# by ouraiza | 2025-12-31 23:59 | Comments(0)
子熊    せと
3月10日月曜日。
 午後出勤。なんとなく店に置いてあるゴムボールを棚下のストッカーに投げて跳ね返りをキャッチする遊びを始めると、右肩と上腕が凝り固まっていて痛く、球を投げることが辛かった。送球は数少ない得意な運動のひとつなので残念。同業の大先輩が、あのさぁ70歳過ぎても40肩ってあるんだよぉとおっしゃっていたことを思い出し怖い。まだ野手としてグラウンドで輝く野望は捨てきれない。

 営業はせずに内勤。大判図録類の値段つけをずっと。

 ドラマ「宙かける教室」を観た。

3月11日火曜日。
 休み。早起きをして兄と実家に集合。父親の彫刻原型を預かっていただいていることがわかった埼玉県岩槻の鋳物屋さんへ車で行く。
 助手席の兄は作っているまとめサイトなどパソコン業界の話をずっとし続け「スクレイピング」(多分なにかその、データを根っこからコピーするみたいなことだと思う)の事情などを教えてくれたが、ぼくはその1割も理解できていない。兄弟だから車の運転に関して不安を感じる領域が同じなのだろうか、兄はコンピューターの話をし続けながらも、運転しているぼくの不安を的確に察知して魔法のようなナビをしてくれてとても助かった。
 彫塑家(わかりづらいので一般的には彫刻家/おおまかにいうと彫塑は柔らかいものを肉付けし、彫刻は硬いものを削る)は・粘土で原型を作る・粘土から石膏化する・石膏から注文に応じて鋳物屋さんに依頼して樹脂化やブロンズ化する。そして石膏だけでなく樹脂もブロンズも原型になり得る。という漠然とした流れすら家族に伝えないまま父は倒れてしまったので、お付き合いしていただいた鋳物屋さんへのご挨拶がとても遅れてしまった。
 清々しく優しい鋳物屋さんは生前の父の作業について詳しく、いろいろ教えていただきながら、14体の小品の原型と、昨年の回顧展の際に見つけられなかった大きめな像「エチュード」を車に積む。兄が小学生低学年のころに作った馬の像を父親がブロンズ化してもらおうとしており、それが鋳物屋さんの倉庫の棚に置いてあるのを見つけ、驚いて兄と二人で声を挙げた。
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 帰路、運搬の不安を払拭した兄弟は往路よりも軽くなった気分で回転寿司「くら寿司」に立ち寄り、先端的配食システムに感動したりしている。

 夜、ドラマ「宙かける教室」を最終話まで観る。とてもよかった。
 
3月12日水曜日。
 休み。無為に廃す。

 夜、退院することになった猫の玉を動物病院へ迎えにゆく。数値は改善しつつあるが平均よりも悪く、あとは自然の成り行きでの自発性に依る段階。同居しているなんとなく玉がいなくなり寂しそうな猫の梅だったが、戻ってきた玉が強烈にまとう病院の香りを嗅ぎ、シャーシャーと威嚇してお前は誰だ、どこの回し者だ、と怒っている。

3月13日木曜日。
 前業に遅刻しつつ美術図録類に値段つけ。開店して諸事。

 夕方からの会議のため古書会館へ。会議の始まりを待ちつつ喫煙バルコニーのベンチで古書窟揚羽堂さんにグミをいただき、愉快なお話を伺う。
 その後ホテルに移動して会議特別編である懇親会。10年以上前だと思うのだが、支部の役をしていて懇親会に出席したことがあり、その時に食べたバイキング形式のカレーが美味しすぎて何度もおかわりをして、ホテルの給仕のかたに若干叱られ気味に止められたことがあった。今回の会場が10年以上前の会場と同じだとは気付いておらず、なんとまたあのカレーに再会できるとは。やはり感動の美味しさ。KKRホテルの「KKR」とは「国家公務員共済組合連合会」のことと軽検索で知る。
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 古書信天翁センパイによるぼくの発表の採点は、会議での発表が95点、懇親会での恥ずかしいぐだぐだ話しが−150点、計−55点、初めて0点以下で落ち込む。あれを言えばよかったこれを言えばよかったと自戒の暴風雨。胸が苦しい。消えたい。しかしそれはどこかで自分に期待している気色悪さの証左であって、どうせダメなんだから上出来じゃないか、と思おうとしてもやはり落ち込む。乗れば過去に戻れるカーペットがどこかにありませんか。ありませんか。
 帰路、酔ったぼくを御茶ノ水駅へ先導してくれている管理事業部タケちゃんが、「せとさん!”カケタサメ”大丈夫ですか?えーと‥‥カ、鍵!ケ、携帯!タ、たばこ!サ、財布!メ!メモ帳!」と、ぼくの忘れ物防止持ち物チェックシステム「カケタサメ」を憶えていてくれてとてもありがたかった。でも「携帯」と「メモ帳」がなんとなく違和感があるので「スマホ」と「手帳」に変更し、「欠けた鮫」をカギ-サイフ-スマホ-テチョウ-タバコ、「傘捨てた」に変更します。丸ノ内線に3時間前という名の駅は無かった。

3月14日金曜日。
 前業からずっと美術図録類大判の値段つけ。開店して諸事。天気がとてもいい。
 夕方、退院しても食欲が復活しない猫の玉を病院へ連れて行く。背中側の首の付け根に皮下注射。

 最近連日お持ち込み買い取りに来てくださるお客様が、趣味でガラパゴスやタンザニアに行き野生動物の写真を撮っていらっしゃるとのことで掲載誌やアルバムを見せてくださった。ジンベエザメの顔、虎の休息、チーターの食事、イグアナの潜水などなど、なんだか突然番台前に広大な地平線が現れた感興。遠くを見て呼吸することを忘れている、とぼんやり気付かせていただく。3丁目の路地裏から大地をみている人がいる。

 閉店間際にミヤモトくんが椿の花が開いている枝をくわえてカルメン状態でやってきた。これから開くはずの蕾をいただいた。
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 立ち寄ってくれた友人Kさんが持っていた明日の東京ドーム「阪神タイガース vs シカゴ・カブス」のチケットを見せてもらう。「カブス(cubs)」が「子熊」という意味だと判明して驚く。

3月15日土曜日。
 前業にて美術大判の値段つけ。開店して諸事。あらかじめ外を雨ガードシフトにしていて予報通り午後から雨。
 夕方、店員ノムがDJイベント参加のために早退、美術大判の値段つけを続けたが、どうにも手を動かす作業にひたすら没頭したい念が強くお客様もまったくいらっしゃらないので、早めに店を閉める。

 阪神虎軍対シカゴ子熊軍の観戦を終えたKさん兄弟が店に来てくれて、弟のKOさんがラジオ投稿におけるぼくのラジオネーム変更のアイデアをくださった。内容のつまらなさはどうしようもないが、なんだか体裁が磨かれた気がして嬉しい。
 その後酔ったミヤモトくんに連れられて来た、今後の生活に迷っている音楽家ルシファー・サンさんの悩みをお聞きする。「ぼくは妄想貴族なんです」と告白し、「なめくじ」という即興の歌を弾き語りしてくれた。
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3月16日日曜日。
 前業にて美術大判の値段つけ。開店して諸事。

 最終の詰め作業である、後回しにしていた商品化にややこしめな調査が必要な中山の値段つけを終わらせ、ここ最近続けていた美術図録類大判の値段つけが終わった。入荷したのは2年ほど前だったか。配架は棚の改装が必要なので明日の業務とする。
 美術大判を商品化している間に溜まったお持ち込み買取の小山をミックスした中山を次期商品化ポートに積む。

 閉店後の番台端会議にて、ご近所のSさんが「15年後ってどうなってるんだろうね‥‥」とおっしゃり、ムトさんが「健康でいようよ」と応じる。「そうだねぇ、健康、もしくは成功。ケンコー!もしくはセイコー!あ、ヒップホップみたいだ!」とSさんは言っていた。



ラジオ投稿の練習 メッセージテーマ「コレが得意です」

 ぼくは、足の指が自分でも信じられないくらい器用です。
最近は実験を休んでおりますが、以前試みたところ、床に落ちたピンポン玉、マジックペン、鉛筆、割りばしぐらいなら、右足でも左足でも、余裕で拾い上げてテーブル上に戻すことができます。最も拾いづらそうなシャープペンシルの芯でも、少しお時間をいただけましたら拾い上げることができます(できれば床はフローリングではなく絨毯でお願いいたします)。
 拾い上げたものをシュートする能力にも長けており、ハラっと脱衣カゴから落ちた洗濯物を足指で持ち上げて洗濯機にホールインワン、などはお茶の子さいさいです。
 しかし、そんな程度にしか役に立ちません‥‥!!日常生活のうちのたいていの時間は靴下か靴を履いておりますので、足の指を使ってヒーローになる道はいまのところみつかりません。このメッセージを床に固定した便箋に足の指でペンを握って書いちゃおうかな、と思いましたが、なんだか失礼な感じだな、と思い直しやめました。
 「足の指 大豆(だいず)拾い世界大会」などが開催されましたらぜひエントリーしてみたいと夢想している来年50歳になんなんとする初春です。

# by ouraiza | 2025-03-14 15:47 | Comments(0)
アーモンドチョコ線香    せと
3月3日月曜日。
 体調をかんがみて内勤を休む。
 先週猫の梅(19歳)が体調を崩してすぐに治り、ぼくの体内でブルドーザーが暴れはじめ、こんどは猫の玉(18歳)が絶不調になる。よぼよぼと毛並みを乱して虚空を見つめ静止。普段は朝の鳥のように鳴く猫なのに口を開けても音が出ず切ない。

 夜、ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を観る。「ギヤマン」がオランダ語の「Diamant」(ダイヤモンド)だったとは。「着炭(ちゃくたん)」は炭鉱で炭の層を掘り当てること。
 禁酒2日目。

3月4日火曜日。
 休み。午後、市場へ昨日無入札に終わった15本口の再出品手続きに行く。一つの市会でダメでも違う市会だと大丈夫、ということはよくありありがたい。戻って店でウェブ発注処理、値段つけ。

 夜、古書信天翁センパイと映画「ザ・ゲスイドウズ」をシネ・リーブル池袋へ観にゆく。戯画化、というのは難しいものだと思う。はまらないと辛い。
 ハワイアンと沖縄料理の居酒屋さんで感想会。兄店だった沖縄料理屋さんが物件になにかがあり一時的に妹店のハワイアン料理屋さんに間借りしている、という変則的な空間で楽しかった。アルコールを我慢してホットのサンピン茶。センパイからノンアルビールなら「アサヒZERO」、と教わる。
 禁酒3日目。丸3日間アルコールを飲んでいない、というのは、約30年前、20歳(実際はその前だが)以来初めてのことのような気がする。店をやっているとそうなる。

3月5日水曜日。
 休み。早起きをしてムトさんとDIC川村記念美術館へでかける。3月末に休館してしまう前に一度は、とムトさんが計画していたが猫の梅の不調などで何度か延期していた。入り口屋外のフランク・ステラの巨大モニュメントがとても素敵。すごい数の現代美術作品。一大企業が集めた芸術作品を多くの経費をかけて魅力的に一般に公開するということは壮挙だと思う。マーク・ロスコの「シーグラム壁画」の「シーグラム」とはなにか、軽検索すると、ニューヨーク「シーグラム・ビル」内のレストランを装飾するための壁画で、シーグラムはカナダの酒造メーカー、とのこと。JR佐倉駅から京成佐倉駅までは徒歩で約30分。屋外彫刻が多い街並み。

 夜、ドラマ「海に眠るダイヤモンド」最終話までを観る。雪解けの不自然さなどテレビドラミーな面もありつつ面白かった。資源史というのか、現代史の一端がとても興味深い。炭鉱の待合所のような部屋に置かれたストーブに「ついにきやがったか」と石油を注ぐシーンなど。場所と経済と集散。沙羅双樹の花の色。ぼくは炭鉱での鉱夫の仕事をできるだろうか。ひ弱な日々を省みた。
 禁酒4日目。

3月6日木曜日。
 遅刻しつつ前業で最近のお持ち込み買い取りの小山をミックスして仕分け、値段つけ。開店して諸事。
 午後、病院嫌いによるストレスなどに悩みつつ、猫の玉を病院へ連れて行く。腸と腎臓の状態悪く、検査を含めた入院をすることになる。

 先日番台に積み上げた美術批評系の大山の値段つけをひたすら。
 雑誌『美術手帖』の増刊号「1971美術年鑑」の美術団体員名簿に祖父瀬戸団治の名前があったが、斬新な誤植がなされていてとても驚いた。
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 店に立ち寄ってくださった映画を観てきた直後の嵐くすぐる先生が、「80歳前のジジイなのに大川橋蔵にウインクされてキュンキュンしちゃった♡」とおっしゃっていた。

 夜、以前お客様がお勧めくださったNHKのドラマ「宙かける教室」を観始めた。窪田正孝さん素敵♡。
 禁酒5日目。

3月7日金曜日。
 遅刻しつつ前業にて美術批評系大山の商品化の仕上げをして配架。新入荷棚の3.5段分。開店して諸事。
 
 更地になった次期商品ポートを使って『名画座かんぺ』最新号の折り作業。途中にお持ち込み買い取りの処理を数件はさみつつ169枚。

 鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』をミヤモトくんが信じられないくらい面白いと言っていて、めずらしいことだと思う。

 禁酒活動の先輩、友人山田くんにオススメのノンアルビールはなにか尋ねるとすぐに「ヴェリタスブロイ」を教えてくれた。近隣のコンビニで見かけたことがなく、飲んでみたい。

 手帳編集部Iさんがドラマ「海に眠るダイヤモンド」について「生真面目な悲劇性が苦手」とおっしゃっていて、なるほどと思う。

 ドラマ「宙かける教室」を観た。
 禁酒6日目。
 
3月8日土曜日。
 前業にて滞留している保存在庫の移動。店奥から大判美術図録類の大山を引っ張り出して番台に積む。開店して諸事。
 愛車8号を車検のために預けていた主治整備士内田くんが8号を戻し、店に寄って「邪馬台国徳島(阿波)説」について熱く教えてくれた。台車として貸してくれたハイゼットカーゴに乗って帰路につく内田くんの図。ダイハツ・ハイゼットカーゴは視野が広くてとても運転がしやすかった。
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 ぽつぽつと図録類の値段つけ。

 いろいろなことがなんとなく気になって放心し、店内を右に左にただ歩く。いやー今日は働かなかったなーと閉店前に気付いてつぶやく。

 「宙かける教室」を観た。なんたることか、火星の夕焼けは青い。
 禁酒7日目。目標の1週間が終了。身体の調子はとてもよくなった。

3月9日日曜日。
 前業にて大判図録類の値段つけ。無為に放心。開店して諸事。

 近所のご常連Kさんがグリコアーモンドチョコレートを手渡し、「せとさん、中身全部抜いて食べちゃってくれない?箱だけ欲しいの」とおっしゃる。ひとまずうずらの玉子のようなチョコを全て出して箱だけをKさんに返し、なぜなのかお尋ねすると、「ああこの箱さ、線香入れんのにぴったりなのよ」とのことで可笑しかった。確かにぴったりサイズでスライド式のトレイが扱いやすそう。

 DVDをお貸ししていて2度目の視聴中というYさんが、まだちょっと借りてます、盤面減らしちゃってみすません〜とおっしゃっていて驚いた。DVDの盤面が減る。デビル”マンレディ”ってつまりデビル”ウーマン”ですよね、にも驚く。

 閉店後、1週間ぶりに缶ビール、キリン一番搾り糖質0を飲む。飲酒の復活は嬉しいことかと思っていたが、名状し難い寂しさがあるのはなぜか。せっかく道を戻る機会があるのに戻る覚悟を持てない寂しさか。ほんとはAの道がいい、とわかっている。進んできたBの道を振り返り、Aの道に戻る分岐点に立つことができたが、またBの道を選んだ。選んだ、というか、流れた。結局また身体によくない逃亡の杖を握る。
 2本目のプルタブを引く。平衡感覚が少し薄れ、地面と自分を繋いでいた10本の紐のうち2本が切れ、土星の輪が周り始める。感覚の精度は下がるが幅が広がる。うるさく喋る。

# by ouraiza | 2025-03-10 02:10 | Comments(0)
KICKOFFそば    せと
2月24日月曜日。
 営業はせず内勤。美術批評系大山を仕分け。
 午後から『名画座手帳2026』についての「キックオフミーティング」。「KICKOFF MEETING‥‥というのをやってみたいですね‥‥だって、キックオフ、ミーティングですよ?」と手帳編集部Iさんが去年からおっしゃっていて実現。まずは南池袋のそば処まつやさんから出前していただいて昼食。独自に出前をしてくださる老舗の往年の迫力というか、使い込まれたお盆ががっちりと美しい。カツ丼とかけ蕎麦セット、1100円。
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 会議は、まだ残っている2025年版の余韻と次号2026年版の予感に挟まれ、ふわっと浮いていた。

 映画「スターウォーズ ジェダイの帰還」を観た。日本での上映当時かそのあたりに観たスターウォーズシリーズはここまでだが、一部シーンを絵として憶えていつつ物語のつながりをまったく忘れていて驚く。イウォークがでた。
 
 木山捷平『酔いざめ日記』昭和28年1月28日水曜日に、「五反田回生堂病院に行く。牛の『脳下垂体』を尻に埋没をやった。」とあり、脳下垂体治療について軽検索したがよくわからない。昭和29年の書類がpdfで公開されている。木山捷平は痛みがひどく2月9日に別の病院で再手術、「誤ってしまった。」と書いている。その後「脳下垂体」という短篇を書いており、調べると全8巻版全集の第2巻と『斜里の白雪』(1968講談社)に収録されているようなので探してみたい。

2月25日火曜日。
 休み。新宿へ用を足しに行かねばと思っていたが億劫でサボる。
 夕方少しだけビリヤードの練習。不調すぎて可笑しい。
 池袋の居酒屋まさ樹さんにて友人Kさんと小宴。身体に優しい酵素。麹はとても美味しくありがたい。

 帰宅すると19歳になる猫の梅の頭が斜め右に傾いており、まっすぐ歩けずよろよろと右へ回る。右耳になんらかのオモリが入ったのか。様子を見ることにして一眠りして起き上がった梅を確認するともう斜めではなくなっていた。

2月26日水曜日。
 休み。午後、新宿の高層ビル街を歩き巨大オフィスビルの35階にある八十二銀行にて父親の墓所使用料の支払い。ついでに世界堂に足を伸ばし数字の判子を探すもごく普通の事務用ゴシック体が無い。しかし通販で探すヒントを得ることができた。ムトさんとふだん立ち寄ることのない裏新宿を散歩。東新宿のお寺が多い地域を横切る。後に月岡芳年のお墓が近くにあった、とムトさんに教わった。

 夜、ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を観始める。軍艦島が舞台なんてとても興味深い。島の長さ480m、幅160mとのこと。

2月27日木曜日。
 前業で先日次期商品ポートに載せた美術批評系大山の値段つけ。
 ひたすら集中してウェブ登録と商品化。営業中特有の諸々を挟みながらで、店員ノムと作業したものを合算して閉店前に数えるとちょうど50点。

 プレステ3にて「龍が如く4」。最終決戦前のレベル上げのために必要なサブストーリーがこなすだけになって辛く、特にキャバクラ攻略がつまらなすぎてうなだれる。神室町になんか行きたくない。

2月28日金曜日。
 前業で市場への出品準備をして開店して諸事後、古書会館へ出品に行く。東京マラソン前日だからか単に月末だからか道がとても混んでいる。

 普段帳場内の内野手である店員ノムの体調が芳しくなく外野へコンバートしてもらいぼくが内野へ移動、番台上滞留物の値段つけをひたすら。
 夜、『名画座かんぺ』最新号の表紙作りを図案の下書きまで。

 編集部Iさんに教わった映画「ザ・コンサルタント」を観る。とても面白かった。

3月1日土曜日。
 前業をサボって開店して諸事。整備士の内田くんが朝のうちに愛車8号を車検のために移送、代わりの車、ダイハツ・ハイゼットカーゴを駐車場に停めていってくれている。

 謎の腹痛が断続的に起き、体調が底辺。腹部へのさしこみっていうのはこういうことだろうかと思う。

 店員ノムが『名画座かんぺ』最新号を作らねばならないので今日も内野で守備。番台上滞留物の値段つけと数件のお持ち込み買い取りをミックスして仕分け、値段つけ、配架。

 探していた数字の判子が見つかりウェブで発注していたものが届いた。値札に捺したかった。楽しい。
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 夕方、ご近所のPさんが苺を1パック差し入れしてくださった。旬という感覚から遠くなりがちな店の帳場に急に旬の色味が現れて嬉しい。
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 『名画座かんぺ』最新号の表紙作り。昨日の夜下書きだけしたのだが、下書きから1日置いて彫ると、1日分干された想を試すことができるのだな、とわかった。普段どちらかしか使わない大三角刀と小三角刀の混線を目指した。

 閉店後、レンジでホット化したチョーヤの梅酒をふた口飲んだが体が拒絶。

 ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を観た。

3月2日日曜日。
 前業をサボり開店を店員ノムに任せて養生後に出勤。いつものアルコール過多で調子が悪い、とはやや角度の違う調子の悪さで、普段の慣れた養生では効能が薄そう。ニュータイプの養生を発見しなくては。といってもとりあえずは養生のロングバージョンを試みる。せっかくの暖かく春めいた日曜日に健やかではなくて残念。

 夜、立ち寄ってくれたミヤモトくんが「虹ってなんか、過大評価されてませんか、、、?」と言っていた。

 ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を観た。ラブストーリーがイヤだが、なぜだか杉咲花さんだといい。
 禁アルコール1日目。

# by ouraiza | 2025-02-28 23:55 | Comments(0)
ガラスと磁石
2月17日月曜日。
 午後から営業はせず内勤。春の気配が嬉しい、と思っていたら夕方前から急に極寒。
 諸事の後、手数がかかってなかなか大変な「名画座かんぺ大賞」の入力を。例年だと深夜に自宅でじりじりと進めるのだが今年はそういうタイミングが取れなかった。数時間で完成。

 夜、全集類の商品化と配架。尾崎一雄全集に一時期憧れていたので扱うことができてとても嬉しい。檀一雄全集もぴりっとした揃いが入荷したのは初めて。

 NHKオンデマンドで「魔改造の夜」を観た。「ビニール傘 滞空時間マッチ」と「脚立25m走」。とにかくすばらしく面白い。製造業のかたがたが無性にかっこいい。鑑賞後しばらくビニール傘の飛翔についてかんがえた。

2月18日火曜日。
 休み。廃テンションで家窟にこもりYouTube徘徊や少読書など。
 夕方店にてウェブで発注いただいたセットものの梱包の準備。
 長期課題である「『外の商品は先にご清算orお預け下さい』を確実に自然に表示する問題」の次の実験方式を決める。【外:小表示3 中:大表示1】を【外:小表示1+大表示1 中:大表示1】に変えてみよう。

 夜、三谷幸喜監督の映画「記憶にございません!」、アニメ映画「ルックバック」を観た。勢いでビリヤード関連とのことで約20分の短編映画「8」(そもそも通用するはずのないシンプルな反則が反則とされずただビリヤードへの誤解を生むだけの20分がとっても辛かった)も観る。

2月19日水曜日。
 休み。パソコンやテレビと無為に過ごし、猫の玉と梅をブラッシング。ロサンゼルスの火災は1月31日に鎮圧が発表されていた。山火事なので住宅街がどのくらい含まれるのかわからないが焼失面積は約150平方キロメートル、東京ドーム3000個分とのこと。大阪府堺市の面積が約150平方キロメートル。

 夜、ゲーム「龍が如く4」の最終局面に向けてのなんとなくな準備と、三谷幸喜監督のドラマ「大空港2013」を観た。

2月20日木曜日。
 前業、滞留物の値段つけ。開店して諸事。

 注文しておいた細長く平らな強力ネオジム磁石が届いた。ガラス戸にぶつかるお客様が多かったため注意のために貼り画期的なヒット装飾になった「ガラスを割ってめり込んでいるように見えるボールステッカー」(9年弱前)と小さな貼り紙2つを剥がし、大きめなサイズで「外の商品は先にご清算下さい」という貼り紙を作り、ガラス窓とビニールに入れた貼り紙をネオジム磁石で挟んで留める。これが半永久的に安定すれば、テープで留めていた場合のガラス掃除における剥がしてまた貼る手間がかなり楽になる。そもそもテープは一時しのぎに過ぎず、ガラスに対する確固たる接着方法にはなり得なかった。
 ついでに地球儀看板を赤く塗った。
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2月21日金曜日。
 前業にて商品化にひねりが必要な滞留物の値段つけ。
 
 意を決してぐずぐず引きずってしまいがちな書類仕事にまとめて3件トライ。源泉徴収票の件、父親が持っていた年に300円くらい配当がある株の件、決まりかけいる父親の墓所の件。結果、◯、△、✕。惜しい。

 ご近所のKさんがいらっしゃり、「吉原の芸妓さんとかが別名を名乗るとき『源氏名』っていうけど、なんで『平氏名』とか『平家名』じゃないの?」とのご質問をいただいたので軽検索して調べる。「光源氏がモテモテで、平家にはそういう感じがないからみたいですよ」と一応検索結果をまとめてお応えした。そうだったのか。

2月22日土曜日。
 前業にてやや変化球な商品の値段つけ。ケネディ大統領暗殺事件を報じる産経新聞など。
 中央図書館でお借りした本を返すのに中央図書館まで行かずに雑司が谷の地域文化創造館内の窓口でもいいと分かり返却に行く。返却は豊島区内の図書館施設ならどこでもいい、とのことで驚く。帰路、あれ、この驚きとまったく同じ内容で数年前にも驚いたな、とぼんやり思い出した。

 一昨日ネオジム磁石でガラス戸に留めた「外の商品は先にご清算下さい」看板だが、開いた時に外の風に吹かれたり、ドアの開閉時の揺れによって磁石がほんの数ミリ動き、紙やそれを入れているビニールがだんだんよじれてピンと張った状態が保てないことが分かった。残念だが磁石で貼り紙を留める作戦からは撤退。ガラスと磁石の相性の悪さを学ぶ。マスキングテープでひたすら粘ることにする。

 ウェブ登録商品の画像撮影を午後遅めから夜までずっと。ついに番台上次期商品化ポートがいったん更地になった。次に商品化する大山の候補が6つほどあり、流れのバランスを鑑みて美術系にしようと決まる。

 夜、少しだけプレステ3にて「龍が如く4」。サブストーリーの片付け。なんだかジョブをこなすだけになってしまう。

2月23日日曜日。
 前業にて車に積んでいる市場用商品の見直し。一連の単行本のカバーがシールで貼り付けてあることに気付き、このまま市場には出品できないので5束分縛りを解いた。
 更地になった番台上次期商品ポートに載せる山脈を店奥から引っ張り出し、写真集棚を覆っていた滞留山脈を空いた店奥の空間にパズルを解きながら積み上げる。棚を塞いでいた期間は1年以上になるだろうか、ついに売り場の一角が露出させることができた。
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 開店して諸事。
 次期ポートと次次期ポートに一部ずつを積み上げようとした美術系山脈だったが、完了済みと想定していた仕分けを3年ほど前入荷した当時にやっていなかったことがわかり、時間をかけて仕分けをしながら積み上げる。時間はかかったが予定外の市場用商品が発掘されたりもする。哲学思想美術批評系の本のタイトルにあるカタカナの分からなさに怖くならぬよう以前軽検索を繰り返した(2022/3/13/日曜日)がほとんど憶えておらずまた気が遠くなる。そこに「エパーヴ (épave 難破)」を付け加える。

 組合支部の経理の仕事をしにいらした古書信天翁センパイからドラマ「海に眠るダイヤモンド」と「べらぼう」の面白さをお聞きした。


ラジオ投稿の練習 テーマ「初めて◯◯した話」
思いつかず。

# by ouraiza | 2025-02-24 17:57 | Comments(0)