シャドーさんはいますか?    せと
 以前からそういうことがあるな、と思っていたことを、先日古本屋仲間にふと話の流れで訊いてみた。彼は、そういうことがある、と言う。やはりとうれしくなった。
 閉店後の明りを減らした暗い店内とか、営業中でもお客さんのいないちょっとした隙間に、すっと本棚の裏に消えていく影を感じることがある。背後だったり、自分の横のほうから眼の端に入ることもある。現実に眼に見えたことは無い。 
 シャドーさんが現れても、怖い感じはまったく無い。シャドーさんがいることがなんだか当然のような気がしていて、じわりと親密感を持つことすらある。大抵はただ、そうか、と思う。本屋に限らずなにか店であれば、店員さんはシャドーさんに気付いたことがあるのではないか。
 長く集中してなにかの作業をした後などの時間の切れ目に、よくシャドーさんと逢う気がする。店番用の意識と個人的な意識の谷間が関係しているかもしれない。あれ、と振り返り確認しに行っても、もちろんいつもの煮え切らない片隅があるだけだ。
シャドーさんはいますか?    せと_f0035084_15391313.jpg


『トリロー歌集』1~4巻 三木鶏郎 昭和32・33年
有限会社音楽工房 各30頁前後の冊子 4冊1括
売切
シャドーさんはいますか?    せと_f0035084_22205839.jpg
シャドーさんはいますか?    せと_f0035084_222181.jpg

by ouraiza | 2010-05-08 22:25 | Comments(0)
<< 2010/5/10 うすだ みみふん 2010/5/7   のむ >>