上り屋敷の思い出
今日は久々にポカポカ陽気で、お客様も心なしか少し多かったような気が。それでも夜が更けてくるとだんだんと気温が下がり、先週ののむみち(週末店長)じゃないですが、「さみぃ」くて、自称「氷の手」を持つ私は、氷点下の指先がうまく操れず、袋を開くのもままならなくなって、余計にお客様をお待たせするのが申し訳なくてカナシーです。

最近の読了本
上り屋敷の思い出_f0035084_2325464.jpg『風通しよいように・・・』矢川澄子 新宿書房 1983
色んなところに掲載された文章をひとまとめにしたエッセイ集。
以前の夫澁澤龍彦との事や、翻訳者として取り上げられる事が多い矢川澄子ですが、私は彼女を、バンド「たま」との関連で知ったのが最初で、その生き方や文章に惹かれ、それから少しずつ本を買うようにしています。この作品は、まだ「たま」と出会う以前のものなので言及はなされてませんが、「たま」のアルバムの録音にも使われた、彼女の終の棲家、黒姫の家のことに幾度か触れられていて興味深く、そして何より、生まれてから7歳まで暮らした1930年代の目白の風景描写が、ゾウシガヤンにはたまらないです。「おうちからつい目と鼻の先にあった、ライトさんの設計のJ学園」は、矢川さんの母の母校でもあったそうです。
様々な文学者と交流が深く、自身も博学で多くの著作を残した美意識の高い凛とした人、というイメージの反面、幼い頃のことを克明に記憶していて、「少女」という存在に終生こだわり、本にのめりこむことでよわよわとした子供時代を生きのびたという、一人の孤独な女性の姿が文中にちらばっていて、その印象はまさに「風通し」がよい涼やかなもので、しみじみ憧れます。

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『日本国憲法』森達也 太田出版 2007
大好きな森達也の新刊です。
もうお店を出る時間なのであまり感想を書けないのですが一言。
問題:現行憲法の最初の単語はなんでしょう?

答えはp.99にあるので是非ご参照ください。私は「おおっ」と思いました。


なつき
by ouraiza | 2007-01-28 00:01 | Comments(0)
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