ハルキ回帰
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中学の終わりから大学の始めまでどっぷりはまっていた村上春樹を、数年ぶりにじっくり読んでいます。思えば高3の時出た『海辺のカフカ』あたりからなじめなくなっていて、『アフターダーク』もあんまり響かず、徐々に離れていって、気付けば最近は読めもしない研究書ばっか手にとっていて小説自体ご無沙汰な日々・・(マンガは読んでますが)。
そんな毎日にふと疲れを感じ、往来座にあったこの2冊を立て続けに購入。どちらも初読です。

『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
共著の柴田元幸と対談形式で進む『キャッチャー・イン・ザ・ライ』分析。『ライ麦』の主要な評論がどのようなものかは知らないのですが、本作ではサリンジャーの出自とか生い立ちとか戦争体験といったものが作品と重ね合わせられていました。両者の熱い『キャッチャー』語りはともかく、読んでていいなーと思ったのは、柴田氏が時々、ご自身が教えている大学の学生からの質問を村上氏に聞くところです。自分が生徒だったら、そんな伝達をしてもらえるなんて嬉しいし、頼もしく感じるだろうなぁ・・。
私自身の『ライ麦』体験はというと、野崎訳はなんとか昔読了したもののピンと来ず、村上訳『キャッチャー・・・』は周りにいた数少ない村上春樹読者だった高校の恩師に卒業祝いにもらったものがどこかに仕舞い込んであるはず。頂いたその時は主人公ホールデンの性格がどーにもこーにも合わなくて、途中で放り投げてしまったのですが、本作を念頭に置いて久々に再挑戦してみようかしらん。

『東京奇譚集』
第三話「どこであれそれが見つかりそうな場所で」冒頭

  「夫の父は三年前に、都電に轢かれて亡くなりました」とその女は言った。

ひえぇぇ!!なんて死因。そのお父さんは、「豊島区でお寺の住職」をしていたそうですから、地理的にはありえます。それにしても、「ずいぶん酒に酔っていた」とはいえあのスピードで轢かれて絶命するのだろうか・・と不思議に思ったのですが、過去にもそういう事件あったみたいですね。http://www.geocities.jp/showahistory/history04/topics30a.html(5つ目の「浅草オペラの歌手が轢死」の記事参照)
あ、もちろん本作の方はフィクションですが。

なつき
by ouraiza | 2007-06-28 00:06 | ふらふら散歩(終了) | Comments(0)
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