2011/02/26    のむ
2011/02/26    のむ_f0035084_23345520.jpgシタール教本(英文) 各360円(装幀違いで中身は同じです) 販売中!!!売切れ





今週のシネみち
◎◎2/1『黄色いからす』'57歌舞伎座(五所平之助監督 淡島千景 伊藤雄之助 設楽幸嗣 田中絹代 飯田蝶子 久我美子)
◎『鶏はふたたび鳴く』'54新東宝(五所平之助監督 佐野周二 伊藤雄之助 東野英治郎 小園蓉子 飯田蝶子 左幸子 坂本武 中村是好 沢村貞子 三好榮子)
△『愛情の系譜』'61松竹(五所平之助監督 岡田茉莉子 三橋達也 乙羽信子 山村聡 殿山泰司 高峰三枝子)
◎『恐山の女』'65フレンドプロ(五所平之助監督 吉村実子 殿山泰司 寺田農 川崎敬三 菅井きん 東野英治郎 中北千枝子 中村是好 諸角啓二郎)以上@シネマヴェーラ渋谷
◎『どぶ鼠作戦』'62東宝(岡本喜八監督 加山雄三 佐藤允 夏木陽介 砂塚秀夫 田中邦衛 水野久美 平田昭彦 藤田進)@新文芸坐
〇『戦国野郎』'63東宝(岡本喜八監督 加山雄三 佐藤允 星由里子 水野久美 田崎潤 小川安三)CS
〇『家内安全』'58東宝(丸林久信監督 飯田蝶子 佐野周二 三宅邦子 江原達怡 平田昭彦)@ラピュタ阿佐ヶ谷
〇『生命の冠』'36日活(内田吐夢監督 岡譲二 原節子)「新潮45」3月号付録DVD
◎『砂糖菓子が壊れるとき』'67大映(今井正監督 若尾文子 津村雅彦 田村高廣 藤巻潤 原知佐子 志村喬 山岡久乃 根上淳)@神保町シアター

今週のミッションは蝶子ちゃんの追っかけ。ただ、期待していた五所平之助作品では重要な役ながらほんのちょっぴりの出番しかなく、ややがっかり。『家内安全』では主役だったけれど、作品そのものがイマイチで惜しかった。

『黄色いからす』嬉しい驚き。そこまで期待してなかったのに・・・大泣き!アクの強い伊藤雄之助が押さえた演技で光っていた。田中絹代がもう、泣かせるんだ。子役の男の子は、小津の『お早よう』の長男役、と。でこの設楽幸嗣を調べてみたら何とも興味深い人物でして。子役をしていたものの、幼少からピアノを始め音大出。渋谷の「ジァンジァン」の音楽監督を務め、浅川マキのバックを務め。母は茶家で8歳から茶道もやり家元を継ぐ話もあったが渡米のため断念。そしてそして、武満徹の甥。んま〜何てこと。劇中、この子が父親(伊藤雄之助)に怒られて物置に閉じ込められるシーンで、何とも悲痛な泣き叫びをするのだが、これ、吹き替えだったのは確かと思われたが、監督がそこいらの子供が泣き叫んでいるのを録ったか、子役本人が実際に泣き叫んでいるのを録ったか、としか思えないリアルさ。これが吹き替えじゃない、ただの演技だったら、と思うと怖い。蝶子ちゃんは、子供の喧嘩相手の子のおばあちゃん役。喘息の咳の演技に唸った。
『鶏は〜』何といっても、東野英治郎に尽きる。女房を寝取られた、情けな〜いコキュ役。その情けなさたるや、もう場内大沸き。先週の岡本喜八の『斬る』でも実感したが、イビキをかかせるとこの人の右に出る者はいない。蝶子ちゃんは死んだ息子の会社の日雇労働者を追っ払おうとする、村の老女ドン役。強面の手下も顎で使う、これまで観た中で一番黒い蝶子ちゃん!
『愛情の系譜』メロメロドラマ。面白くなかった。何度かウトついた。
『恐山の女』ストーリーがすごい。主人公の女が貧しい両親を助けるため遊郭へ入り、まず最初に水揚げされた老人(殿山泰司)が腹上死。その息子(寺田農)も女に惚れ、戦地で女の写真を巡って上官と争い自殺。その兄(川崎敬三)も、世間の見せしめにと虚偽の交際をしていたのにもかかわらず最後にはやっぱり惚れてしまい、止めようとした陸軍のトラックに轢かれて死亡。これは呪われている、というので行者(東野英治郎)にお祓いをしてもらって、悪霊が去り「もう大丈夫!」という東野英治郎の声をよそに、衰弱死してしまう。東野英治郎が怪しすぎて、コメディ映画じゃなかったから誰も笑ってなかったけれど、自分は笑いを堪えるのに必死。主人公の吉村実子、最初は全然きれいと思えず、菅井きんの娘役だけあって、なるほど口のあたりが似ているなどと思っていたのに、物語が進むうちに色っぽく見えてきて、しまいにはルーシー・リューに見える瞬間さえあったほど。密かにマークしている諸角啓二郎という脇役俳優、本作では憲兵役で主人公を尋問。こんなに長く声を聞いたのは初めてだったが、本当に声が惜しい。あれで声が良ければスターになっていたかも、という朝氏の言葉にも納得。ほんと、カッコいいんです。
『どぶ鼠作戦』愚連隊似の軍隊コメディ。一通りみな、流暢そうに中国語を喋っていて感心したが、村長役の沢村いき雄は別格。あの風貌で甲高い声、どっから見ても中国人!藤田進が何とも骨太で正義感とユーモアに溢れるステキ役。
『戦国野郎』本当は『どぶ鼠作戦』と併せて2本立てで観る予定が、電車が人身事故で間に合わず。悔しかったので、以前CSから録画してあったやつでガマン。でも面白くなかった〜。
『家内安全』蝶子ちゃん目当てだったのでその点では満喫できたけれど、このキャスト、あらすじ(源氏鶏太原作)ならもっともっと面白い作品ができたのではないか、と悔やまれる。脚本は井手俊郎なんだが。監督が悪いの?若干知能障害のある息子役(実は一番モテる!)の江原達怡が爽やかな演技で◯。
『生命の冠』ウワサの「新潮45」の付録。サイレント短縮版で、活弁つき55分。作品が面白いか面白くないか、と言われれば別に面白いというほどではないと思ったが、それでもこれまで未ソフト化ということで、買う価値はあったかと思われます。そして、ほぼ全員がこれを買った理由であるところの「15歳の原節子」はやはり神々しいほどの美しさ。まあちょっぴりしか出てませんが。
『砂糖菓子〜』観る前にネットでみたら評価がおしなべて低く、はっきり言って、観ようかどうか迷った。がしかし。映画には作品の良し悪しに関わらず観ても損はない要素などもあるものでして。それが本作の若尾文子。超ド級の美しさっス!原作は曾野綾子。マリリン・モンローがモデルになっているらしく、主人公はセクシーボディだけど頭の悪い女優。若尾文子は頭が悪くないので、この役結構大変だったんじゃないかと思われます。冒頭のヌード撮影のシーン。「(ミンクのコートの下には)何も着てないんです」といってハラりとコートを脱いで全裸になるシーンには、女ながら、鼻血が出るかと思いました。


五所平之ム助


2011/02/26    のむ_f0035084_441114.jpg

・・・で、買うの?
by ouraiza | 2011-02-26 23:35 | ノミムメモ(土曜) | Comments(0)
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