商売柄、当店のドアは営業時間は常に開きっ放し。ということは・・・さむいっ!のであります。暖房もへったくれもござんせん。そこで本日考えた。ホットドリンク用ボトルに熱湯を入れたら暖かそう。おおぅ、コリャあいいや。エプロンのポッケに入れててもいいし、写真のように首から下げると、胃の辺りがほっこり暖かい。同僚のコニギリ君に早速自慢すると、つれない一言。「重すぎる・・。」んー、ま、確かにねぇ。水の熱も小一時間しか持たないし。でもしばらくは使ってみようかと思うんです。だって本当にさみぃのよ。
『ジョニーは戦場へ行った』ドルトン・トランボ著角川文庫
高校の時、読書をする(義務)時間というのが設けられていて、選んで玉砕したのがこの本。何度頑張っても瞼が落ちる。でも不思議と寝ながらもページはなぜかめくられて、何と読了。その結果、全く内容を覚えておりませんでした。主人公ジョニーには両腕両足目耳鼻口がない、ということ以外は。
この度ふとしたきっかけで再度トライしてみたのですが、何と言うか、めちゃめちゃおもしろかったんです、これが。凄惨な状況下にあるジョニーが一体どうやって外と意思疎通を計るのか。ヘタなミステリーやアクションものよりハラハラドキドキでした。常日頃、目が見えなくなった時のために点字を習おうとか、前向きに後ろ向きの事を考える傾向が強い私。今回のジョニ夫君の状況も、良い勉強になりました。うん、モールス信号やっぱ習っとこう。
『優雅な生活が最高の復讐である』C.トムキンズ著、青山南訳、新潮文庫
うすめの本でしかも字が大きくかつ3分の1が写真という、なんとものむみち的なこの本。ところがどっこい、内容はとっても美味しかったです。ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソなどが生きた、1920〜30年代のフランスの雰囲気が匂いたつほどまでに伝わってきます。これらの芸術家たちと深い交流のあったある夫婦の物語なのですが、本当にこういう夫婦は稀だと思います。実際お金もある夫婦ですが、その生き方は、ただ豪勢なのではなく、あくまでも優雅で、クリエイティブ。題名を目にした時は、?、と思いましたが、読んで納得しました。青山南、いいなぁ。
『王妃エレアノール』石井美樹子著、朝日選書
十二世紀は十字軍の時代に生きた、エレアノールの評伝。非常に勉強になりました。30歳を超えると老女と言われたこの時代に、何と83歳まで生きてくれたおかげで、彼女の生涯を読むだけで、ほぼ一世紀分の歴史的出来事を追うことができます。もう忘れちゃいましたが。しかし、この時代の人たちは何かと大変そうですね。国という領土が争いによって、簡単に広げられたり失われたり。女性にとって跡継ぎを生むことが、笑えるほど深刻な問題だったり。とてもおもしろく読めました。もう一人、評伝もので小西章子という方がいらっしゃいますが、併せておススメです。
老女のむみち