南陀楼綾繁さんのご新著『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)。新しい地面に芽が生え辺り一面がうごめき始める感じ。あるひとつの春。そこに種まき雨降らせ陽を照らし見守っているのが南陀楼さんなのだなぁ。この本の全体を通じて、日本中の現場を足で見てきた人にしか表わせないような、要点を正確に掬いあげる柔らかな木製の匙、を感じる。一箱古本市の発明は、ふつふつと目に見えず煮えかけていた人の天然の理を、ぐいっと取り出しててのひらの上で見せてくれたような、将来それが発明されたものであることが不思議がられるような、ものすごいことだと思う。
ぼくなぞにインタヴューしてくださり、すぐ後に全然憶えてない、と仰っていたが、実はほとんど全部書かれている。質問されているぼくの方が、ナンダロウさんからの質問によって、やっと自分がなにをやっているのか理解できる、ということが、以前にもあった。
先日ちょっとしたいきさつで、ナンダロウさんと音楽スタジオ遊びをした。ナンダロウさんはドラム。ぼくは生まれて初めて、ドラムを普通に、かっこよく、ドカドカ叩ける人を近くで見た。フィルインというのか、メロディとメロディの隙間のアレンジも多彩でしびれた。10年ぶりぐらいに触る、と仰っていた。ドラム道のどのへんか、というようなことは、経験が浅すぎてぼくにはまったくわからないが、ナンダロウさんのドラムはとてもかっこよかった。
そして
「『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)刊行記念イベント 南陀楼綾繁2009冬のトークツアー」!!!11日金曜日は古書ほうろうさんにてぼくもお世話になります。今の時点でまったく予想できていないナンダロウさんの質問から、またいろいろ気付かせていただくことになるでしょう。と申しますかぼくは”わめぞ”の「用務員のおじさん」。そのような場でちゃんと呼吸ができるのか不安!!!!お誘いをいただいて以来、どうも上あごと下あごがうまく噛み合わない、不安定な日々を過ごしています。

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