四谷怪談地誌 塩見鮮一郎 河出書房新社
630円
売切
最近で一番びっくりしたこと。四谷怪談に雑司が谷が出てくる。というか、本書によると、元となった実際の事件は新宿区の四谷なものの、鶴屋南北が執筆するさいに、「雑司ヶ谷四家(ヨツヤ)町」を、田宮伊衛右門とお岩が住んでいたところにしたらしい。第二幕、彼らがこの地に引っ越してきて、三角関係もどんづまり、いよいよ毒を盛られて苦しむお岩。この最初のクライマックスが起きるのが雑司ヶ谷だったとは。
その後も、この本をぱらぱら見るだけでも、「姿見の川」(=いまの面影橋)、「早稲田」のあたりの地名が出てくる。すごい、一気に身近になりました。
モーニングで連載中の歌舞伎マンガ「かぶく者」(たなか亜希夫)、ちょうど作中での演目が今、四谷怪談で、毎号かなり迫力ある主人公たちの立ち振る舞いが描かれている。来週から見方が変わりそうだ。
そういえば西巣鴨にお岩さんの墓があるお寺、妙行寺がありますが、それは田宮家の菩提寺だった上、明治末期に四谷からこちらに移転したからみたいです。(ちなみに妙行寺にはうなぎの供養塔などもあります。)
追記:田中貢太郎の「四谷怪談」には
「伊右衛門はますます恐れて雑司ヶ谷の鬼子母神などへ参詣」した記述などもあるようだが、鶴屋版ではどうなのだろう。原典にあたりたくなりました。
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金子光晴自伝を拭いていたら、中からはらりとタバコラベルの切れ端。色といいなんだかとてもよい。
断片の文字から検索した結果、「PALL MALL」というアメリカのタバコのよう。ルパン三世の次元が吸っているものとして有名らしい。かっこいー。
なつき