+++本はある瞬間、画用紙にもなる。本に無造作に描かれた落書きは、日常生活にくいこんだ本と人とのたくましい交わりを、思い起こさせます。+++
元旦の埼玉県内ブックオフで買った唐十郎『佐川君からの手紙』を手入れしようとページを繰ると、それが大まかに言って絵心本の部類に入れてもいいかなと思われるいわゆる「伝心本」であることに気付く。パラパラ漫画の要領でメッセージが込められている。1ページの上端から「い」、3ページ「ち」5ページ「ね」7ページ「ん」・・・おぉ!「いちねん」!なになにどうなるの?!あせってページをめくる指は乾燥して無情にもよくすべる。「ご・い・な・い・に・は」、ごは後だとして次は「か・な・
ら・ず」よし必ず絶対!「こ・ど・も・が・う・ま・れ・ま・す・よ・う・に」・・・あ!うぅもしや・・・「が・ん・ば・ろ・う・ね。」そ、そうですかごめんなさい!まだ続き「あ」、あぁ多分あの「あ」だ、「い・し・て・ま・す。」 やべべべ、どうしよ。しかしよりによって『佐川君からの手紙』に・・・。返事が別の本にあるのかもしれない。
ぼんやりしたピンクの扉を開けてしまい毅然たる鶴の鋭い視線から逃げようとうつむいた、夕方5時。
業務連絡です。もしもご覧になっていたらS様、お探しの倉本聰『幻の町』入荷しました!500円です。
せと