最近読んだ本
『航路(上下)』 コニー・ウィリス著 ヴィレッジブックス
ネギさんが面白いから読め、と貸して下さった。この著者は、アメリカのSF界の女王とされているそうですが、この作品に関してはSF作品としてではなく、ミステリーとしても読める作品だと思う。
テーマは臨死体験。臨死体験自体にはあまり興味はないものの、死や死ぬ瞬間ってどんなだろう、などという疑問は人並みにあるので、大変興味深く読めた。登場人物も、キャラクターが豊かで取っつき易い。これを読んでいる間、奇妙な体験をした。夢の中でこの本を読んでおり、夢の中の本では、主人公がちゃんと生き返ったのに・・。ジョアンナ、あなたは還らなかった。むぅ。主人公がもう一人の主人公ともいえる女の子を死から救い得たという場面は涙ものでした。解説で豊崎由美も再読をおすすめしているが、再読したくてもこの長さ(1300ページ)では軽い気持ちでは再読できないかな〜。同じ著者の他の作品も読んでみたい。
『友がみな我よりえらく見える日は』 上原隆 著 幻冬舎アウトロー文庫
帯の「早川義夫さんに紹介された本」という文句と、内容説明文の中の「ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家」という文句に興味をそそられ読んでみた。
この本に出て来る登場人物はみな、劣等感を抱えながらも「普通」に「現実」を生きている。現実逃避をしたくなった時に読むと、逃避するより受け入れろ、と喝を入れてくれる一冊だと思う。とはいえ、説教じみた書き方とかジメジメした書き方とかいうのでは全くなく、シンプルな文章ながら温かさを感じさせ、しかも情景が映像のように思い浮かんでくる。職人技というものか。
ちなみに「芥川賞作家」というのは、東峰夫のこと。俄然興味が沸き、今『オキナワの少年』が読みたくてしょうがないのだが、文春文庫、どうやら品切れくさい。
本のタイトルは、石川啄木の歌
「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ」
より。
よむみち