のむみちが往く
f0035084_23372967.jpg今晩は、のむみちです。久々に読書感想報告です。
「鞄屋の娘」前川麻子
うん、いいお話でした。希望持てます。ただ、長嶋有とか川上弘美を初めて読んだ時の感動と衝撃はなかったかなぁ。個人的に鞄やら帆布やらといった物が好きなので、読んでいて楽しかったというのはありました。
f0035084_23375483.jpg
「未亡人の一年」ジョン・アーヴィング
長かったですぅぅぅ・・・・。でも読み終わってみると、読んで良かったぁぁぁ。究極のハッピーエンドです。映画化されたらしいのですが、一体どんな人がハリー役をやったのか、DVD化が待たれます。アーヴィングの作品はどれも何となく長いイメージがあり、この作品が初体験だったのですが、読後感がこんなに爽快なら、別のも読んでみようかな。
f0035084_23381140.jpg
「吾妹子哀し」青山光二
キラキラした作品でした。よくまぁこんな暗い題材がこのように調理できるものだ、という気持ち。愛とは、いつも直球ストレートではありません。人間ですもの。そりはそりは様々なひねくれた変化球という形で出て来ちゃったりするのです。長年連れ添った夫婦の片方が、倒れたり認知症になったりして、いわゆる「普通」の生活ができなくなった時に、逆に素直に愛を表現できるようになるというケースが少なくないのかもしれません。ちなみに、川端康成文学賞を受賞したのは、『吾妹子哀し』ですが、私は、書き下ろし収録作品の『無限回廊』の方が好きだったな。高橋英夫が解説で書いてますが、「青山光二は『吾妹子哀し』で、友人の織田作に追いつき、追い越した」と。解説にも感動でした。
[PR]
# by ouraiza | 2006-02-09 00:03 | のむのノミムメモ | Comments(0)
成川さんはブ(ラ)ックジャック
f0035084_22342462.jpg名医の腕に抱かれた患者さん。雑司ヶ谷在住、成川さんは古書収集家でもありつつ風邪をひいたりスジを違えたりすりむいたりした本のお医者様です(といっても最初から綴じ直す、紙を復元する、などの基本構造の手術とはちょっと違います)。今回お願いしましたのはぼくの通った大学の英文学、シェイクスピアなどご専門の先生からの御依頼品1820年刊ロンドン版『サミュエル・ジョンソン全集(作品集?)』。相手が革とあってはさすがの成川さんも…などと心配御無用、退院後の姿にびっくり。見返しの「のど」の部分、茶に染めた和紙に金粉をまぶしたりしてオシャレ。がっっちりしていました。最初の一冊は試し、それでよければ、ということで本日重症の残部、先生が届けて下さいました。うわわぁドクター!
せとf0035084_2250787.jpg
[PR]
# by ouraiza | 2006-02-08 22:53 | Comments(0)
コドモオオドラゴン
f0035084_22191791.jpg同級生が連れてきてくれたそのお子様くるみさん、10ヶ月。なんともまあちいさくてあらまあ美人なコト。じーっと見つめられて照れちゃうなあ。古書往来座のチラシをつかんでくれてありがとうございます。その時ご来店中だった朝様とぼくを交互にじーっと見つめるんです。どうかヘンなおじさん二人をトラウマにして本を嫌いにならないで下さい。どうかご家族とのびのび楽しく大きくなって下さい。よき旅を!
本屋というところは長くいるとなんともエゲツなくオトナの邪念が渦巻いているような気がするんですが、そこにポツンと純白な美しい塊があると、おもしろいです。ハッとします。明治通りの水たまりに鮎がいるような。
せと
[PR]
# by ouraiza | 2006-02-07 22:30 | Comments(0)
本築道3
f0035084_2312465.jpg■本築とは本の建築のこと。茶道は茶を点て、華道は花を活け、本築道は本を築く。段位は厳密適当なる審査のもと自分で勝手に授与される。眼目は構造の高さ、本の内容に無し、ただ熱意と気分にある■

060205
作 梅郎(本棚埋めノイローゼ せと)
天地 140
身丈 50
胴寸 25
本築の基本形のひとつである「あみだ橋」のみを使った小品。こざっぱりしていいですねえ。築き方のおおまかな基本形態は、およそ8種類あるといわれています。「背合せ」「壁もたせ」「縞建て」「ますらお」(←1番高度)「あみだ橋」……他。「あみだ橋」はなかでも最高の耐震強度を誇ります。今回の小品は細かくいうと「5面あみだ」であり、5面はあみだ橋を建てるのに最少です。まずヨコに2列タテに3列、数冊の山の立方体が1面。次にヨコとタテの上下を逆さまにしてほぼ同じ体積の立方体を次の1面にする。すると全てのちいさな列で橋渡しががっちり組まれることになります。これは本築の本場である出版社の倉庫などでも使われている基本形なのです。多面多段、いくらでも増幅可能、頑健な本築です。
f0035084_23174859.jpg今回この冊数でのあみだ橋はちと無理あり、ただその小さくまとまった固い塊感のみが美点。糸隠しあり。版元合せ絶無。岩波文庫の新型旧型の型合わせがありそこはよし。工夫が無いのは静けさと解せば美点となり得。
特に進歩認めず。2級。

ところでこの本築に使われたのは絶版文庫なのですが、おもしろいものが少々ありました。一部をご紹介します。これを読んでくださっているかもしれないと思わるるお客様向けに、微妙な心当たりがあります。ご入用でしたらば連絡くださいませまし。せと
f0035084_23235740.jpg
[PR]
# by ouraiza | 2006-02-06 23:24 | Comments(0)