1986年初版 辰巳出版 3800円 販売中!!! 売切れ ⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘ ♡今週のシネみち♡ 1)◎◎1/2『妻は告白する』'61大映(増村保造監督 若尾文子 川口浩 小沢栄太郎 根上淳) 2)◎『夫婦百景』'58日活(井上梅次監督 月丘夢路 大坂志郎 岡田真澄 浅丘ルリ子 長門裕之) 3)◎1/2『二人で歩いた幾春秋』'62松竹(木下恵介監督 高峰秀子 佐田啓二 久我美子 倍賞千恵子 岸輝子) 4)◎◎1/2『目白三平物語 うちの女房』'57東宝(鈴木英夫監督 佐野周二 望月優子 久慈あさみ 団令子 佐原健二 杉葉子) 5)◎◎『樋口一葉』'39東宝(並木鏡太郎監督 山田五十鈴 高峰秀子 高田稔 清川虹子 沢村貞子) 6)△『夕凪』'57東宝(豊田四郎監督 若尾文子 池部良 淡島千景 志村喬 浪花千栄子 小沢栄太郎 河津清三郎) 7)◎◎『波影』'65東宝(豊田四郎監督 若尾文子 大空真弓 乙羽信子 中村賀津雄 沢村貞子) 8)◯『氷点』'66大映(山本薩夫監督 若尾文子 船越英二 安田道代 津川雅彦 森光子) 9)◎◎1/2『雁』'66大映(池広一夫監督 若尾文子 小沢栄太郎 水戸光子 山本學 井川比佐志 山岡久乃) 16789@新文芸坐 234@ラピュタ阿佐ヶ谷 5@神保町シアター 今週はあやや(若尾)満喫ウィーク! 『妻は告白する』やっと観れた、増村×若尾の傑作。若尾文子といえばコレ、というくらいよく見かけるこの写真、濡れた乱れ髪の若尾ちゃんが観れて、もうそれだけでいいや、と。いや、もちろん作品も素晴らしいのですけど。登山中の事故の際、普段から嫌で仕方がなかった夫の命綱を切ってしまう主人公。川口浩に純粋な愛を捧げる悲しい運命の女を体当たり。しかし若尾ちゃんの死体姿はゾッとするほど美しい。 『夫婦百景』月丘夢路と大坂志郎の、妻が稼ぎ手で夫は自宅で家事をしながら物書き、という夫婦を軸に、学生夫婦、十代の若い夫婦、子供至上主義のごく普通の夫婦、子供はそっちのけでいつまでも本人同士がアツアツの夫婦(夫は安部徹!)、女の方がすごく歳が上の年の差夫婦、といった様々な夫婦を描くコメディ。フランキー堺のナレーションは嬉しい驚き。テンポもよい。浅丘ルリルリ、目、でか。 『二人で歩いた幾春秋』実はこの作品、『喜びも悲しみも幾年月』のことだと思い込んでいて、ラピュタに着いてから別の作品だと気づき。本当にたまたま早めに着いていたのでタイミングよく観れたのでした。道路工夫として安い給料で一生懸命働いて働いて子供を大学に行かせる夫婦の姿に感動。ホロリときたのは、子供の高校(?)の入学式で、貧しいナリを気にして会場に入るのを遠慮した夫婦を子供が呼びに来、それじゃ、と駆けていくシーン。美しい親子の姿。 『目白三平物語〜』今週観た中で個人的に一番好きな作品。佐野周二は平凡なサラリーマン、何てことはない妻と、どこにでもいそうな男の子二人の4人家族。ひょんなことから連鎖的に起こる浮気疑惑騒動を通して、夫婦の絆がちょっとだけ強まる過程が描かれる。72分という短さながら、この時代の映画の面白さを満喫、観終わってしばらくはニヤニヤがとまらなかった。個人的に佐野周二はセクシー男優の部類に入っており、望月優子が妻役と知って「うーん・・・」とビミョーに感じていたが、そんな違和感を見事に吹き飛ばすほどの、名演。間のとり具合が神懸かっていた。『日本の悲劇』を思い出した。千石規子が少ない出番ながらインパクト、大。団令子がまだぽっちゃりしていて可愛かった。もう一回観たいくらい。好き! 『樋口一葉』派手な作品ではないが、沁みる一本。山田五十鈴素晴らしい。半井桃水に奥さんがいたと知った瞬間のベルさん。泣かされたわァ。デコちゃんの出番はちょっとしかないけれど、重要な役。娼妓として売られていくデコちゃんに想いを寄せる男の子が残していった水仙の花のシーンにグッとくる。セットも、街灯やら建物のてっぺんの時計台やら、明治ズムに溢れていて、風情アリ。 『夕凪』退色甚だしく、どピンク映画。音声も切れたり。ただ、フィルムの状態だけではなく、全体的に演出も配役も台詞も音楽もあらゆる要素に違和感。最初から最後まで「うわースベってる・・・」と感じてしまった一本。観終わって、しばし呆然。豊田四郎というと、『如何なる星の下に』とか『花のれん』とか好きな作品がいくつかあるんだが・・・と。 『波影』これが『夕凪』と同じ監督なんて、と不思議に思ってしまうほど素晴らしい。芥川也寸志の音楽も然り。岡崎宏三の撮影が凄いのでしょうか、若尾ちゃんが本当に美しく映っていてずーっと見とれっぱなし。恵まれない境遇にありながら、娼妓に身を落としながらも、健気に仕事に励み、周囲の人をやさしく思いやる主人公。運命はどこまでも残酷で、好きな人が獄中にいる間、子宮がんで若くして死んでいく。せつないー。。。乙羽信子、作品によっては本当に苦手なときがある女優だが、本作の乙羽信子はさすが、であった。娼妓仲間の女の子たちと海に行くシーンで、他の子たちはポンポン脱いで上半身裸で泳いでて、溺れかけた子を助けに若尾ちゃんが慌てて海に入っていくシーン。「お・・脱ぐか?脱ぐのんか?!」とワクワクしたが、結局シュミーズ留まり。・・むぅ。 『氷点』原作を高校のとき読んだ気がしたのだが、内容をすっかり忘れていて。けっこうすごいテーマだったんだなぁ。テーマがテーマだし、原作は上下巻本だし、これを97分にまとめるのは大変だったろうな。多少無理矢理話がすすんでいく感もあり。本作の若尾ちゃんは、悪女です。それでも大好きです。 『雁』鴎外の原作を読んだのが比較的最近で、大変面白く読んだため、さあ映画はどんなだ、と楽しみだった一本。すごく良かった。いやらしい強欲な高利貸しの妾になるも、家の前をいつも通る学生にほのかに想いを寄せるお玉。互いに想いは通じているのに、学生はドイツ留学が決まり、結ばれない二人。あああああ。せつねえぇぇぇ。小沢栄太郎は、『夕凪』の魂の抜けたような役とうって変わって、目から口から声からいやらしさが滲み出る高利貸し役で真骨頂。他に武智豊子(本作で初認識)という女優さんのやり手婆っぷりが凄かった。夢に出そう。村田扶実子という女優さんもよくいやな役で見かける顔だったが、初めて名前を知った。山岡久乃の怨念本妻ぶりも凄まじい。まあさ、そりゃさ、若尾ちゃんが妾となると、そりゃあ太刀打ちできんもんねぇ! ⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘ のむ尾ちゃん
by ouraiza
| 2011-09-03 22:35
| ノミムメモ(土曜)
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