古書往来座の鈍行通販新入荷
偶然、なにかがある、かもしれません。

# by ouraiza | 2025-12-31 23:59 | Comments(0)
惰性も技    せと
 やはり、雀が減っているようだ。毎日新聞のウェブ記事によると「スズメは年3・6%」いなくなっているとのこと。

9月30日月曜日。
 内勤の日だが半日休む。慣れない午前中からの出勤を日常化するには初期疲労を地均ししていくための休みもたまにあっていい、と都合よく思う。
 夕方出勤してウェブ発注対応と少しだけ番台からはみ出た小山の値段つけ。

 夜、薄暗くじんわり仕事をしていた店に北国から友人が訪ねて来てくれた。店にいてよかった。北国の事情などを聞く。体調不良とのことで小宴には出かけず。

 ドラマ「ファーゴ」シーズン5を観始める。とても面白い。ミネアポリスの右上のミネソタ州スカンディアという町。ファーゴから西へ約460キロのノースダコタ州スタークという郡。

10月1日火曜日。
 柔術の師匠のようないでたちの白髪長髯の老師が「惰性も技である!惰性も技である!!」と2度同じことを低い声で叫び、ぼくの周りにマンガの吹き出しの「ガーーン!」が発光した、ところで目が覚めた。なんだかいい夢を見たような気がしてウキウキした。そうか、惰性も技術なのだ。

 休みだがなんとなく出勤して午後遅めからやや多めなウェブ発注対応、少しだけ値段つけ。『名画座手帳2025』の宣伝事務、ホームページと通販サイトを更新。
 ドラマ「ファーゴ」シーズン5を観る。

10月2日水曜日。
 休み。夕方からYBA(山田ビリヤードアカデミー)。慢性的寝不足を晴らして臨みたかったが昨日も午前2時から冴え冴えし、5時に観念した。最近体得しつつある「悠々たる柳の型」を実践するも、地軸がズレた時間が続き、ズレを補正するには缶ビールだ!と思いついていつもより早めに飲み始めてしまった。6対10で敗け。通算155敗88勝。
 木々屋さんにて(と、後日反省会に参加してくれたムトさんに確認。記憶がない。)反省会。競技をしていて想うのは、山田くんの経験に裏打ちされた発想力と、楽しそうな創造性。ぼくは縛られている。
 
10月3日木曜日。
 Tverで観た「水曜日のダウンタウン」で野田クリスタルさんが雑司が谷の街角に半裸で出現なさっていて楽しくびっくり。
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 二日酔いにあと少しの一と半日酔いのため前業を休ませてもらい出勤して諸事。
 先日お預けした冬用コートをクリーニング屋さんに受け取りに行くも、臨時の店員さんが保管場所がわからず果たせず。とてもめずらしいことで可笑しい。
 
 昨日YBAの練習前にじっくり検分してこれだと決めていたビリヤードのキューをビリヤード・ロサさんの売店にて買う。30年ほど前に、早稲田のリサイクルショップで冗談のように古いキューを2000円で買い、曲がっていたので削ったりジョイント部分に5円玉を挟んだりして使っていたことがあったが、真剣に上達を目指して買うのは初めてで、ファーストプリティマイキュー、をついに持つことになった。非常に嬉しく、店に戻ってじっくり眺め入る。

 『名画座手帳2025』の宣伝業務を少し。
 閉店まで『名画座かんぺ』最新号の折り、226枚。立ち寄って下さる友人たちにその都度マイキューを自慢する。

 夜、『名画座かんぺ』を配布してくださっている白山のジャズ喫茶・映画館さんに発行人ノムとムトさんとでお伺いする。以前驚いたあの素晴らしい音響空間に身を置くことを再体験したかった。映画館さんは遠くない将来に頃合いを見計らって運営を別のかたがたに引き継がれるご予定とのことで、その前にご挨拶もさせていただきたく。マダム・キヌコさんのX個人アカウントのポスト。「木の実」が斬新なポエジーで嬉しい。
 
10月4日金曜日。
 前業サボり。開店して諸事。小雨。

 午後、お客様が「東京學藝大學附属豊島小學校」と銘のあるノートをお持ちくださった。東京府立豊島師範学校附属小学校を前身とする、現在の池袋西口公園と東京芸術劇場の敷地に1964年まであった小学校。お客様はその小学校の購買部の書籍を担当していた創業100年以上の新刊書店でアルバイトをなさっていらしたとのこと。すごい。曖昧にしか認識していないことで、いい機会なので軽検索をミックスして池袋西口公園大雑把110年史年表を作ってみた。古書往来座の前身、古本大學芸術劇場店が東京芸術劇場のテナントだったのは、1995年多分1月から2004年3月。

1909(明治42)年/「東京府豊島師範学校」開校(設置は前年)
1911(明治44)年/「東京府豊島師範学校附属小学校」開校
1943(昭和18)年/官立(国立)へ移管、「東京第二師範学校」と改称
1945(昭和20)年4月/空襲で附属小学校の校舎を残して全焼 池袋西口の闇市が発展
1947(昭和22)年/小金井に移転、1949(昭和24)年に新制「東京学芸大学」(小金井)と改称
1949(昭和24)年/池袋の附属小学校が「東京学芸大学東京第二師範学校豊島附属小学校」となる
1951(昭和26)年/「東京学芸大学附属豊島小学校」と改称
1964(昭和39)年/「東京学芸大学附属豊島小学校」が「東京学芸大学附属小金井小学校」へ移転、廃校
1969(昭和44)年/校舎取り壊し
1970(昭和45)/附属小学校の跡地の一部に「池袋西口公園」開園 10月/ローラースケート場開業
1990(平成2)年/池袋西口公園の一角に「東京芸術劇場」開館
2000(平成12)年/ロケ地となったTBSドラマ『池袋ウエストゲートパーク』放映
2019(令和1年)11月/リニューアル、野外劇場グローバルリングシアター設置

 東京芸術劇場が今年9月末から来年7月中まで設備更新のため長期休館、とのこと。テナントのかたがたにもさぞ影響があるだろう。
「東京学芸大学教育コンテンツアーカイブ」の資料検索での「豊島師範学校」の検索結果に臨場感があって面白かった。
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 閉店後の帳場端会議にて立ち寄ってくださった友人Pさんたちと、「ヒロポン」とはどんなものだったか話し合うなど。昭和24年に20錠入りの瓶が21円とのこと。『名画座手帳』内の「あの頃の物価表」によると、「うどん・そば」が昭和24年に15円。極めてなんとなく、今で例えるならタバコ2箱分くらいの感覚なのではなかろうか。

 ドラマ「ファーゴ 」シーズン5を観る。

10月5日土曜日。
 前業にて在庫軽量化のため店奥に積んでいる箱を開けて市場出品の準備。15個の段ボール箱が6個になる。開店して諸事。雨。

 夕方、市場に出品へ。久しぶりにワイパーを中段階でずっと動かし続ける。

 店員ノムによりついに番台上の映画系山脈の値段つけが終了。以後清掃、必要ならウェブ登録とパッキング、と続き、大きな山脈なので棚の一部解体、配架場所の新設も必要になりそう。

10月6日日曜日。
 前業にて番台からはみ出た小山の値段つけ。近隣にて手創り市が開催されているので先日片付けたブツ類を外の特設棚に配架するなどの開店作業をして諸事。
 
 ご近所の郷土史研究がお好きなHさんが立ち寄ってくださり、明智光秀の墓が雑司が谷にあるかもしれない、もうワックワクするわ!と仰っていた。

 お預かり委託商品の商品化を進める。現代詩の本で、商品化しながら何気なく目を通していると初めて見ることばが多く面白い。・【忌諱(きい)】おそれて避けていること 「―に触れる」(人がいみきらっている事を言ったりおこなったりして、その人の不興を買う)・【向日性(こうじつせい)】植物が太陽の光の方向に向かって成長方向を変える性質。自分の酔ってあえて忌諱に触れる方向性に進む傾向を抹殺したいな、天然の向日性を持ちたいな、など。

 夜、先日とある大塚の居酒屋さんをオススメしてくれて、そこに行ってやはりよかった、と実地検証を終えた友人Pさんが立ち寄ってくださり、なんの話の流れだったか、「やまない雨は無いって励ますつもりで人は言うことありますけど、雨はやんでもまた降るじゃないですか。雨は、やみません。」と仰っていた。惰性という技が傘になってくれるのではないか。今日は一日中雨が降り続いた。

# by ouraiza | 2024-10-02 02:49 | Comments(0)
納豆にケチャップは不味い    せと
9月23日月曜日。
 営業をせず内勤。番台からはみ出た小山の値段つけ。

 昨日商品化してウェブに登録、棚に飾ったばかりの「藤子不二雄色紙」のご注文をいただきとても驚いた。しばらく売れずに店にあることを愉しめる値段をつけたつもりだったので、ありがたいながらに寂しさもある。厳重に梱包して発送。

 手帳編集部Iさんと以前から機会到来を待っていた企画、ご近所のそば屋のまつやさんから出前を取って皆で食べる、を決行する。ぼくはカツ丼ともりそばのセット、大盛り。まつやさんが運んで来てくださったお盆の重厚感、食器の経年具合、味の深い美味しさ、デジタル処理されていない迫力に感動する。風邪をひいた時だけの特別なチャーシューメン、など、皆で幼少期の実家での出前体験を語り合ったりする。ラーメン丼に被されていたサランラップの輪ゴムを外すのに戸惑う感じ。食器を外に出しておくとそば屋さんがいつのまにか回収してくれている、という町の不思議。
 
 『名画座手帳2025』の帯の按配。

9月24日火曜日。
 休み。午後遅めに店に集合し、岐阜から催事のために来ている古書と古本徒然舎のツレッズと遊ぶ。うどん居酒屋硯家さんにて宴。同世代の同業なので話が尽きない。ツレッズが今計画しているビル3階の新しい売り場の設計図、普請中の画像がとても興味深くて目が離せなくなる。なんと楽しそうな、しかし気苦労も当然多そうな。酔ってから、皆で遊ぼうよとビリヤードに誘ってしまう傾向が生じつつある自分がなんだかとても恥ずかしい。ツレッズがお土産でくれた今年6月に閉業なさったいけぶくろ西武デパート屋上、うどんのかるかやさんのTシャツ。
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9月25日水曜日。
 休む。ぼーっとしたままなんとなくYouTubeでアニメ「おーい!竜馬」を観る。創作部分が多く史実がかなり脚色されているのだろうが面白い。尊皇勤皇攘夷開国倒幕佐幕、その複合、やはりいまいちわからない。
 夜、ドラマ「ファーゴ」シーズン4を観る。
 深夜、なんとなく空腹で納豆をつまみ食いする。ふとケチャップをかけてかき混ぜて食べてみたら非常に不味い。納豆にケチャップは、不味い。

9月26日木曜日。
 前業後開店して諸事。
 ずっと気になっていた店のガラス拭きをする。月に一度は必ず、と思っていたが怠慢で半年ぶりくらいになってしまった。拭き終わり番台から外を見ると、ガラス窓を通して入ってくる外光がとてもきれいだった。
 『名画座手帳2025』の帯の校正など。うっかりミスが起きやすい浮遊感が日々にあり心配。
 夜、業界の大先輩にご馳走になる。とても美味しい焼き鳥に有意義なお話をお伺いし、とても楽しい。緊張しつつ楽しくて、ということは反省点の積み重ねで、夜が更ける。

9月27日金曜日。
 二日酔いで遅く出勤。久しぶりに耳元で「死にたい死にたい」と呪詛を唱える仇敵支荷田以蔵の訪問を受け、わかったわかったすまぬすまぬ、とゆっくりなだめていく。こんな時の自業自得な脳の乱気流への鎮静剤は単純な記憶作業だったりするので、江戸時代の元号を初めから全部ではなく無理せず少しだけ憶えようと、元和、寛永、正保、慶安、まで進み、げんなかんえいしょうほうけいあん、とひたすらそれを繰り返す。

 午後遅めに出勤して諸事。
 店員ノムが探してくれたタンブラーというコップがとても便利で嬉しい。コンビニのアイスコーヒーなど氷が入った飲料をカップのまま置いておくと、結露現象で置いていた場所が濡れてしまうことが煩わしかったのだが、カップをこのタンブラーに入れておくと結露が防げるのだった。さらに氷がなかなか溶けなくもなった。
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9月28日土曜日。
 前業で番台からはみ出た小山の値段つけ。開店して諸事。

 午後、市場に預かりものを出品へ。護国寺前の坂道を登りつつ、数年前、気が遠のく恐怖感が降ってきて路肩で休んだことがあったが、ちょうど同じくらいの場所で、前の車との車間距離をいつも通りに合わせてブレーキを踏んで停車したつもりが、風景がぎゅぎゅっと前へ進んでいき、自分がバックしている感覚に一瞬囚われる。以前と同じく、水を飲んで何度か深呼吸を繰り返すとすぐに平常に戻った。

 このところずっと番台上次期商品化ドックの全面に映画関連の山脈が積まれていて、店員ノムが徐々に値段つけを続けている。値段つけをする作業場もその山脈に支配されているので、ぼくは小さな隙間を見つけて番台からはみ出た小山の値段つけと配架、少しややこしいが高額な保留物の商品化を進める。柄澤齊木口木版画集『NINE NUTS』は本来なら9点の版画が付録しているところ残念ながら2点しか入っていない。しかし『NINE NUTS』ってなんて魅力的なタイトルだろう。

 夜、ドラマ「ファーゴ」シーズン4の最終話。とてもファーゴで面白かった。シーズン4を観終わったらしばらくファーゴを休むべきか、と思っていたが、すぐにシーズン5に進むべきだと思い直した。

9月29日日曜日。
 前業で番台からはみ出た小山の値段つけ。開店して諸事。
 秋めいた、猛暑からの開放感のある日曜日なのに残念ながら小雨。
 『名画座かんぺ』最新号の表紙をゆっくりと作る。久しぶりに布に版画。『名画座手帳2025』の宣伝を添える。

 友人Pさんが上板橋のイトーヨーカドーの閉業が今日の19時、と教えてくれた。実家から徒歩7分ほどの距離なので、幼少期、祖母や母に連れられていく買い物はほとんどそのヨーカドーだった。駅前の東武ストアと勢力を二分していたが、屋上に遊技場があったヨーカドーが子供には人気だった。初めてアーケードゲーム、インベーダーだったかブロック崩しだったか、の筐体の前に座ったのも、バッティングゲージでバットを振ることに挑戦したのも、綿飴というものの存在を知ったのもそこだった。

 夜、古書信天翁センパイが立ち寄ってくださり組合の会計のお仕事をなさり、店員TTが以前からおすすめしてくれていた高田の高戸橋近く、神田川沿いの居酒屋さんに飲食へ行く。美味しくて安くて驚く。初めて亀の手というものを食べた。とても美味しかった。雨上がりの神田川は暗く静かにそこにあった。

# by ouraiza | 2024-09-27 16:51 | Comments(0)
骨    せと
9月16日月曜日。
 営業はせずに店内で業務。ダンボールの塔の下半分のうちのどれかが重さで徐々に変形し、塔全体が傾いてだんだん倒れそうになっている状況をなんとなく放っておいたのだが、いよいよ明日の休日中、もしくは明後日の店員TTしか店にいない時間に倒れるだろう、と判定し、ただ直すだけなのもあれだしな、と三箱分の中身を抜いて市場向きを選んで4束に縛る。
 午後、10年以上前からたまに買い取りのご依頼をいただいていたご近所のお客様がいよいよお引越しとのことで、手帳編集部Iさんに臨時お手伝いをしてもらいつつ、出張買い取りへ。某漫画家が遺した蔵書、参考になさったのであろう資料類など。「あげる、って言ってもみんな『ああ、なるほど‥‥』とか『いやちょっと‥‥』ばっかりでもらってくれないのよ!」と処分にお困りの、以前は輸入が許可されていたという本物の人骨全身標本をみせていただく。着色されているからだろうか、目視ではよくできた樹脂製にしか見えない。ははぁ、なるほどですね‥‥とお応えして動かすのは差し控えた。美術的な人体構造把握のためにお父様がどこからか購入、娘さんを「これはな、本物なんだぞ〜」と冗談で脅す。数十年経ってお父様がご逝去後も、娘さんはその人骨標本が本物であると信じていて処分に困る。処分を依頼された業者も、なるほどですね、と依頼をふわっと流す。そんな構図が浮かぶ。出張買い取り初お手伝いの編集部Iさんが大ベテランの古本屋のような抜けたバイタリティを発揮してくださるのに非常に救われつつ終了。
 番台からはみ出た店内向け中山に値段つけ。

9月17日火曜日。
 久しぶりに1日休みなので廃テンションを全うしようと計画していたが、結局渡世上必要な連絡事項などで時が経ち、小川のほとりでそよ風を受けながら微笑んでいることはできない。
 夜、映画「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」を観た。

9月18日水曜日。
 休み。休みといっても休んだ気がしなかった昨日と違い、猫の皿洗い、洗濯などをした他は無為に時を過ごすことができた。しかし、やっていない宿題があるという薄霧のような焦燥感は消えない。あるご常連のお客様が数年前「こないだやっと父の遺骨を近所のお寺に埋葬したら、なんというか、すっげー自分の気分が変わったんすよ!」と仰っていたのだが、それだろうか。月曜日にお客様宅で拝見した骨格標本を思い出す。

 夜、ドラマ「ファーゴ」シーズン4を観る。

9月19日木曜日。
 前業後に開店して諸事。久しぶりに昼食でアナモルさんのキーマカツカレーをテイクアウトする。
 冬に着るダウンコートとジャンバーをついにクリーニングに出すことができた。何年も洗っておらず、ここ3年くらい、必ずクリーニング屋さんに持っていかねばと思っていたのに時流に溺れて果たせず、だらしなさを悔いていた。
 見て見ぬふりをしていた公的書類に嫌々ながら意を決して取り組み、2通の封書をポストに投函。以後、いつも使わない脳の領域が刺激されたからなのか、痛烈な眠気に襲われて困る。
 車に積んでいた先日お預かりした大山を降ろして仕分け。店員ノムが現地で一旦市場用に縛ったのだが、帰り際にお客様が「もう父ったらすぐにベタベタと蔵印っていうの?本に判子捺しちゃうのよー」と仰っていたのを聞きギクっとし、その確認のために全部解いてチェック、など。
 立ち寄ってくれたBさんと缶ビールを飲みながら、先日もお聞きした、Bさんが精米されていない玄米一袋を路上の廃棄物置き場から救出して精米所で精米、非常に美味しかったというお話を再び聞く。それがなかなか米びつから減らない、という点が増補されつつ。

9月20日金曜日。
 前業にて昨日仕分けした大山を市場用に準備。開店して諸事。
 市場への出品に出かけようと車に3点を積んだが、ふと来週月曜日の祝日に市が開催されるのか気になって調べると、開催はされるのだが月に一度の「優良市」とのこと。普段は最低入札額が2000円のところ優良市では5000円になる(後日、そんなことはなくて2000円である、と同業の友人から教わって驚いた)。3点の予想落札額は8000円、4000円、4000円であって、ボー(落札者無し)になって引き上げに行かねばならなくなる可能性が非常に高い。出かけるのが億劫だった気持ちが増大して、サボることにする。
 番台からはみ出た小山数個を値付け、配架。
 夜、立ち寄ってくれたKさん、Sさん、ミヤモトくんとヤキトンみつぼさんにて飲食。やはりみつぼさんのカブはとても美味しい。味噌に秘密があるのか。なんとなく使わないように用心している、もしくは使う際にそれでいいのか毎回悩む言葉について。「ネタ」「おいしいorうまい」「お金」「お酒」などなど。ミヤモトくんがミケランジェロのダビデ像のようだと思った。

9月21日土曜日
 前業のために一応午前中に出勤したのだが二日酔い、というか、酔っているのに眠れずに起きていた出涸らし役立たずな状態で店の奥で寝る。よろよろと開店して諸事。
 実家を片付けるために兄と母と実家に集い「やっぱ片付けるのは難しいネ」と食事をする会の予定だったが延期をしてもらう。
 懸念を一つでも減らさねば、と、北部古書会館が解体された跡の空き地へ自転車で行き、背が高く目立つ雑草を7、8本引っこ抜いた。服に雑草の種がまとわりつき、ビーサンの足に土が降るのがなんだか懐かしい。空き地の角の地面にチャーハン(様のもの)とマカロンのような小型洋菓子の紙皿が数枚散乱していたのが気になる。左手にチャーハン、右手にお中元のマカロンを持った不審者が空き地の一角で食事を摂ろうとし、先にマカロン一箱を平らげたところ予想外に腹が満ち、チャーハンをそこに放置していった、と推測。
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 夜、なにか高額なものをウェブに登録して希望を持ちたくて保留物の箱を開け『画本唐詩選』という和本を按配する。巻によっては絵がすごい。一番古い巻の刊行が寛政3(1791)年で、233年前!と驚きつつ信じられない感覚。
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9月22日日曜日。
 営業前に前業をするようになって1ヶ月以上経ったが、現在の最重要課題である在庫過多問題にいい影響がある一方、営業開始後は違うことをやろうとしていたのに切りのいいところまでに至らなかった前業内業務を営業開始後にも引きずることもあり、バランスが難しい。
 数年前から遂行可能な仕事量が減っているのだが、もちろん老化が原因でありつつ、ふと別の原因の一つに気付いた。管理保全の仕事が増えている。儚くも剥がれていくセロテープの貼り替え、回転が鈍くなったキャスターへの油差し、天板の上に積もったホコリの掃除、勤続疲労を起こした木製看板の修理、などに使っている時間が増えている。

 『名画座手帳2025』の詳細ホームページオンラインストアを立ち上げる。詳細の肉付きの発表前なのでまだ骨のみ。

 夜、ドラマ「ファーゴ」シーズン4を観る。

# by ouraiza | 2024-09-19 00:52 | Comments(0)
バサダー    せと
9月9日月曜日。
 午前4時前にふと目が覚め、大事なメールを出すことを忘れていたことに気付いて店へ。すぐ終わらせて戻って昏倒。
 店は開けず内勤。封鎖している店奥に積んでいる単行本、文庫を仕分けして市場の準備。約30束を車に載せる。
 結局のところ店での即戦力は文庫。ちくま学芸、講談社学術文庫など五十音順に配架せず枠でまとめる文庫が増えそうで嬉しい。今まで使ったことのない小ぶりな段ボール箱に店員ノムが社別に分けてぎっちり詰めたが、大きめな段ボール箱にA5判や四六判を詰めたものより猛烈に重くてびっくりする。

 手帳編集部Iさんから、社会人における月曜日から水曜日まで高レベルで一定、週末に向かって少しづつ緩んでいく人間の怖さ、についてお聞きする。

9月10日火曜日。
 休みだったが、経理のために銀行から出金しておくことを忘れていて予定外に早めに出勤、諸事。
 夕方から組合の月例会議。組合員活動の目標の一つである神田周辺での経験を少しでも増やすこと、今日は経験豊富なTちゃんに神田餃子屋さんに連れていってもらった。古書店業2代目であるTちゃんの思春期におけるエロ本調達の悲哀、MAD-OX、正確にはバツ2、などと手帳に残っている。楽しい。帰路、前回のお返しでTちゃんの背中をなでなでする。

9月11日水曜日。
 午後早めからご近所のお客様の事務所お片づけの算段へ。久しぶりに元店員うすだ王子と一緒にでかける。ぼくが今回お役に立てたのはオリコン約1つ分のみ。ただ片付けるだけではない方向性の想定がかなり難しい。お客様Sさんととうすだ王子とうどん居酒屋硯家さんにて軽打ち上げ。Sさんの「人は固まったらおしまい」ということばがむぐっと入ってくる。王子と”うちの本社”西武ダイヤゲートビルのテラスで少し会議。王子が帰宅するための新幹線に間に合ったかどうか心配。

9月12日木曜日。
 前業、開店して諸事。
 お預かりしているものを市場に出品へ。砂浜に打ち上げられたクラゲのように疲れている。
 今週末に迫った「b-Spo」だが、時間がなくさらっとしか準備ができそうもないと諦めていて、ほんのさわりだけ準備。
 
 店奥のカーテンを外して先月15日からの封鎖を約1ヶ月ぶりに解く。今後も封鎖する予定がありそうなのでカーテンをかける店奥を横断する長い棒をそのまま残すことにする。
 近所での祭りが本番のようで無謀に華々しい気配に付き合うのが億劫で早めに閉める。

9月13日金曜日。
 前業、開店して諸事。
 「b-Spo」の準備に集中する。掲示ボードの印刷、工作を終わらせる。
 『名画座手帳2025』のデータ確認など。
 夜、新聞を購読しているミヤモトくんから注目記事を読ませてもらう。しわくちゃな新聞紙が詰まったリュック内のファイルから、手で破って保存された渡辺武信さんの訃報記事も見せてもらう。
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 立ち寄ってくれた友人Kくんとライブ帰りのナンダロウさんとムトさんも合流してラーメン福やさんにて軽宴。20代のKくんが福やさんの大盛りチャーシューメンをがっちり食べていてそれがとっても美味しそうで、胃もたれやダイエットを気にしている自分が哀しい。

9月14日土曜日。
 前業にて先日仕分けした文庫中山の値段つけ。1日の業務が終わった時、あれ、今日店のことほとんどできなかったね、と感想を持つことがここ数年多くあったのだが、前業はそれを無くすことを目標にしよう、と店員ノムと相談して決めた。これが実は、店と通販のバランスにとって相当画期的なことなのではないか、と思う。

 開店して諸事。午後急ぎめに市場へ出品に行く。バイタルゲージの黄色信号を自覚しているので急ぎつつもアクセルは踏み込まず。
 「b-Spo」の最終準備をし、閉店後にYouTubeライブ放送「不忍ブックストリームⅡ」の本番。特集「Book! Book! Okitamaの10年」のゲスト様たちのお話もとても面白く。
 担当コーナー「b-Spo」は「表紙でドン!」の少年探偵編、ポプラ社、江戸川乱歩「少年探偵」シリーズ内の表紙絵からタイトルを3択で当てる競技。薄々気付いてはいたのだが実行するのが難しかった、「もっと適当に思いついたままを軽ーくやったほうがいいんじゃないか」という点が、物理的に自然にそうなってとても楽しかった。それでいいのだ、なのだが、今後実践できるかどうか。
 b-Spoは1:19:58くらいからです。
 放送中も明日の鬼子母神、大鳥神社での手創り市さんに便乗して外で大展開するための雑貨類をずっと準備してぐったりしていたb-Spo委員たちと松屋さんにて軽飲食反省会。

9月15日日曜日。
 早めに出勤して皆で雑貨類を外で売る棚作り。固定した感を持ちがちな棚配置が変わるのと同時になんとなく全体の気流も変わるようで楽しい。
 開店して諸事。雑貨類を担当して外で番をするムトさんが店のドアを閉めるな、とのことで暑め。
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<撮影/武藤良子>
 『名画座手帳2025』の事前宣伝作業が時期的に例年より少し遅れていて、急いで注文書を作る。ばらばらだった細部を混合し新版の全貌をまとめることになるので作っている側も全体のイメージを持てることになる。DM、ホームページ、販売サイト、簡易プレスリリース作成には至れず。

 夜、立ち寄ってくださった手帳編集部Aさんが外で売っている雑貨類のひとつであるHUGO BOSSのサングラスを装着した姿がとても似合って可笑しく、「BOSSって大谷翔平さんがアンバサダーですね」などとぼくが言うと、「おお、なんバサダー?わたくし3バサダーくらい?」とAさんは仰っていた。

 閉店後、近所の中華料理廣州酒家さんにて軽い打ち上げ。バンバンジーと冷やし中華は違うもの、とのこと。


# by ouraiza | 2024-09-18 04:34 | Comments(0)