そつろんしゅうりょう
そつろんしゅうりょう_f0035084_20364588.jpg昨日卒論の締切日でして。なんとか提出してきました。
いやはや危なかった。原稿を持って大学に向かおうと家を出る時、鍵が見つからなくってカバンの中を探る手がガタガタ震えました。そのくらいギリギリでした。

書いてる途中で数回、こりゃどう考えても間に合わない→自動的に中退、の図式が浮かんで、さよならアメリカ さよならニッポン のメロディが脳内を駆け巡りました。でもこれ以上失敗したらその後どうやって生きたら良いのか想像つかないので、ペシペシと頬を叩いてキーボードに向かう。

写真は最後の3時間くらいお世話になった冷えピタ。もはや飲み続けたブラックコーヒーも頻繁な洗顔も利かないくらい極度の睡眠不足に負けそうになり、装着。てきめんでした。

昨日はそのまま店に出勤。2日寝てない頭で仕事がまったくはかどらず、無駄に笑顔だけふりまいてました。あははー。

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そつろんしゅうりょう_f0035084_21154724.jpg逢坂みえこ 『たまちゃんハウス』 集英社 既刊4巻

逢坂みえこは、仕事を題材にマンガに描くのがうまいと思う。『ベル・エポック』の編集者、『火消し屋小町』の女性消防士、そして今回は、落語家。

大御所、桜花亭春福には弟子が3人いる。
しっかりものでちょっと意地悪な早春。引っ込み思案で努力家な春々。一番年下の、ひょうきんでかわいい白春。3人は、怒りっぽいけど情が深い春福師匠に日々きたえられている。
主人公はその家の一人娘、珠子。彼女は元々まったく落語に興味が無くて、盛り上がる皆との距離を感じていたが、ふとしたことから春々に恋をして、慣れない世界にたじろぎつつも持ち前の楽観主義でだんだん落語に近付いていく。
一応ラブストーリーが軸だけど、そんなことより毎回出てくる色々な落語のストーリー描写や、高座の舞台裏の様子がとても面白い。弟子3人の活動も、テレビに出たり落語一本だったりとそれぞれ個性が出ている。
上方落語なので、道具とかもちょっと江戸とは違うらしく、それから何より「ことば」が良い。著者が関西の人らしいので、登場人物が話すセリフが回を追うごとに迫力を増していく。

この主人公の珠子が、そそっかしくて思い込み強くて、読んでてうわー、という気持ちになるけれど、将来が不安で自分に自信が無くて、何とか自分に得意なことを見つけようとしているその姿は、なんだか身につまされてしまう。
その対極にあるのが、春福と並び称される吉兆師匠の家のお手伝い妙子。彼女は若いながら世間を知っていて、いつもにこやかで清楚だけど実はとても厳しい人。珠子に対して心の中で思うツッコミが辛辣で、その鋭さにドキッとさせられる。

おすすめは、第4話。家庭が複雑でヤンキーな少年だった白春が、どうやって桜花亭一門に入って落語家になったか。不覚にも泣きました。徒弟制度って苦手なイメージだったけど、あったかいのかも・・・・なんて。

当店で3巻までセットで発売中です!!

なつき
by ouraiza | 2008-12-23 22:34 | ふらふら散歩(終了) | Comments(0)
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