2013/09/21      のむ
2013/09/21      のむ_f0035084_141123.jpg


肉の日高さんがあともう少しで閉店してしまう。自分は雑司ヶ谷住民ではないし、精肉を買ったりすることはなかったけれど、日高さんのすき焼がそれはもう死ぬほど大好きで。(少し前の投稿で代表がミートボールと書いたが、それは昔の話。近年はもっぱら、すき焼。)
むかーしむかし、バイトしていた焼き肉屋さんの従食(従業員用の食事)が美味しくてとても幸せだったのを思い出す。そこでは、焼き肉としゃぶしゃぶをやってたが、お客さんに出すにはちょっと、な部位の肉を使って、料理長のジミーさんが手際良く賄い飯を作ってくれた。その煮込みの美味しかったこと!そう、肉屋の煮込みが不味かろうハズがない。日高さんのすき焼きも、おそらく、精肉としてこれ以上カットできない端の部分とか、脂身とかを上手に使って、おじさんが毎日コトコト煮るのだろう。いや、おばさんかな?中にはギョっとするほどの肉の塊が入ってたりして、得した気分になったりもするのだ。一緒に買うのは、ご飯と野菜サラダ。この野菜サラダがすごいんだ。まず、お値段が110円。以下、入っている野菜。レタスキャベツキュウリニンジンセロリワカメピーマンミズナカイワレ。9種類くらいの野菜が入ってて、ドレッシング付きで、110円。初めて買ったときは本当に感動した。コンビニなんてこれの半分くらいの量で、ドレッシング別売りで、198円だもの。ドレッシングは和風あわせとフレンチ(だったかな?)と2種類あって、自分は、断然あわせ派。すき焼は250円、300円、500円、とあって、たいてい250円のを買うのだけれど、今日は奮発して300円のにした(写真は先週撮ったもの)。25日閉店だそうで、そうすると、たぶん、あともう1回食べられるかな。500円のすき焼に最初で最後の挑戦をしてみようか。


♡今週のシネみち♡

1)◎『四谷怪談』'56新東宝(毛利正樹監督 若山富三郎 飯田蝶子 相馬千恵子 田中春男)
2)◎1/2『忍者秘帖 梟の城』'63東映(工藤栄一監督 大木実 大友柳太朗 高千穂ひづる)
3)◎1/2『青島要塞爆撃命令』'63東宝(古澤憲吾監督 池部良 加山雄三 佐藤允 夏木陽介 佐田豊 浜美枝 西条悦朗)
4)◎『極悪坊主 人斬り数え唄』'68東映(原田隆司監督 若山富三郎 小池朝雄 小沢栄太郎 菅原文太 安部徹 天津敏 春川ますみ 橘ますみ 小松方正)
5)◎1/2『胸より胸に』'55松竹(家城巳代治監督 大木実 有馬稲子 久我美子 水戸光子 織田政雄)

124:ノムズシアター 35:ラピュタ阿佐ヶ谷

『四谷怪談』
キャストに蝶子の名を発見。すわ、お岩か?!と思ったら普通にババア(トミー扮する伊右衛門の母親)。冒頭の蕎麦をすすってむせる演技で笑わせてくれる。四谷怪談というと、新東宝は新東宝でも、中川信夫の作品が名作らしいが、個人的には蝶子大活躍で大満足。しかも、単なるお岩のウラメシヤ映画とばっかり思っていたら、ラストでトミーの結構大きな殺陣シーンが拝め、それも満喫。お岩の執拗なウラメシヤ攻撃により若干気が狂いつつの殺陣は、鬼気迫る、迫真のシーンだったと思う。トミー、さすが。カツシンに、兄ちゃんの殺陣にはかなわない、と言わせただけのことはあります。

『梟の城』
きゃー実タンが忍者〜♡と興奮して観たが、目だけしか出てない忍者コスチュームだと、時折どっちが実でどっちが大友柳太朗なんだか見分けがつかなかった。顔の四角さといい目ヂカラといい、確かに似てなくもないもんね。実と2人で石段に座って語り合うシーン、大友柳太朗の台詞回しの悪さのおかげで、2人が素でおしゃべりしてたように見えて微笑ましかった。実はちゃんと芝居芝居していたけれど(当たり前か)。硬派な忍者ドラマと思わせておいて、大友柳太朗とひづるの男女の絡みもちゃんとあって、楽しめた。実のラストは残念。秀吉が織田政雄でちょっと笑ってしまった。到底そんな大人物には見えないんだもん。

『青島要塞爆撃命令』
戦争ものでありながら、監督が古澤憲吾というのもあって、カラッと明るい戦争ものだった。隊長が池部良、隊員が加山雄三佐藤允夏木陽介って、どんだけ爽やか部隊なんだ。ドイツ軍とやり合うのだけれど、良ちゃんと若大将が乗った飛行機には爆弾替わりに五寸釘とレンガ。果敢に飛び立ったはいいけれど、途中のエアポケットでワイヤーが切れそうになり、良ちゃんは翼に乗って必死に繋ごうとする。それを見たドイツ軍は何か企んでいると勘違い。そのままヒョロヒョロと近づいて来るのを見て、「敵は勇敢だ!」「底抜けに勇敢だ!」の字幕が画面いっぱいに出たときは場内大爆笑。も〜バカ。さらにこのままでは落ちる、と余計なものは放り出せ、と良ちゃんに言われて、釘とレンガを空から落としたら、ドイツ軍、「新型兵器だ!!」いやー、笑った。実は本作、ヒイキの脇役、西条悦朗が出てると聞いたので、見物に行ったのでした。ノンクレジットで、1シーン2カット、上の方の位の軍人役で会議に出席してた。他にも佐田豊も活躍だったし、堤康久もオイシイ役。映画の後は、一緒になったはだかさんとイッパイ。もちろん脇役の話で盛り上がる。

『極悪坊主 人斬り数え唄』
このシリーズ初めてみた。面白い!冒頭のマツタケシーンからトミー、飛ばしまくり。尼さんにお医者さんごっこを仕掛けるとことか、もう、サイコー。同シリーズの他の作品を観てないのでよく前後関係がわからなかったのだけれど、どうやら菅原文太とは因縁の仲のようで、本作でもトミーと決闘するために追っかけ来るんだけど、その度に子供がピンチだったりして、結局文太も子供を助けるのに一役買ったりで、決着はつかない。これ、シリーズが進めば決着つくのかしらん??悪役は、安部徹と天津敏。この2人がダブルで悪役だと、お得感がある。小池朝雄の父親役が小沢栄太郎で、柔術の師範。で、トミーが道場で小沢栄太郎にコテンパンにやっつけられるシーンがあるのだが、トミーの投げられ演技(つまり受け身ってこと?)がびっくりするほどスゴくて、小沢栄太郎がスゴいというよりは、これはやはりトミーが凄いのだろう。トミーすげえな。このシリーズの『念仏人斬り旅』には大木実が出てるらしいので、絶対観る!

『胸より胸に』
今回の有馬稲子特集で唯一の大木実出演作。モーニングだったけど実をスクリーンで観られるなら何時にでも起きれちゃうもんね。大木実は、浅草でストリップダンサーを目指す有馬稲子の幼なじみでありストリップ小屋のバンマスで、トランぺッター!きゃー♡大木実が麻雀ですっからかんになのに、水戸光子の呑み屋に来てビールをせがむシーン。「ビールをよこせ♪ビールをよこせ♪」と行進してグルグルする姿が悶絶級に可愛くて、思わず呻いた。もうひとつ、ベッドに寝てるシーンで、剥き出しのふくらはぎが布団からはみ出てて、どれだけその布団を捲ってしまいたかったか!うー。有馬稲子の美しさもちゃんと堪能。海辺で舞うシーンには息をノんだ。久我ちゃんは下宿先の娘で稲子の友人。貧しい家計を工場勤めで助ける、優等生的女の子。工場の仲間たち(かな?)と合唱サークルをやったりして。昔の映画に出てくる「合唱」の青春度ってハンパないですね。水戸光子がとても良かった。いい世話の焼き具合で色気もあって。相手役の下元勉、これまであんまり意識してなかったけれど、なかなかにダンディ。知性的で、森雅之に通じるものがある気が。山田五十鈴が一時期結婚してたようで、何だかわかる気がした。でそんな下元勉と対称的だったのが、ストリップ小屋の楽屋番の織田政雄。腹巻きにニットキャップっぽいの被って、拭いたステージをストリッパーが歩くと「そこ拭いたんだよっ!」と怒鳴ってみたり。私なら下元勉と織田政雄、どっちと結婚するか迷うね。

今週は織田政雄が秀吉とストリップ小屋の楽屋番だった。いい映活をした。

肉みち
by ouraiza | 2013-09-22 03:41 | ノミムメモ(土曜) | Comments(0)
<< 2013/9/22 みみふん うすだ 2013/9/20 ... >>