いや、元気じゃない。
いや、元気じゃない。_f0035084_220211.jpg先週の月曜日に出ていた虹。東武練馬にて。その少し前にいろんな人が書いていた虹は見逃してしまったので、嬉しかった。



いらっしゃるといつも代表せとや私に「こういう時英語で何と言う?」と質問してくるおじさま。
大概男女関係の中で交わされるセリフについて訊かれることが多い。
あれ、これってセクハラ?と思われるようなものもないではないが、ご本人は至ってマジメに考えてらっしゃる様子。
男女の恋愛関係について真摯に向き合うその姿勢は微笑ましいもの。
先日いらした際、ちょっと元気がないなと思って声をかけたら、「いや、元気じゃない。失恋しちゃった・・・」と。
おじさん、ガンバレ!



「偽れる盛装」
「女の勲章」 以上吉村公三郎監督 京マチ子主演
「羅生門」(これも京マチ子出演)
「姿三四郎」
「続 姿三四郎」 以上黒澤明監督
を自宅で観た。
文芸坐で京マチ子の映画を観始めた時は、派手で濃いキャラな上、
顔立ちも映画によってはあまりきれいだと思えないし、何だかな〜と思っていた口なのに、
気がつくといつのまにか京マチ子が大好きになっている。
いろんな映画の本を見てみると言われているのが、
敗戦後、世の女たちは京マチ子によって自信を甦らせ、男たちは彼女によって元気づけられた、と。
内側から沸々と沸き上がる生命力を感じさせる、ダイナミックな女優だと思う。


映画に気がいって、本が読めない。
退屈さんに借りた小林信彦の『1960年代日記』(ちくま文庫)をやっと読了。
出版社や、テレビの仕事を通しての人脈がとても興味深い。
以下、1965年7月30日、乱歩の密葬の日より。

 正午、池袋の江戸川乱歩邸。
 山田風太郎氏に挨拶する。妻の実家の親戚にヘンな人がいるという噂があり、それが山田さんだったのだ。
「シンセキになるようですね」
 と私が言うと、山田氏、
「どうも、そのようで・・・・・」
 宇野利泰氏が私の耳元で、「清張が泣いてますよ。汗かと思ったら涙だった」とささやく。松本清張だって、泣くこともあるだろうに。
 1時、出棺。残ったわれわれは、少年ライフル魔の話をする。
 がらんとした応接間の電話が鳴り、谷崎潤一郎死去の知らせが入る。


このほか、三島由紀夫割腹事件の日やら、日記という媒体にそういう事件が出て来ると、一気にリアル性が増し、それがとても面白かった。「日記」をちゃんと読むのはひょっとすると初めてかもしれない。リコシェ豆ちゃんは無類の日記好きで内輪では有名なのだが、わかる気がする。



虹みち
by ouraiza | 2009-08-01 23:22 | ノミムメモ(土曜) | Comments(0)
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