プルコギ屋   なつき
私担当分では、年内最後の投稿です。今年もいよいよ終わり、なんだかまだ実感がありません。
まだまだまとめることは出来ませんが、印象的な出来事をひとつ。だいぶ前の話です。

店にはあまり見かけない、今風の若い女性がひとりご来店、本を鞄から差し出して
「あの、こういう古い小説を読みたいのですが」。
それは芹沢光治良の文庫本。思わず固まるわたし。
恥をさらすようですが、私は当店の主力分野にもかかわらず、近代~現代小説に決して強くなく、
芹沢など、完全に名前しか知らない始末。(いやー恥ずかしいです)
彼と作風が似てて、同時代の作家・・・・ぜんぜん、浮かばない。どうしよう。久々に冷や汗が体を流れ伝います。
若い女性向きの「古い小説」なら、まだ何とか思いつく、でもたぶんそれとは違う・・・。内心うめきながら、
困ってもいられないので、その方と相談しながらその日は必死に数冊みつくろってご購入いただいた。
その後、代表せとさんが店に来たときに、上記の事を伝え、何人かの小説家を指南してもらい、
幸いにも、再度ご来店いただいた折にそれをご紹介することが出来たのでした。

この仕事をしてて、門前の小僧の習わぬなんとかで、作家名やジャンルなど表層の部分はちょっとずつ何とか覚えてきた。
また「この人は売れる」「この本は探している人が多い」といった感触なども、ふわふわ少しづつ掴んできたように思う。うっすらと。
だけど、それぞれの作品のテーマ、また誰と誰が同時代で、作風が近くて、誰と繋がりがあって、どんな評価を受けていて・・・といった、
本の内容にかかわるような横の線や深いとこ、がほんとうに頭に入っていない、そんなことを改めて考えさせられました。

今思うと、これがマンガだったら、たぶん応えられる可能性も自信もずいぶん違ったように思う。と、いうことは文学もこれから覚えていける可能性もゼロでは・・ない?

その辺りが来年の課題の、数ある、大事な一つです。

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プルコギ屋   なつき_f0035084_2502058.jpg今日はせとさんにシフトを交代してもらって、かけ持ちバイト先である図書館の忘年会へ出席してきました。
顔見知りながら名前を知らなかったり、ちゃんと話したことが無い方が多かったので緊張しましたが、楽しかったです。
なかでも
「木村さんは古本屋で働いているんだよね」と同僚に言われた時、隣の方が
「え、プルコギ屋?」
と聞き返されたのが素敵でした。


みなさま良いお年を!

なつき
(※写真は昨日川越のデパート丸広で乗った屋上観覧車。念願だったので嬉しさもひとしお。)
by ouraiza | 2009-12-29 01:16 | ふらふら散歩(終了) | Comments(0)
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