、少女誌ってこんなに自由なのか!と、取りあえず写メ(上写真)だけ撮っておいた。
それから1年、すっかり忘れていたのですが、今回改めて作品名などを検索すると、Wikipedia『V・B・ローズ』の項に
  「「花とゆめ」2009年6号に掲載された最終回は、ラスト4ページがカラーとなっていた。ラストページにカラーが採用されたのはきわめて異例。」とある。
そうか、やっぱ異例なのか、と合点がいくような、不思議な気分。

気になってためしに検索してみましたが、「巻中カラー」もしくは「巻末カラー」というのは用語として確かにあるものの、
巻中カラー:掲載が雑誌の一番はじめ(巻頭)では無いが、扉絵(+数ページ)がカラーのもの。
巻末カラー:「雑誌全体」の最後のページに載せられたもの。

として使われている印象が強い。
うーんそうすると、「モーニング・ツー」での「巻中カラー」(一作品の途中に挟まれるカラー)という言い方は独特なのでしょうか。
ちなみに雑誌全体のちょうど真ん中にカラーページがくるようになっています。

なにぶん、チェックしている雑誌がそう多くはないので、「そんなん青年誌では前からやってるよー」とつっこみをいただくかもしれません。むしろそんなつっこみを是非!
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ちなみに、マンガ誌における表紙&巻頭カラーというのは作品の人気度を如実に表すので、統計をとってみると面白かったりします。
私も昔、レポートを書く際、自説の根拠として、某作と某作のカラー掲載回数を数えて比較したりしました。
今回検索してたら、「りぼん」の表紙・巻頭カラー分析のページが出てきて、これなんか見てるとなんかだんだんうっとりしてくるんですが、理由は自分でもよくわかりません・・・。

なつき
by ouraiza | 2010-04-13 03:02 | ふらふら散歩(終了) | Comments(0)
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